タッチダウン:ボブ・ジェームス | かえるの音楽堂

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TOUCHDOWNBOB JAMES

(1978年)

 ボブ・ジェームスのTAPPAN ZEEレーベルから第二弾、CTI時代のONEから数えて通算6枚目のアルバムです。CTI以前にも前衛JAZZのようなアルバムを出していますが、フュージョン作としてはONEがファースト・アルバムとされています。前作「ヘッズ」が78年のビルボード・ジャズ・アルバムのチャート・トップに輝き、またこの年にはボブ自身のグループで初来日を果たしており、日本でも非常に人気が高かった時期に発表されたアルバムです。東京公演は中野サンプラザをはじめとして3ヵ所で行われました。この時のメンバーはこのアルバムにも参加している、ハイラム・ブロック(g)やゲイリー・キング(b)をはじめとして、マーク・コルビー(sax)、アンディー・ニューマーク(ds)といったアルバムでもお馴染みの顔ぶれの他に、ボブの片腕ジョー・ヨルゲルセンも同行しており、演奏はもちろんサウンド面でも素晴らしいコンサートでした。今回紹介するアルバムですが、まずアルバム・ジャケットはアメフトのボールです。アルバム・タイトルの「TOUCHDOWN」とともに、アメフトのタッチダウンの得点が6点であることと、アルバム6作目であることを引っかけたものです。TAPPAN ZEEレーベルのアルバム・ジャケットはデザインの良さとともに、それらが皆、アルバムに引っかけた内容のものとなっておりとても洒落たものでした。参加メンバーは前述の二人の他にヒューバート・ロウズ(fl)、デヴィッド・サンボーン(as)、アール・クルー(g)、エリック・ゲイル(g)、ロン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(perc)、リッチー・レズニコフ(g)、アイドリス・ムハマッド(ds)、モンゴ・サンタマリア(perc)他と超豪華です。そしてボブの素晴らしいところは、これだけのメンバーを揃えながら、彼らを適材適所に使いあくまでボブ・ジェームスの世界を作り出しているところです。とにかくやりすぎることなく、ソフトでメロウなサウンドを聴かせてくれます。もちろんサンボーンやエリック・ゲイル、ヒューバート・ロウズのソロもしっかり聴かせてくれます。曲は全6曲で全てボブのオリジナルです。

 

1. ANGELA(THEME FROM TAXI”)(アンジュラ(タクシーのテーマ))

2. TOUCHDOWN(タッチダウン)

3. I WANT TO THANK YOU(VERY MUCH)(サンキュー)

4. SUN RUNNER(サン・ランナー)

5. CARIBBEAN NIGHT(カリブの夜)

6. WITH THE ONE YOU LOVE(ウィズ・ザ・ワン・ユー・ラブ)

 

 1曲目「ANGELA(THEME FROM TAXI”)(アンジュラ(タクシーのテーマ))」は冒頭のオーボエからボブのエレピと続きます。そして待ってました、エリック・ゲイルのソロ!、いやー泣かせてくれます。2曲目のアルバム・タイトル曲「TOUCHDOWN(タッチダウン)」はアップ・テンポな曲で、フュージョンの王道のような作品です。フューチャーされるのはデヴィッド・サンボーンです。この時期のボブのアルバムには、サンボーンも欠かせませんでした。3曲目「I WANT TO THANK YOU(VERY MUCH)(サンキュー)」ではヒューバート・ロウズとアール・クルーをフューチャーしています。ちなみにこのアルバムでの共演が、ボブとアールのコラボ作「ワン・オン・ワン」に繋がりました。ボブのエレピも彼らしいサウンドです。4曲目「SUN RUNNER(サン・ランナー)」ここでもヒューバート・ロウズとアール・クルーをフューチャーしています。スティーブ・ガッドの弾んだ感じのドラムをバックにロウズがテーマを吹きます。ボブのアコピ、アール・クルーのギター、ロウズのソロと次々に聴かせてくれます。5曲目「CARIBBEAN NIGHT(カリブの夜)」サルサ・フィーリングなスローな曲です。ここでもヒューバート・ロウズと、アール・クルーをフューチャーします。パーカッションはモンゴ・サンタマリア、ベースはロン・カーター、ヴォーカルはハイラム・ブロックです。6曲目「WITH THE ONE YOU LOVE(ウィズ・ザ・ワン・ユー・ラブ)」ちょっと短めの曲です。ボブはエレピを中心に弾いています。このアルバムもまたビルボード誌のアルバム・チャートでは人気アルバムとなり年間では3位になりました。ボブのことを語る上で欠かせないアルバムの一つです。