ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

ゲイ映画「ブエノスアイレス」は、1997年公開で、当時の日本でも話題になった。

 

以前、僕は『ブエノスアイレス』を観たような気がする。が、覚えていない。途中で挫折したのかもしれない。良い映画だったという記憶もない。

 

同じくレスリー・チャンが出演している「さらば、わが愛 覇王別姫」(1993年)の方は、壮大なストーリーと、レスリー・チャンのまるで本物の京劇女形役者のような演技・踊り・歌と、ゲイの悲しさには感動したのに……である。

 

しかし、「ブエノスアイレス」をゲイ映画の名作と言う人は少なくない。2003年に46歳で飛び降り自殺したレスリー・チャンには、長年、ゲイの噂があった。「レスリー自身も(ゲイを)ほのめかした」「カミングアウトしたよ」などと言われているが、決定的な証拠はなく、結局は不明である。

 

レスリー・チャンが現代のゲイ男性をどう演じているのか……。そこに惹かれて、ネットフリックスで「ブエノスアイレス」を観た。同棲する日本人ゲイ男性Tommyは、字幕が嫌いなので、僕ひとりで観た。

 

「ブエノスアイレス」1997年 英領(公開当時)香港映画

↑画像はお借りしました。左がレスリー・チャン(ウィン)で右がトニー・レオン(ファイ)。

監督・脚本:ウォン・カーウァイ

出演者(役名):レスリー・チャン(ウィン) トニー・レオン(ファイ) チャン・チェン(チャン)など

 

あらすじ(ネタバレします)

ファイとウィンは香港のゲイカップル。お互いに惹かれ合っているのに、喧嘩して別れて……復縁を繰り返してる。関係改善のために地球の裏側ブエノスアイレス(アルゼンチン)にやってきた。

 

しかし、ブエノスアイレスでも、ファイとウィンは、怒鳴り合い・殴り合いの喧嘩をしてしまう。ファイはウィンに「お前が浪費して、帰りの飛行機代もなくなってしまった」と怒る。

 

2人で目指した「イグアスの滝」にもたどり着けず、別れてしまう。ファイは、香港に帰る旅費をかせぐために、安アパートを借り、クラブのドアマン(客引き)をして稼ぐ。

 

ウィンは白人ゲイにくっついて暮らした。ファイはウィンを見かけて気になるが、声はかけない。会えば、ウィンから「やり直そう」と言われ、復縁しては……喧嘩別れになることが予想つくからだ。

 

ある夜、ファイのアパートにウィンが転がり込んでくる。愛人の白人にもらった時計を、浪費した分のファイへの返済に充てたら嫉妬され、殴られてケガをしたのだ。文句を言いながらも、病院に連れて行き、世話をするファイ。

 

中華料理屋に転職したファイは、1日中アパートに居るウィンについて「このままケガが治らなければいい」と願ってしまう。しかし、ケガが治ったウィンは、ファイの仕事中にフラフラと出歩くようになる。「タバコを買いに行っただけ」とウィンは言い訳するが、ファイは信じない。

 

ファイがウィンの「遊び」に嫉妬する一方で、ウィンはファイが勤める中華料理屋の店員たち(中国人男性)に嫉妬していた。自由奔放なウィンを独占したくて、ファイはウィンのパスポートを隠す。

 

ファイは、同僚の若い台湾人男性チャンに、よく話しかけられていた。旅行者と名乗るチャンは、ファイの声に惹かれていて、見るべきものを見たら、金を稼いで台湾に帰ると言う。チャンに誘われるまま、ファイはベッドを共にする。

 

やがて、金を貯めたチャンは、ブエノスアイレスを離れ、南米の最南端を目指す。ウィンだけでなく、チャンも失うことになったファイは悲しくてたまらない。

 

だが、チャンはファイに録音機を渡す。最南端の灯台は悩みを捨てられる場所だと言う。ファイの(ウィンとの)電話を聞いていたチャンは、ファイに「悩みを録音してくれ。俺が捨ててくる」と言うのだ。

 

チャンが去った後、ファイはブエノスアイレスのゲイハッテン場で遊ぶ。ウィンを見かけたが、声はかけない。そして、ファイは決心する、家出してきた香港の実家へ帰ろうと。

 

ファイは、より高給がもらえる食肉市場に転職し、旅費を稼ぐ。ウィンからは「パスポート返せ」の電話が定期的に来る。

 

香港に帰る前に、ファイはイグアスの滝へ行く。壮大さに圧倒されながらも、ファイはウィンが隣にいないことが寂しい。

 

その頃、ファイの留守宅にはウィンが来ていた。タバコを山ほど買い、しばらく出かけなくてもいいようにした。電気スタンドを直し、床を拭き掃除するウィンは、男たちと遊ぶのを止め、今度こそファイとやり直そうと決意したのだ。

 

チャンは最南端の灯台に来た。しかし、録音機にはファイの言葉は入ってなかった。嗚咽の声だけだ。台湾に帰る前、チャンはブエノスアイレスに寄り、ファイを探すが、見つからなかった。

 

ファイは台湾に来ていた。チャンの実家の屋台に来たのだ。そこには南米最南端の灯台とチャンの写真が飾られていた。安心するファイ。チャンにはまた会えるのだ。(END)

 

 

わかりやすい話ではない。愛し合いながらも、嫉妬と不安と束縛でお互いを攻撃してしまうファイとウィン。別れと復縁を繰り返しながら、傷ついていくゲイカップル。

 

最後に、ウィンが改心したかのような行動を見せるが……時すでに遅し。ファイは香港に帰り、台湾人のチャンとの未来を描こうとしていた。

 

情熱的で退廃的なブエノスアイレスの街は、刹那的なセックスを繰り返すウィンそのものだ。

 

一方で台北の近代的な街並みや地下鉄は、ファイとチャンの明るい未来を表すかのようだ。

 

20世紀、陰花植物のようだったゲイカップルは、21世紀には明るく堂々とした存在になるのだ。ウィンと完全に縁を切ったファイは、チャンとの新たな関係をつくろうとしている。お互いに自立した、依存しない関係だ。

 

この映画は、単なる「痛いゲイカップル」の話ではない。場末の盛り場に隠れていたゲイカップルが、これからは白昼堂々と外を歩けるようになる……そんなメッセージが込められている気がしてならない。

 

演技者の先頭に名前があるのは、レスリー・チャン(ウィン)だが、物語は終始、トニー・レオン(ファイ)の語りで進められている。視聴者もファイに共感するようになっている。

*香港アカデミー賞主演男優賞も、トニー・レオンが受賞している。

 

しかし、やはり、圧巻の演技を見せているのはレスリー・チャンである。散々、他の男に抱かれているくせに、別れて少し経つとファイに「やり直そう」と抱きついてくる。そして、ファイもつい、受け入れてしまう。

 

レスリー・チャンは、身勝手で放蕩な遊び人ウィンを見事に演じている。色気のある眼差しや情熱的な愛撫は、さすがである。ゲイの噂の真偽はわからないが、噂も無理はない……と思わせるほど、真に迫っている。

 

 

さて、今日のパンセリノスオラクルカードです。

↑「翡翠のドラゴン」

「ドラゴン」というか「龍」です。

 

龍は、神聖な水の神様であり、中国では王権や幸運の象徴です。

人間を超えた叡智や力を持つ存在です。

 

あなたにも、優れた知恵や能力が授けられています。今まで自覚していなかったとしたら、もったいないことです。有効に使いましょう。

 

↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。