奈良は大好きなので、幾度となく訪れている。

今回は室生寺から吉野へ行くことにした。

石楠花が見ごろの室生寺は、
女人高野と言われるだけあり、女性性を強く感じる。

GWの始まりということもあり、たくさんの人がきていたが、
その中でも不思議なほど仲の良い夫婦づれが目立った。
仲がいいというか、旦那様が奥様をとても大切にしているのだ。

手をつないで歩くのはもちろん、
奥様をお花と一緒に何ポーズも撮影したり…
他の寺よりも、仲睦まじい夫婦の割合がはるかに高い。

女性エネルギーの影響か、

それともここに訪れようとする方が女性性が強いのか…

なにしろ、とてもいいことだなぁとほほえましかった。

私はこの新緑の季節が一番好き。
自然の躍動感がたまらない。

この時期にぴったりの言葉は、
「キラキラ
生命が喜びで溢れている。

急勾配の階段を上がって奥の院へ。

すっくりそびえたつ杉やヒノキ。
赤いのはヒノキで、五重塔の屋根の吹き替えのときに
皮を剥がれた痕なのだと、後から聞いた。



岩を包み込むように根を伸ばす、この力強さは、まるで母親のようだ。



勝手ながら、この石仏は女性に感じた。

女性だからこそ抱える苦しみや辛さを、
ただひたすら、祈ることで悟り、
後に続く女性たちを大きな愛で見守っているように感じた。

もちろん勝手な思い込み。

でもそう感じたんだから、それが答えだ。

山を下り、次は吉野、金峯山寺へ。
修験道の山。

銅の鳥居が、この世との結界となってそびえたっている。
どーーーーんってしてるなぁ。
簡単に人が近づけないようにしているようだ。

吉野といえば桜だが、
花はほぼ散り終え、やはり新緑がまぶしい。

豪快な仁王門をくぐり、本堂へ。
ここは何でもでっかい!!

秘仏蔵王権現が御開帳という貴重なタイミングで訪れることができた。

巨大で力強い。
室生寺とは反対の強い男性性。

普段は入ることができない、内陣で懺悔をする。

懺悔…ないなぁ。
感謝…だよな。やっぱり。

鮮やかな青で憤怒の表情を浮かべる
釈迦如来、弥勒菩薩、十一面観音。
これまで見たことのないお姿だ。

だが、たとえお姿は違っていようとも、本質は同じ。

私たちに愛を送っているのだ。
憤怒の表情と捉えるのも、本人の心の持ちよう。
すべては人が作り出したものにすぎないのだから。

だから、感謝。

ここにいること、あるがままの自分でいられること。
「今」に感謝。
「ありがとうございます。」

とてもすっきりとした気分になった。

本堂から450段ほど下った脳天神社へ。

水の流れがあるところにはとにかく惹かれてしまう。
そこには、滝行場があった。
水に流す…とはよくいったもの。

川の流れのように、常に変化すること。
滞らないこと。
滝の流れる音に雑念がさらに流されていく。

そんなときに、ある言葉が湧いてきた。

今回の旅の気づき…

「統合」

こんな天気の良い穏やかな日・自然の猛威を感じる厳しい日
男性性・女性性
愛・怒り
宇宙・自分
思い・現実

すべては一つ。

ばらばらだと思っていたことを
統合していく。

今回の旅で、
また一つ課題をいただいた。

「統合」

旅人の旅は続きます。