ワン・ラスト・フェアウェル:松岡直也 | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

ONE LAST FAREWELL : NAOYA MATSUOKA

(1985年)

 ピアニストで作曲・編曲家、松岡直也氏は日本におけるラテン・ジャズの第一人者でした。松岡氏は1937年に生まれ横浜は本牧で育ちました。7歳の頃からピアノを独学で弾きはじめ15歳でプロデビューし、デビュー直後に自身のバンドを率いてライブ活動をするようになりました。松岡氏はジャズだけでなく歌謡曲やドラマのテーマソングの作曲や編曲でも活躍しました。代表的なところでは、中森明菜の「ミ・アモーレ」でレコード大賞を受賞したり、青い三角定規の「太陽がくれた季節」のアレンジも松岡氏によります。松岡氏自身は1977年に初のリーダー・アルバムをリリースし、1979年にウィッシングを結成しラテンをベースにしたフュージョン作品をリリースしました。松岡直也&ウィッシングはスイスのモントルー・フェスティバルにも出演し大成功を収めました。1986年にはわたせせいぞう作のテレビ・アニメ「ハートカクテル」の音楽を担当し大ヒットしています。松岡氏のグループには、和田アキラ、大村憲司、高橋ゲタオ、カルロス菅野、ウィーリー長崎、村上ポンタ秀一といった日本のフュージョン界を代表するミュージシャン達が在籍しました。本アルバムの参加メンバーは松岡直也(P,Synth)、高橋ゲタ夫(B)、津垣博通(Fender Rhodes,Synth)、広瀬徳志、多田牧男、マーティン・ウィルウェバー(Ds)、和田アキラ、是方博邦、土方隆行(G)、ウィリー長崎(Timbales)、カルロス菅野、田中倫明(Conga)です。

 

1.Mi Amore(INSTRUMENTAL)/ミ・アモーレ (インストゥルメンタル)

2.A Farewell To The Seashore/午後の水平線

3.Chillion-Wellcome/シオン・ウェルカム

4.Sunspot Dance/サンスポット・ダンス

5.Long For The East/ロング・ファー・ジ・イースト

6.The September Wind 1985/九月の風 1985

7.One Last Farewell/ワン・ラスト・フェアウェル (リ・テイク

 

このアルバムはオリジナルアルバムではなくベスト盤です。しかしこのアルバムにはこれまでのどのアルバムにも収められていなかった、「Mi Amore(ミ・アモーレ)」のインスト・ヴァージョンが収録されているのが聴き処のひとつです。哀愁を帯びたメロディをラテンのリズムに乗せた曲が松岡氏らしさを発揮しています。おそらく和田アキラの演奏だと思いますが、泣きのギターが素晴らしいです。6曲目「The September Wind 1985)」はヒット曲「九月の風」の新録です。どの曲も聴けばすぐに松岡直也だ!と分かるオリジナリティのある演奏です。