ハート・トゥ・ハート:デヴィッド・サンボーン | かえるの音楽堂

かえるの音楽堂

70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
らSOULまで、かえるのお勧めのGood Music Albumや音楽情報な
どを紹介いたします。

HEART TO HEART : DAVID SANBORN

(1978年)

 デヴィッド・サンボーンの1978年リリースの作品です。このアルバムが発売された70年代後半は、正にフュージョンの黄金期であり数々の名盤が発表されました。サンボーンのこのアルバムのプロデュースは、ロック・バンドザ・バンドのプロデュースで知られる、ジョン・サイモンが行っています。バックアップしている参加メンバーも、リチャード・ティー(keyb)、スティーヴ・ガッド(ds)、アンソニー・ジャクソン(b)、ドン・グロルニック(p)、ヒュー・マックラッケン、デヴィッド・スピノザ(g)、ハーブ・ブッシュラー(b)、マイク・マイニエリ(vib)、ランディ・ブレッカー(tp)、マイケル・ブレッカー(ts)、ラルフ・マクドナルド(perc)他といった当時のフュージョンを代表するミュージシャン達です。今はすでに亡くなってしまった人もいますが、多くが現在でも活躍している人達です。

 

1.SOLO(ソロ)

2.SHORT VISIT(ショート・ヴィジット)

3.THEME FROM “LOVE IS NOT ENOUGH”(愛のテーマ)

4.LOTUS BLOSSOM(ロータス・ブロッサム)

5.HEBA(ヒーバ)

6.SUNRISE GOSPEL(サンライズ・ゴスペル)

7.ANYWHERE I WANDER(果てなき旅路)

 

 1曲目「SOLO(ソロ)」はデヴィッド・スピノザ、ジョーイ・レヴィン、トニー・ジャッフェの作品です。サンボーンの泣きのサックスとドン・グロルニックのバッキングが素晴らしいです。スピノザらしい美しい曲です。そしてこのアルバムの一番の注目は2曲目「SHORT VISIT(ショート・ヴィジット)」です。作曲はプロデューサーのジョン・サイモンで、アレンジがギル・エバンスです。バックのメンバーにもギル・エバンス楽団のメンバーが参加しています。エバンスのちょっと重厚なサウンドをバックに、サンボーンは伸び伸びとアルトを吹いています。3曲目「THEME FROM “LOVE IS NOT ENOUGH”(愛のテーマ)」はアメリカのテレビ番組のテーマ曲です。スティーヴ・ガッドのドラムも軽快な曲です。4曲目「LOTUS BLOSSOM(ロータス・ブロッサム)」はドン・グロルニック作の美しい曲です。サンボーンの代表曲でもあります。デヴィッド・スピノザのギターのバッキング、マイク・マイニエリのヴァイブとサンボーンのサックスの対比、ドン・グロルニックのピアノが聴き処です。5曲目「HEBA(ヒーバ)」はサンボーンのオリジナルのファンキーな曲です。ブルージーなスライド・ギターはヒュー・マックラッケンです。6曲目「SUNRISE GOSPEL(サンライズ・ゴスペル)」はベーシストのハーブ・ブッシュラーの曲です。スタッフのリチャード・ティーのピアノとオルガン、スティーヴ・ガッドのドラム、この2人の生み出すグルーヴをバックにサンボーンが吹きます。それにしてもリチャードとスティーヴのコンビは鉄壁のリズム隊です。ラスト近くの盛り上がりはスタッフそのものです。私の一押しの曲です。7曲目「ANYWHERE I WANDER(果てなき旅路)」はスタンダード曲です。リチャード&スティーヴ、デヴィッド・スピノザ、ヒュー・マックラッケン、ハーブ・ブッシュラーをバックにサンボーンがブローします。若きサンボーンと参加メンバー達によるフュージョン全盛期の傑作です