ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

ヨシキさん(仮名・40代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ヨシキ「人生全般を見て欲しいです。今後、何かいいことがあるのでしょうか?」

 

僕「教えていただいた生年月日・生誕地・生誕時刻で運気を調べてみました。来年までの3年間が厄年です。今が『底』です。来年が『後厄』で、少しよくなる兆しが出てきて、再来年からはっきりとよくなります」

 

ヨシキ「今が『底』……。わかります。どん底です。絶望してます。来年から本当によくなっていくのでしょうか?」

 

僕「今、どんなことで、運気が悪いと感じてらっしゃいますか?」

 

ヨシキ「恋愛も、仕事も、家族も……すべて八方塞がりです」

 

僕「彼氏さんはいらっしゃらないのですか?」

 

ヨシキ「いたことないです。単発の出会いはありました。でも、次の約束がないんです。誘われないし……こっちから誘っても、すっぽかされるんです」

 

僕「すっぽかしは、ひどいですね?」

 

ヨシキ「待ち合わせの場所で1時間待っても相手が来なくて、メールしても返事こなかったり、電話してもつながらなかったり……そもそも嘘の電話番号だったり……。そんなことが5回も6回も続くと……ゲイの出会いってそういうものかと諦めてしまいます」

 

僕「ゲイバーとか、行かれたことは?」

 

ヨシキ「毎週通っていた時期もあります。でも、どの店にもいるんですよ、口の悪いゲイが……。こっちが大人しくしていると、言いたい放題言ってくるんです」

 

僕「ヨシキさんと親しい人ですか?」

 

ヨシキ「2~3度話しただけですが、みんなの前でいじってくるんです」

 

僕「たとえば?」

 

ヨシキ「たまたま、気に入って10年ぐらい着ている服で行ったら……『あんた、そんな流行遅れの服、まだ着てるのね?』とか……」

 

僕「確かに、みんなの前で言われると、いい気分しませんね」

 

ヨシキ「楽しくないっていうか、傷つくだけなので……何年もゲイバーには行ってません」

 

僕「コロナがありましたからね。ゲイアプリはどうですか?」

 

ヨシキ「放置してます。メッセージやりとりしても、直前でドタキャンされたり……出会いに結びつかないんです」

 

僕「趣味とかは?」

 

ヨシキ「今、何もないです。ケーブルテレビに入ったので、仕事が終わったら、弁当買って家で見てます」

 

僕「ケーブルテレビって、チャンネルがたくさんあって、何かしら見たい番組がありますよね?」

 

ヨシキ「最初だけですね、ケーブルテレビにワクワクしていたのは。今は、他にすることがないので見ている感じです」

 

僕「運動とかは? 好きなスポーツをしてみるとか?」

 

ヨシキ「運動神経ないんですよ。中高時代、帰宅部だったので、得意なスポーツは何もないんです」

 

僕「ジムで筋トレとか? ジョギングとかなら、初心者でも楽しめますよ」

 

ヨシキ「筋トレも、ジョギングもやったことありますけど、3か月続かなかったです。ジムの年会費だけかかったり、走るのもシューズやウエア買ったり……お金だけはかけましたが……楽しいと思えなくて、続きませんでした」

 

僕「仕事の同僚とのお付き合いはないのですか? 飲み会なども、そろそろ(コロナ)解禁じゃないですか?」

 

ヨシキ「同僚とは、仕事の後も会いたいとは思いません。前に飲み会に参加したら、『彼女いないんでしょ? キャバクラ行きましょう。いっそ、風俗にしますか?』って誘われて……。そんな風に思われているんだって……」

 

僕「そんな風に思われてる?」

 

ヨシキ「40過ぎて独身で、彼女の影も見えない……非モテの気の毒な男に見られているんです」

 

僕「……」

 

ヨシキ「その通りなんですけどね。対象が女じゃなくて男って以外は、同僚が僕に持つイメージは正しいんです。僕は非モテなんです」

 

僕「でも、出会いはあったんですから……」

 

ヨシキ「30代まではね。40過ぎたら、さっぱりです。この前、久しぶりに実家に帰ったら、既婚子持ちの妹から『彼女いないの?』って聞かれて『いないよ』って答えたら、『彼氏は?』って妹が言ってきて……。『何言ってんだよ』って否定しておいたんですが……」

 

僕「妹さん、勘づいているんですね?」

 

ヨシキ「彼氏が居て、一緒に暮らしているなら『実は……』ってカミングアウトしますが……。彼氏いたことない僕がカミングアウトしても、しょうがないですからね」

 

僕「40代になって、1番楽しかったことって何ですか?」

 

ヨシキ「45歳の誕生日に……初めて『ウリ専(男性版風俗)』を買ったんです。人生半分過ぎて、これからアラフィフになるって時に、せめてイケメンとひと時を過ごしたかったんです」

 

僕「よかったですか?」

 

ヨシキ「ウリ専ボーイって、20代がほとんどなんです。数少ない30代の子を指名したんです。年齢近い方がいいと思って……」

 

僕「そしたら?」

 

ヨシキ「ホテルに呼んだら……その子、ケーキ持ってきてくれたんです」

 

僕「誕生日って伝えておいたんですね?」

 

ヨシキ「はい。そしたら、初対面なのに、ショートケーキ持ってきて『一緒に祝いましょう』って……」

 

僕「さすがの心遣いですね?」

 

ヨシキ「今考えると、ボーイのテクニックなんでしょうが……人に誕生日祝われるなんて……大人になってから初めてだったので……」

 

