桜に葉が見えてきて、
ピンクと緑のバイカラーがきれいです。
八重桜はこれからですね。
ショパンの弟子の弟子になるコルトーの著書「コルトーのピアノメトード」が、どういうわけか?家にあったので目を通してみました。
どういうわけか?
というのは、私が、これを練習するはずがないからです。
まえがきの見出しに
「ピアノテクニックの合理的原理」とあるのは
中身を見ると、なるほどと思えます。
いわゆる練習曲を弾くことで、テクニックを身に付けるというよりも、
ピアノを弾くにあたって起こりうる手の動きを洗い出したものを練習するという、
どちらかといえばハノン的な練習法のように感じます。
予備練習の中で、あらゆる手の形を5本の指に5度からオクターブまでの音程で作っていく練習は、ピアノを弾く以前の手遊びのようでもあります。
コルトーは遊びそうに見えませんが…
1章では、保持音で最後まで鍵盤の底に下ろしたままの指が含まれるようになっているところから、指を高く上げ下げすることは必然的に避けることになるでしょうか。
たしかに、これだけ網羅された練習をすれば、どんな曲でもすらすら弾けるようになるかもしれないとも感じます。
チェルニーは、大変な数の練習曲を作曲していて、
その練習曲がレッスンでよく取り上げられていますが、
曲として仕上げることを楽しみながら何かのテクニックを身につけることを目的にしているところが、コルトーやハノンと違う点です。
チェルニーは、多くの生徒さんのそれぞれに合わせた練習曲を作曲して、あれほどたくさんの練習曲になったのではないでしょうか?
チェルニーの親切さを感じる一方で、テクニックを身につける効果としては、それほど確実にも思えません。
テキストの短い曲を仕上げていくことで上達を目指すのもチェルニーと同じやり方ですね。
今回、コルトーのピアノメトードをヒントに、「ピアノのテキストの曲を弾くための練習」をもっと作れそうに思いました。