ラヴ・アイランド:デオダート | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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LOVE ISLAND : DEODATO

(1978年)

 私が勝手に師匠と呼んでいるデオダート、彼のCTIでの作品” Prelude(ツァラトゥストラはかく語りき)との出会いが私がフュージョンにのめり込むきっかけでした。実際デオダートと言えばツァラトゥストラはかく語りきと言われるように衝撃的な作品で彼の代表作でした。今回紹介するのはそんなデオダートがMCAでの4枚目のアルバムを最後に、ワーナー・ブラザース・レコードに移籍して発表した最初のアルバムです。プロデュースはデオダートとトミー・リピューマです。これは売れないわけがありません。新天地でのサウンドはこれまでと違いブラジル色は薄れているもののやはりデオダートです。あちらこちらでブラジル色を感じさせます。全体にファンク色が強いのですが、ボサノヴァとソウル・ジャズ・ロックすべてが混じり合って、これぞフュージョンって感じです。さらに言えば南国リゾートの風を感じさせてくれるアルバムです。そしてアナログ・シンセの使い方が何ともお洒落な感じです。参加メンバーはデオダート(keyboardsynthvoperc)、ラリー・カールトン、アル・マッケイ、 ジョージ・パリッシュ Jr.、レイモンド・ゴメス、ジョン・トロペイ、アル・マッケイ、ロバート・ポップス・ポップウェル、ゴードン・エドワーズ、ヴァーディン・ホワイト(b)、ハーヴィー・メイソン、リック・マロッタ、フレッド・ホワイト(ds)、ランディ・ブレッカー(tp)、ウエイン・アンドレ(tb)、ロメオ・ペンク(fl)、フィリップ・ベイリー、ヴィクター・フェルドマン(perc)他です。

 

01. Area Code 808(エリア・コード808 )

02. Whistle Bump(ウィッスル・バンプ)

03. Tahitti Hut(タヒチ・ハット)

04. San Juan Sunset(サン・ファン・サンセット)

05. Love Island(ラヴ・アイランド)

06. Chariot of the Gods(神のみもとに)

07. Pina Colada(パインのコーラ)

08. Take the "A" Train(A列車で行こう)

 

 1曲目「Area Code 808(エリア・コード808 )」はデオダートとジョージ・パリッシュ Jr.の共作です。最初からすごく恰好いいサウンドです。ベースを支えるのはポップス・ポップウェルとハーヴィー・メイソンです。ギターはラリー・カールトンとレイ・ゴメスでハードなソロはレイ・ゴメスです。デオダートのアナログ・シンセのサウンドも懐かしい感じです。2曲目「Whistle Bump(ウィッスル・バンプ)」はデオダートの作です。パーカッションを生かしたサウンドはMCA時代にも近い感じの曲です。ギター・ソロはラリー・カールトンです。この曲はデオダート自身のお気に入りです。3曲目「Tahitti Hut(タヒチ・ハット)」はデオダートとモーリス・ホワイトの共作です。この曲はこのアルバムで一番の話題になりました。アース・ウィンド&ファイアーのメンバーからアル・マッケイ、ヴァーデイン・ホワイト、フレッド・ホワイト、フィリップ・ベイリーが参加しています。これはデオダートがアースの大ヒット・アルバム「太陽神」にアレンジで参加したことが縁となったものです。曲自体はアース色はなくゆったりした南国をイメージするリゾート・ミュージックです。デオダートの弾くフェンダー・ローズはエレピ・ファンにはたまりません。とてもメロウで美しくこれぞローズといった感じです。4曲目「San Juan Sunset(サン・ファン・サンセット)」はデオダートの作です。デオダートはキーボードを弾きスキャットで歌います。デオダートのローズのサウンド、ラリー・カールトンのギターも恰好いいです。5曲目「Love Island(ラヴ・アイランド)」はアルバムタイトル曲でデオダート作です。波の音から始まるこれもまたリゾート感覚たっぷりのメロウな曲です。ギターはラリー・カールトンです。6曲目「Chariot of the Gods(神のみもとに)」も好きな曲です。ベースがゴードン・エドワーズ、ドラムがリック・マロッタ、ギター・ソロはジョン・トロペイです。軽快な曲でトロペイのファンキーなギターが最高です。7曲目「Pina Colada(パインのコーラ)」もデオダート作です。余談ですが、” Pina Colada”の日本語読みはピニャ・コラーダでパイナップルとココナッツ、ラム酒のカクテルのことでコーラではありません。ギターはラリー・カールトン、ジョン・トロペイ、レイ・ゴメスの3人でソロはレイ・ゴメスです。8曲目「Take the "A" Train(A列車で行こう)」はデューク・エリントン楽団のスタンダード・ナンバーです。デオダートはCTIMCA時代のクラシックやロックのカバーでは、テーマのフレーズをベースに彼の解釈によりデオダート流にアレンジしていました。ここでもそういった手法で彼流のA列車に仕上げています。初っぱなの汽車のようなボーという音から始まり途中で有名なA列車のテーマのフレーズが演奏されます。ギターはアル・マッケイとラリー・カールトン、ベースがポップス・ポップウェルです。このアルバムはデオダートが70年代後半に放ったヒット作品です。この後デオダートはクール&ギャングのプロデュースをしたり、自身の作品もディスコ色を強めていきます。