ラプソディ・アンド・ブルース:クルセイダーズ | かえるの音楽堂

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RHAPSODY AND BLUES : THE CRUSADERS

(1980年) 

フュージョンのバンドの中で当時、東西の横綱と言われていたのがSTUFFとクルセイダーズです。私もこのふたつのバンドは大好きで今でもよく聴いています。当時フュージョンも演奏だけでなくヴォーカルを取り入れて一般にもヒットするようになっていました。STUFFもセカンド・アルバムではリチャード・ティーやゴードン・エドワーズが渋い歌声を聴かせてくれました。かたやクルセイダーズはアンサング・ヒーローズと言われるように長くヴォーカル抜きでした。そんな彼らも1976年発売の“Those Southern Knights(南から来た十字軍)”ではメンバー自身のコーラスをフィーチャーしました。さらには1979年発売の“STREET LIFE(ストリート・ライフ)”ではランディ・クロフォードをフィーチャーし本格的にヴォーカルを取り入れ商業的にも大成功しました。そして続くアルバムが、本作「RHAPSODY AND BLUES」です。今回ヴォーカルを担当するのは、ランディ・クロフォードに替わりビル・ウイザースです。

 

1. Soul Shadows

2. Honky Tonk Struttin

3. Elegant Evening

4. Rhapsody and Blues

5. Last Call

6. Sweet Gentle Love

 

1曲目「Soul Shadows」が前奏に続き、渋いビル・ウイザースのブルースの熱唱が始まります。そしてジョー・サンプルのエレピ、ウィルトン・フェルダーのサックスも熱くブローしていますし、バックのスティックス・フーパーのドラムも一分の隙もなく決まっています。作曲はジョー・サンプルです。こんなすごいブルース曲を作ってしまった彼らのセンスの良さに思わず脱帽です。一曲目からノックアウトされてしまいました。2曲目「Honky Tonk Struttin」はウィルトン・フェルダーの曲です。3曲目「Elegant Evening」はスティックス・フーパーの曲です。この曲なんかは、アルバム「FREE AS THE WIND(旋風に舞う)」の頃のイメージを彷彿させる曲です。4曲目アルバム・タイトル曲「Rhapsody and Blues(ラプソディ・アンド・ブルース)」はクルセイダース風インストメンタル・ブルースです。ウィルトン・フェルダーの心を揺さぶる泣きのサックス、ジョー・サンプルのシンセ・ストリングスとそれに続く、フェンダー・ローズ・エレピもばっちり決まっています。いやーほんと、これはまさしく大人のフュージョンです。5曲目ジョー・サンプルの「Last Call」は車でこの曲をかけながら、海辺をドライブしたらさぞかし爽快ではないかと思わせる曲です。ジョーのピアノ、ウィルトンのサックス、スティックス・フーパーのドラム、完璧に決まっています。ラスト6曲目「Sweet Gentle Love」は再びスティックス・フーパー作曲の、余韻を残して終わるような美しい曲です。スティックスも良い曲を書きますよね。メンバーはウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプル、スティックス・フーパーのクルセイダース三人に、ヴォーカルのビル・ウィザース、そしてお馴染みのローランド・バウティスタ、ディーン・パークス、フィル・アップチャーチ(g)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(pec)、エイブラハム・ラボリエル、アルフォンソ・ジョンソン(b)などが参加しています。このアルバムもまた彼らの1970から80年代を代表する作品のひとつですね。