スクールデイズ:スタンリー・クラーク | かえるの音楽堂

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SCHOOL DAYSSTANLEY CLARKE

(1976年)

 スタンリー・クラークはベースをまるでギターのように弾く、ジャズ・フュージョンにおいてベースの概念を変えたベーシストです。そして彼はまたアコースティックとエレクトリックの両方のベースにおいて達人であることは言うまでもありません。エレクトリック・ベースを弾くときでも、その演奏スタイルは非常に独創的で、その代表的奏法はスラッピングとコード・ストロークを使った大胆な奏法です。またウッド・ベースにおいては弓弾きを用いたりしています。四度高くチューニングしたテナーベースや1オクターブ高くチューニングしたピッコロベースもよく使用しています。そんな超絶技巧ベーシスト、スタンリー・クラーク76年発表のアルバム「SCHOOL DAYS(スクール・デイズ)」は彼の代表作の一つであり、フュージョンの名盤の一つであります。今聴くと若干古くさく感じる部分もありますが、ジョージ・デューク(key)、ビリー・コブハム(ds)、スティーヴ・ガッド(ds)、ジョン・マクラフリン(g)といった後にプロジェクトを組む錚々たるメンバーとともにテクニックを駆使したアンサンブルやユニゾンを聴かせてくれます。

 

1. SCHOOL DAYS(スクール・ディズ)

2. QUIET AFTERNOON(クワイエット・アフタヌーン)

3. THE DANCER(ザ・ダンサー)

4. DESERT SONG(デザート・ソング)

5. HOT FUN(ホット・ファン)

6. LIFE IS JUST A GAME(ライフ・イズ・ジャスト・ア・ゲーム)

 

 曲は全6曲で全てスタンリーのオリジナルです。中でもやはり一番はアルバム・タイトル曲でもある1曲目の「SCHOOL DAYS(スクール・ディズ)」です。ベースによるコード弾きとスラッピング駆使した曲で、一言で元気の出る曲です。スタンリーの素晴らしいソロが聴けます。一転してゆるやかな雰囲気の2曲目「QUIET AFTERNOON(クワイエット・アフタヌーン)」スティーブ・ガッドの重厚なドラムをバックにスタンリーがピッコロ・ベース・ソロを聴かせてくれます。何と言ってもガッドの素晴らしいドラムに尽きます。3曲目「THE DANCER(ザ・ダンサー)」はサンバのリズムに乗ってダンサブル・チューンです。スタンリーらしいあくの強いスラップが聴けます。4曲目「DESERT SONG(デザート・ソング)」は全編アコースティック・ベースの弓弾きで、後半のピッチカート・ソロといい素晴らしいテクニックです。ちょっとインド音楽のエッセンスを感じさせるギター・ソロはジョン・マクラフリンです。5曲目「HOT FUN(ホット・ファン)」はファンキー・チューンです。ここでもスティーブ・ガットのドラミングが素晴らしいの一言。ここでもスタンリーのスラップ・プレイを堪能できます。6曲目「LIFE IS JUST A GAME(ライフ・イズ・ジャスト・ア・ゲーム)」はスタンリー・クラーク、ジョージ・デューク、ビリー・コブハム、スティーヴ・ガッド、イカルス・ジョンソンによるプログレっぽいヴォーカル曲です。後のクラーク・デューク・プロジェクトのメンバーによる熱演が繰り広げられます。スティーブ・ガッドとビリー・コブハムのツイン・ドラムは強力ですね。迫力満点の演奏です。ベースを主役として認知させた人気作品です。