僕「嬉しくて、グッときましたか?」

 

ヨシキ「泣けて、泣けて……ケーキがしょっぱかったです」

 

僕「嬉しい誕生日になったんですね?」

 

ヨシキ「2時間の予約だったんですが……朝までコースに延長してもらって……抱き合って眠れて……幸せでした」

 

僕「そのボーイさんとは、その後も何度か?」

 

ヨシキ「いえ、心を鬼にして、それっきりにしました。会えば会うほど、本気で好きになると思ったんです。月に何度も買ったら老後のための貯金を取り崩すことになります。そこまでしても、相手にとっては仕事で、本当の恋人にはなれませんから」

 

僕「まあ、それが現実でしょうね」

 

ヨシキ「ウリ専ボーイとの夜が唯一の楽しい思い出だなんて……我ながら情けないです」

 

僕「相手のボーイはともかく、ヨシキさんが好意を抱いて、一晩幸せだったのは本当ですから。恥じる必要はありません」

 

ヨシキ「そうですかね?」

 

僕「タロット占いはどうしましょうか?」

 

ヨシキ「具体的な質問文ですよね? これと言ってないっていうか、絞れないんですよ。悩みがないというより、これがいいかあれがいいかという選択肢すらないんです」

 

僕「では、メッセージカードを引いてください。ここに、裏返しのタロットカード78枚があります。気になった1~2枚をめくってください。ヨシキさんへのメッセージカードになります」

 

ヨシキ「では……これと……これ」

↑「ワンドのエース」正位置。

大きな角の鹿たちが集まっています。背中には布のような物がかけられていて、まるで誰かを背中に乗せようと待っているようにも見えます。

 

あなたがするべきことは、鹿の背に乗ること。どの鹿でもいいのです。1頭の鹿がダメなら、次の鹿に行けばいいのです。

 

↑「カップの3」正位置。

飲食の集まりで、浮かない顔をしている女性です。男女が過剰なスキンシップをしていることに気分を害しているのです。

 

あなたが不快に思うのは一理あります。しかし、人はそれぞれ。何人か集まれば、いろいろな人がいるのは当たり前。いちいち眉をひそめていたらきりがありません。スルーできる時は、スルーしましょう。

 

僕「ヨシキさんは、まだ若いのです。ケーブルテレビも楽しいですが、もっともっと外に出ましょう」

 

ヨシキ「ゲイバーもゲイアプリも、楽しくありません」

 

僕「ゲイに無関係でもいいじゃありませんか?」

 

ヨシキ「趣味……ですか?」

 

僕「趣味でもボランティアでも、何でもいいのです。片っ端から試してみましょう」

 

ヨシキ「楽しめなかったら?」

 

僕「楽しくなかったら、やめればいいのです。不快な人がいたらやめて、次に行きましょう」

 

ヨシキ「次?」

 

僕「筋トレやジョギングにもう1度挑戦してもいいし、バドミントンでも、卓球でも、ヨガでも、その気になれば、大人でも1から始めることはできます」

 

ヨシキ「……」

 

僕「絵画や陶芸でもいい、カラオケでもいい……。自分でしなくても、美術や音楽の鑑賞に出かけてもいい」

 

ヨシキ「興味持てるでしょうか? 続くでしょうか?」

 

僕「始めから生涯の趣味にしようなんて、考えなくていいじゃありませんか? 3か月続けばOK! 半年持ったら大成功って考えましょう」

 

ヨシキ「3か月? 半年?」

 

僕「インターネットでも地域の広報誌でも、いろんなイベントやサークルの誘いが載っています。何十何百とあります。その中から1つ2つやってみる……。ダメだったら、次の1つ2つにしてみる」

 

ヨシキ「全部ダメだったら?」

 

僕「趣味を途中で辞めるのは悪いことですか? そんなことないでしょう。どんどん始めて、どんどんやめればいいのです。ヨシキさんは、まだ40代で、何でもできます。若い頃と比べて少しモテなくなっただけで、人生を諦める必要はありません」

 

ヨシキ「……」

 

僕「人生80年として、ヨシキさんはまだ中盤ですよ。30年以上も生きるんですよ。1つでも2つでも楽しいことを見つけましょう。一見、自分に向いてないと思っても、やってみたら楽しいってことありますよ」

 

ヨシキ「……そうですね。実は近所に『日本舞踊教えます』っていう看板があって……」

 

僕「いいじゃないですか? 意外と、足腰の鍛錬にもなるそうですよ」

 

ヨシキ「日本舞踊って……男でも女形やったり、女性でも男踊りしたり……って聞いて、興味もって……でも、もうすぐ50歳なのに……って思ってました」

 

僕「趣味の踊りに遅すぎることはありません。問い合わせしてみたらいかがですか?」

 

ヨシキ「そうですね……門前払いされたら、諦めて、他に行けばいいですよね?」

 

僕「門前払いはないと思いますが……。違うなって思ったら、やめていいですよ」

 

ヨシキ「……わかりました。ちょっとやってみます。ありがとうございました」

 

僕「こちらこそ、ありがとうございました」

 

さて、今日のチャイニーズタロットです。

 

↑「孔子」正位置。

ご存知のように「孔子」は儒教の創始者で、世界の聖人の1人。

あなたの言動は正しいのです。悔やむことは何もありません。

 

↑「カップのエース」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

あなたの気持ちは晴れていません。どうにもならないことに囚われているのです。

 

気持ちを切り替えましょう。あなたの心はあなたが操縦するのです。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。 

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)