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1997年 朝日杯3歳ステークス(GI) グラスワンダー優勝

名馬の蹄跡
グラスワンダー

1997年 朝日杯3歳ステークス(GI)

 常識の物差しで正体や力量が計り知れない対象を、人は「怪物」と呼ぶ。怪しいもの、
見慣れぬもの、傑出した能力を持つもの。サラブレッドのなかにも「怪物」と呼ばれた馬はいた。
タケシバオー、ハイセイコー、オグリキャップ……そしてこの馬、グラスワンダーも、
計り知れない強さで一世を風靡したスターホースであった。

1997年 朝日杯3歳ステークス(GI)
 初めて競馬場に登場した時から、同馬の実力は際立っていた。
初陣はスタートで後手を踏むも3馬身差の楽勝。2戦目のオープン特別は5馬身、
GII・京成杯3歳S(現・京王杯2歳S)では6馬身と、
後続との差を広げながら白星を積み重ねていったグラスワンダーは、
朝日杯3歳S(現・朝日杯フューチュリティS)でも断然の単勝1.3倍に支持された。
メンバーには後のGI 馬マイネルラヴやアグネスワールドといった素質馬もいたが、
グラスワンダーはこれらを歯牙にもかけず、
軽くムチを入れられただけで1分33秒6のレースレコードをマーク。
無傷の4連勝で旧3歳チャンピオンの座に就いた。
ちなみにこの年、同馬に与えられたJRAクラシフィケーション
(現・JPNサラブレッドランキング)の数値は2歳歴代1位の116。
かのマルゼンスキーが57キロ(ポンド換算で約115)、近年ではローズキングダムが114、
アグネスタキオンが113を獲得しているが、これらと比べても、
グラスワンダーのパフォーマンスがいかに抜きん出ていたか、お分かりいただけるだろう。

第5回 阪神カップ


大波乱が続く師走の短距離重賞「第5回 阪神カップ」
阪神競馬場がリニューアルオープンされた2006年に新設されたこの阪神C。
GII では最高額タイとなる1着賞金7000万円獲得を目指して、
GI レースにも劣らぬ激しい戦いが繰り広げられている。
また、過去4回の3連単の払戻金額では、第1回が行われた2006年の8万2560円が最低額で、
以降は3年連続で10万円を超えるなど、高額配当が続いている。
今年はどんな結末が待ち受けているのか? 過去4年の結果と、
過去10年の12月に行われた阪神・芝1400mのレース結果から、その傾向を探ってみた。

前走「マイルチャンピオンシップ」出走馬に注目

まず、このレースの過去4年間での前走のレース別成績を見てみると、3着以内馬12頭のうち半数の6頭が、前走で「マイルチャンピオンシップ」に出走していた。これに次ぐのは、3着以内馬3頭を送り出す前走「京阪杯」組。なお、前走が「スワンS」・「オーロC」・「その他のレース」だったグループからは、それぞれ3着以内馬が1頭ずつしか出ていない。まずは、前走「マイルチャンピオンシップ」出走組に注目してみよう。〔表1〕
表1 前走のレース別成績(過去4年)

前走のレース 成績 勝率 連対率 3着内率
マイルチャンピオンシップ 1-3-2-14 5.0% 20.0% 30.0%
京阪杯 1-2-0-13 6.3% 18.8% 18.8%
スワンS 1-0-0-7 12.5% 12.5% 12.5%
オーロC 0-0-1-2 0% 0% 33.3%
その他のレース 1-0-0-23 4.2% 4.2% 4.2%

2着同着1回あり

次に、前走の着順別成績を調べてみると、前走「2着以下」だった馬は9頭が
3着以内に入っているが、そのうち7頭が前走「GI」出走組で、
残る2頭は「京阪杯」で5着以内の成績だった。
創設以来、前走で「GI 以外のレース」に出走して「6着以下」だった馬は、
まだ3着以内に入ったことがない。表2
表2 前走の着順別成績(過去4年)

前走の着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 1-1-1-6 11.1% 22.2% 33.3%
2着 0-1-0-4 0% 20.0% 20.0%
3着 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
4着 0-0-1-3 0% 0% 25.0%
5着 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
6~9着 0-1-0-12 0% 7.7% 7.7%
10着以下 1-2-1-27 3.2% 9.7% 12.9%

2着同着1回あり

差し馬勢が優勢?

過去10年の12月の阪神・芝1400mで行われた29レース(2歳限定レースを除く)について、
4コーナーの位置別成績を調べると、「1~4番手」グループ143頭と、
「5~9番手」グループ142頭とでは、僅かではあるが「5~9番手」グループの数値が、
すべてのカテゴリーで上回った。このレースの過去4年のデータでも、
3着以内馬12頭中11頭が4コーナーで「5番手以下」の位置取りだった(唯一の例外は
2006年3着のマイネルスケルツィで同「2番手」)。
勝率20%超の4コーナー「先頭」の馬のチェックは欠かせないだろうが、
差し馬勢の台頭が目立つレースであることは、覚えておいても損はないだろう。表3
表3 4コーナーの位置別成績(2000年~2009年の12月に行われたレース)

4コーナーの位置 成績 勝率 連対率 3着内率
先頭 6-0-3-20 20.7% 20.7% 31.0%
2~4番手 6-10-10-88 5.3% 14.0% 22.8%
1~4番手計 12-10-13-108 8.4% 15.4% 24.5%
5~9番手 12-14-10-106 8.5% 18.3% 25.4%
10番手以下 5-7-4-144 3.1% 7.5% 10.0%

