LOVE SATELLITE:RONNIE FOSTER
(1978年)
ファンク・グルーブ・マスター、ロニー・フォスターの米コロンビア・レーベル(当時)移籍第一弾の作品です。ロニーはブルーノートよりアルバム・デビューし5枚の作品を残しました。この当時の作品はオルガンを中心としたものでファンキーなオルガン奏者として注目されました。それと共にセッション・ミュージシャンとして活躍し、70年代に入るとジョージ・ベンソンのグループでキーボード奏者&ミュージカル・ディレクターとして活躍しました。また彼はスティーヴィー・ワンダーのグループでも活躍、日本ツアーにも同行しています。70年代後半にリリースされたこのアルバムではピアノからシンセサイザーを駆使し、さらにヴォーカルまでファンキーでメロウなサウンドを繰り広げています。曲は全9曲で、全てロニーのオリジナル作品です。参加ミュージシャンは、ロニーの他にジェリー・ピーターズ(p、vo)、バイロン・ミラー、アルフォンソ・ジョンソン(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)、レオン“ンドゥグ”チャンクラー(ds,perc)、スティーブランド・モリス(スティーヴィー・ワンダー)(ds)、ロイ・エアーズ(vib)、ポリーニョ・ダ・コスタ(perc)、デニス・デイヴィス(ds)他となっており、注目はスティーヴィー・ワンダーがドラムで参加していることです。また、アルバムのクレジットを見てもギタリストがいないのですが、ギターリストに代わりシンセを駆使して音作りをしており、ギターなしでも全く問題ないということでしょう。曲によってメンバーの違いがあり、3名から7名で演奏しているのですが、音には厚みがあってマルチ・キーボード・プレーヤーがアルバムを作ると、極端に言えばひとりでもアルバムが出来てしまうなと思いました。
1. WHY DON’T YOU LOOK INSIDE(ホワイ・ドント・ユー・ルック・インサイド)
2. A SOFT HEART(ア・ソフト・ハート)
3. HAPPY SONG(ハッピー・ソング)
4. SHOOTING STAR(シューティング・スター)
5. MIDNIGHT PLANE(ミッドナイト・プレイン)
6. I WANT TO BRING MY LOVE HOME(アイ・ウォント・トゥ・ブリング・マイ・ラブ・ホーム)
7. EASIER SAID THAN DONE(イージアー・セッド・ザン・ダン)
8. NASSAU DAY(ナッソー・デイ)
9. LOVE SATELLITE(ラブ・サテライト)
1曲目「WHY DON’T YOU LOOK INSIDE(ホワイ・ドント・ユー・ルック・インサイド)」最初からファンキーでリズミカルなナンバーです。ヴォーカルはロニー自身です。中盤からのピアノ・ソロやそれに続くシンセ・ソロも格好いいこと。2曲目「A SOFT HEART(ア・ソフト・ハート)」メロウなインスト曲です。ロニーのシンセ・ソロが聴き所です。これを聴いていると確かにギタリストはいなくても問題ないかなと思わせてしまいます。3曲目「HAPPY SONG(ハッピー・ソング)」~4曲目「SHOOTING STAR(シューティング・スター)」ミディアムなファンク・ナンバーです。ドラムはスティーヴィー・ワンダーです。クレジットには書かれていないのですが、冒頭の掛け声はスティーヴィーみたいなんですが、どうでしょうね。シンセ・ソロに続くエレピのソロも最高に格好いいです。5曲目「MIDNIGHT PLANE(ミッドナイト・プレイン)」メロウでグルーヴィーなR&Bナンバーです。これまた最高のヴィヴラフォン・ソロはロイ・エアーズです。6曲目「I WANT TO BRING MY LOVE HOME(アイ・ウォント・トゥ・ブリング・マイ・ラブ・ホーム)」スティーヴィー・ワンダーを思わせるソウルフルなヴォーカルです。シンセとかコーラスが重厚な曲です。7曲目「EASIER SAID THAN DONE(イージアー・セッド・ザン・ダン)」ポップでグルーヴィーな曲です。中盤でロニーの素晴らしいオルガン・ソロが聴けます。8曲目「NASSAU DAY(ナッソー・デイ)」ラテン・インスト・ナンバーです。シンセの使い方を聴いていると、ロニーはまさしく“音の魔術師”と言えるのではないでしょうか。ジョージ・ベンソンやスティーヴィー・ワンダーが、ロニーをメンバーに使う訳が分かるような気がします。9曲目「LOVE SATELLITE(ラブ・サテライト) 」キーボードとドラム、パーカッションの3人だけの演奏ですが、全くそれを感じさせません。シンセ・ベースの上をシンセ・リードが駆け回る感じです。後半のシンセの早弾きが圧巻です。このアルバムもアナログ・ディスクで持っていますが、CD化された時にはすぐに手に入れました。ロニーの作品は大ヒットとはいかなかったのですが、70年代には数多くの名盤が生まれているなかで、そういったヒット作と比べても遜色ない作品と言えます。