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彼女とのメールは自分にとって麻薬みたいなものだった。

どんどん深溝にはまっていった。

携帯を手放せなかった。


いつしか彼女とのやりとりが自分の生き甲斐になってた。

彼女に惹かれたときから常に喜びと苦しみの両方を同時に感じていた。


近くにいるようで遠い存在だった。




そのうち彼女は部活を引退した。


そして、何故かその年の夏合宿が彼女の高校と合同でやることになった。

彼女はいない。
でも、彼女を知る人たちと共に過ごすのは何か変な感じがした。

自分にとって彼女はメールでしか関われない存在だったから。


その頃、何かにつけて彼女に会おうとした。

プリクラを交換しようとか用事を作って。

昔から会いたいとは言っていたものの、彼女は用事がないと会ってはくれなかったから。


どういう流れでそうなったのかは分からないけど、お互いが使っていたタオルを交換したりしていた。

今考えても奇妙だけど。

彼女から文化祭の練習でタオル使ったよって報告がきて、なんか付き合ってるみたいな感覚に陥っていた。

おかしいホント。



夏休みぐらいから彼女は少しずつ会ってくれるようになった。

秋には毎週金曜日、部活終わりに駅の近くまで迎えに行って一緒に帰った。

学校は違うし、彼女の降りる駅は自分の家とは逆方向だったけど、とにかく一緒にいる時間を作りたかった。

他の日はわざと駅の近くまで行って彼女と会えるようにしてみたり、彼女が通りそうなところを通ってみたりした。

彼女と会っている時間は幸せを感じた。

もっと一緒にいたい。

離れるとまた会いたくなった。

会えばまた会いたくなる。
自分でも分かってた。
会わない方がいいって。

でも、やめられなかった。



お互い通っていた塾がすぐ近くだった。

自分の塾の前で会って帰るとき、彼女はわざと遠回りの道を選んだ。

そこでたまたま友達の好きな人を見かけて、思わず声を出してしまった。

そのとき彼女は知ってる人?って聞いてきた。
すぐに、好きな人って答えてしまった。
彼女が驚いた顔をしたから、友達の好きな人って訂正した。

一瞬でも動揺した彼女をみて、少し複雑な気持ちになった。


彼女と一緒に帰るとき家の近くまでくると、少し話そうって言って立ち話をしてくれた。


彼女のそういう行動や言動が余計に嬉しくて辛かった。




彼女は受験生だったけど、どこの大学を受けるかは教えくれなかった。
受かったら教えてくれる約束をした。


冬、大晦日、一緒に神社にお参りしに行った。
そこで神様にお願いした。
彼女が行きたい大学に受かりますようにと。


帰りに彼女がまた話そうって行ってくれた。
公園で寒空の下、3時間ほど話した。

嬉しかった。
1年の始まりを彼女と過ごせて本当に幸せだった。

それからは受験の邪魔をしないようにあまり会わないでいた。


3月、試験の結果は出てるはずなのに彼女は教えくれなかった。
自分から連絡をすると、受かったよという返事。
どうして教えてくれなかったのか聞くと、彼女は忙しかったからと答えた。
でも、どこの大学かは何故か教えてもらえなかった。

そのときはこのやりとりをなんとも思っていなかった。