アーバン・ナイツ:アーバン・ナイツ | かえるの音楽堂

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URBAN KNIGHTS : URBAN KNIGHTS

(1995年)

 アーバン・ナイツ(Urban Knights)は、GRPレコードの副会長カール・グリフィンの発案によりピアニストのラムゼイ・ルイスを中心にグローヴァー・ワシントン、Jr.sax)、オマー・ハキム(ds)とヴィクター・ベイリー(b)等がメンバーとして結成されたバンドです。プロデューサーには元ラムゼイ・ルイスのドラマーであり、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダーであるモーリス・ホワイトが起用されました。今回紹介するのは彼らのファースト・アルバムで、他にバックアップ・メンバーとしてポール・ジャクソン、Jr.g)、フレディ・ハバード(tp)、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)、エモーションズ(vo)等が参加しています。どちらかと言えば企画アルバムに近い感じもあり、古くはスタッフやフォープレイのようなセッションから意気投合しグループを結成したバンドとはちょっと違いプロジェクトといったほうが近いかなと思います。サウンドも7080年代のフュージョンより、90年代のスムースジャズ寄りです。しかしながらこれだけのメンバーが揃えば出来が悪いわけはありません。わたしもこのアルバムは結構気に入っています。

 

01ON THE RADIO(オン・ザ・ラジオ)

02WANNA BE WITH YOU(ワナ・ビー・ウィズ・ユー)

03CHILL(チル)

04HEARTS OF LONGING(ハーツ・オブ・ロンギング)

05FRIENDSHIP(フレンドシップ)

06MIRACLE(ミラクル)

07THE ROSE(ザ・ローズ)

08URBAN SAMBA(アーバン・サンバ)

09FOREVER MORE(フォーエヴァー・モア)

10SENEGAL(セネガル)

 

 1曲目「ON THE RADIO(オン・ザ・ラジオ)」はモーリス・ホワイトとビル・マイヤーズ作のファンキー・チューンです。グローヴァーとラムゼイのソロが交互に登場します。2曲目「WANNA BE WITH YOU(ワナ・ビー・ウィズ・ユー)」は懐かしいアース・ウィンド&ファイアーの曲です。オリジナルはアースの81年のアルバム「RAISE!(天空の女神)」に収録されていました。作曲はモーリスとウェイン・ボーンの共作によるアースを感じさせる曲です。ここではエモーションズのコーラスをバックにグローヴァーがメロディを吹きます。3曲目「CHILL(チル)」はモーリスとビル・マイヤーズの作で、ゲストのシスタマティックとボナファイドXオメガのラップをフューチャーしたヒップ・ホップな曲です。同じくゲストのフレディ・ハバードのトランペット・ソロもいい感じです。メンバーのオマーとヴィクターのストリート・ビートといいとても現代的な曲です。4曲目「HEARTS OF LONGING(ハーツ・オブ・ロンギング)」はオマー・ハキムの作です。グローヴァーらしいサックス・プレイ、ラムゼイのピアノが綺麗な旋律の曲です。バックのポール・ジャクソンJr.、ヘンリー・ジョンソン、ポウリーニョ・ダ・コスタのプレイも注目です。5曲目「FRIENDSHIP(フレンドシップ)」はモーリスとビル・マイヤーズの作のミディアム・アップのメロディアスな曲です。6曲目「MIRACLE(ミラクル)」はラムゼイ・ルイスと息子達そしてオマー・ハキムの共作です。リード・ヴォーカルはオマー・ハキムです。オマーのシルキー・ヴォイス!ヴォーカリストとしても一流です。7曲目「THE ROSE(ザ・ローズ)」モールス作のスキャット・コーラスも美しい、どことなく牧歌的な雰囲気の曲です。アーバン・ナイツの4人がリリカルなプレイをしています。8曲目「URBAN SAMBA(アーバン・サンバ)」はラムゼイ作のサンバ調のリズムの曲です。9曲目「FOREVER MORE(フォーエヴァー・モア)」はマイク・ローガンの作で、ヴォーカルもマイク・ローガンです。ブラック&アダルト・コンテンポリーな曲です。10曲目「SENEGAL(セネガル)」はモーリス・ホワイトとグローヴァーを除く、アーバン・ナイツのメンバー全員による共作です。タイトルの通りアフリカを感じさせるリズムの作品で、アルバムのエンディングに相応しい曲です。アーバン・ナイツは豪華なメンバーであったが故に、このメンバーでの録音はこのアルバム1枚となりました。セカンドアルバム以降はジェラルド・アルブライト、ナジー、ジョナサン・バトラー、ノーマン・ブラウン、デイヴ・コーズ、アール・クルーといったミュージシャンをメンバーやゲストに迎えアルバムを製作しました。