フューズワン:フューズ・ワン | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

FUSE ONE: FUSE ONE

(1980年)

 クリード・テイラーのプロデュースによるスーパー・セッションです。クリード・テイラーが創設したCTIレコードはジャズの大衆化をコンセプトにポップスやクラシック、ソウル・ミュージックなども取り入れ60年代後半から70年代にかけクロスオーバー・ブームの先鞭をつけました。70年代後半にCBSに配給契約を移管したのですが、その際CBSに対して負債が生じ破産しました。この破産時にアメリカではコロンビア・レコードが原盤権を保有し、日本ではキング・レコードが原盤権を取得しました。これにより現在でも日本ではCTIレコードはキングより発売されています。80年にはキングレコードのサポートにより今回紹介するFUSE ONEのアルバムを発売しました。この作品はヒットしその後FUSE ONE名義でセカンド・アルバム”SILK”を発売しました。これらの作品の成功により再びCTIレコードとして活動を開始しました。FUSE ONEのメンバーは、ジョン・マクラフリン(g)、ラリー・コリエル(g)、ロニー・フォスター(keyb)、ジェレミー・ウォール(keyb)、ドン・グルーシン(keyb)、ジョー・ファレル(sax,fl)、スタンリー・クラーク(b)、ウィル・リー(b)、トニー・ウィリアムス(ds)、レニー・ホワイト(ds)です。他にポウリーニョ・ダ・コスタ、ウンドゥ-ク・レオン・チャンクラー等が参加しています。このアルバムは単に豪華メンバーが集まってセッションをしているだけでなく、当然内容も優れています。全曲のアレンジと指揮をしているのはジェレミー・ウォールです。曲は全7曲です。

 

1.GRAND PRIX(グランプリ)

2.WATERSIDE(ウォーター・サイド)

3.SUNSHINE LADY(サンシャイン・レディ)

4.TO WHOM ALL THING CONCERN(トゥー・フーム・オール・シングス・コンサーン)

5.DOUBLE STEAL(ダブル・スティール」

6.FRIENDSHIP(フレンドシップ)

7.TAXI BLUES(タクシー・ブルース)

 

 1曲目はロニー・フォスターの曲で「GRAND PRIX(グランプリ)」です。スピード感にあふれる曲で、スタンリー・クラークのベース・ソロが聞き物です。ロニー・フォスターのフェンダー・ローズ・ソロや、ジョー・ファレルのテナー・ソロも決まっています。2曲目の「WATERSIDE(ウォーター・サイド)」はジェレミー・ウォールの曲で、ここではラリー・コリエルのギター・ソロとジェレミーのYAMAHA エレクトリック・グランド・ピアノのソロが聞けます。3曲目はスタンリー・クラークの曲「SUNSHINE LADY(サンシャイン・レディ)」です。ジェレミーのアコピによるイントロ、それに続くジョー・ファレルのソプラノ・サックス、ジョン・マクラフリンのアコースティック・ギターが良いです。4曲目はジョン・マクラフリンの曲で「TO WHOM ALL THING CONCERN(トゥー・フーム・オール・シングス・コンサーン)」です。5曲目はジェレミー・ウォールの曲「DOUBLE STEAL(ダブル・スティール」)です。この曲はTDKのTVコマーシャルに使われヒットしました。ソロはジョー・ファレルのテナー、ロニー・フォスターのシンセサイザー、ジェレミー・ウォールのピアノです。6曲目はマクラフリンの曲で「FRIENDSHIP(フレンドシップ)」です。ソロはマクラフリンのギターとジョー・ファレルのフルートです。静かな感じで始まりますが、途中からアップテンポになり、また静かに終わる展開が聞きものです。7曲目はスタンリー・クラークの曲「TAXI BLUES(タクシー・ブルース)」です。ソロは、ラリー・コリエルのギター、スタンリー・クラークのベース、ヒュー・マックラッケンのハーモニカです。80年代後半になるとフュージョン・ブームも陰りが見られたのですが、この作品は復活CTIの作品としても非常に輝いていたと思います。FUSE ONEとしてはセカンド・アルバム”SILK”に続くサード・アルバム”ICE”をGNP Crescendo Recordから発売しました。