2着同着2回あり。2歳限定レースを除く阪神・芝1400mの29レースが対象

1番人気は堅調も、伏兵馬の出番多し

前項で調べた29レースを、単勝人気別成績で見てみると、
「1番人気馬」が連対率で48.3%の安定感をマークしていた。
このレースの過去4年でも、単勝「1番人気馬」は2勝2着1回で、
連対率75.0%と更に安定感を増している(唯一4着以下に敗れたのは2006年に
イギリスから遠征してきた海外馬コートマスターピースで9着)。その一方で、
「6番人気以下」からでも3着以内に46頭が入っており、これは占有率では52.9%と、
半数以上を占めている。このレースの過去4年でも、
「6番人気以下」からは7頭が3着以内に入っており(占有率58.3%)、
伏兵馬の台頭は常に頭に入れておきたいところだろう 表4

(河野道夫)
表4 単勝人気別成績(2000年~2009年の12月に行われたレース)

単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 8-6-1-14 27.6% 48.3% 51.7%
2番人気 5-2-1-21 17.2% 24.1% 27.6%
3番人気 4-3-1-21 13.8% 24.1% 27.6%
4番人気 1-0-2-26 3.4% 3.4% 10.3%
5番人気 2-2-3-22 6.9% 13.8% 24.1%
6~9番人気 5-10-15-86 4.3% 12.9% 25.9%
10番人気以下 4-8-4-169 2.2% 6.5% 8.6%

2着同着2回あり。2歳限定レースを除く阪神・芝1400mの29レースが対象


特別レース名解説 

【第6日】 12月19日(日)
●千葉テレビ杯とは
 千葉テレビは、昭和46年開局のUHFの放送局。千葉市中央区に本社を置き、
千葉県と東京湾環状地帯を放送エリアとしている。本競走は、
平成2年より同社から寄贈賞を受けて施行されている。


●仲冬(ちゅうとう)ステークスとは
 仲冬は、陰暦11月の異称。冬期3ヶ月の中の月という意味を持つ。


●朝日杯フューチュリティステークス(GI)とは
 本競走は、2歳馬によるチャンピオン決定戦として昭和24年に創設された
『朝日杯3歳ステークス』を前身とする競走。日本と欧米の競馬の歴史には幾つかの相違点があり、
2歳馬競馬の開始もそのひとつである。欧米は3歳クラシックレース体系確立に伴い、
2歳馬競馬が施行された(1786年にイギリスのニューマーケットで初めて行われた)のに対し、
日本では太平洋戦争の敗戦による競走馬資源の欠乏から、
昭和21年秋の東京競馬場で初めて2歳馬競走が施行され、
その後各地の競馬場でも2歳馬競走が施行されるようになった。
平成3年に牡・せん馬限定となったが、16年に牡・牝馬限定となりせん馬の出走が不可となった。
施行距離は、創設時の1,100mから昭和34年に1,200mに延長され、
37年以降は現行の1,600mに定着している。また、
平成13年には『朝日杯フューチュリティステークス』と名称が変更された。
 フューチュリティ(Futurity)は、「未来、将来、前途」を意味する英語。


●中山ウインタープレミアム(グラスワンダーメモリアル)とは
 本競走は、売上げの5%相当を上乗せして払戻をする「JRAプレミアムレース」
全24競走の内の1つ。冬季に施行されるプレミアムレースとして「ウインター」を冠している。
 競走名に併記されているグラスワンダーは、過去の『朝日杯フューチュリティステークス
(当時は朝日杯3歳ステークス)』優勝馬から、
ホームページ上のファン投票によって選出された平成9年の同レース優勝馬。


【第6日】 12月19日(日)
●クリスマスキャロル(Christmas Carol)賞とは
 中世以来のイギリスの民衆的なクリスマス祝歌。クリスマスキャロルは、
クリスマスの時期に歌われる宗教的な民謡の総称。


●尼崎(あまがさき)ステークスとは
 尼崎は、兵庫県南東部にある市。大正5年市制施行。古くからの港で、
源義経が船出した大物浦(だいもつのうら)跡がある。海岸地帯は工業地帯となっており、
阪神工業地帯の一角を担っている。


●ギャラクシー(Galaxy)ステークスとは
 ギャラクシーは、英語で「銀河、天の川」の意味。また、天文学の分野においては、
天の川に象徴される我々の銀河系と同じ形態の恒星の大集団の意味も持ち、
一般に直径数千光年から数十万光年の大きさの空間内に、
100万から1兆にも及ぶ恒星と星間物質が密集しているものを指す。

【第6日】 12月19日(日)
●名古屋日刊スポーツ杯とは
 本競走は、平成15年に名古屋日刊スポーツ社より寄贈賞を受けて創設された競走。
名古屋日刊スポーツは、昭和44年の創刊。
名古屋本社は、大阪日刊スポーツ新聞社名古屋支社が分離独立して平成7年に設立された。
なお、本年は中京競馬場の改築工事に伴い小倉競馬場で施行される。


●農林水産省賞典愛知杯(GIII)とは
 本競走は、昭和38年に創設された重賞競走。
当時は外国産馬以外のすべての馬に出走資格が与えられていたが、
47年に内国産種牡馬の奨励と保護の一環として、父内国産馬限定競走として施行された。
平成16年からは牝馬限定の競走として改められ、
18年より施行時期を6月から12月に移設して現在に至っている。
 なお、本年は中京競馬場の改築工事に伴い小倉競馬場で施行される。


●九重(くじゅう)特別とは
 九重は、九州の中央部にあり、久住山を中心に東は黒岳から西は桶蓋山にいたる火山群の総称。
阿蘇国立公園に含まれ九重連山とも呼ばれ、九州の屋根と言われている。