スペイン映画「人肉レストラン」を見ました。2013年の映画。
フランス映画だと思っていたけど違った。
「ホステル」「ムカデ人間」に続いてはいないと思うんだけど…。
人のモラルを問うという意味では共通する部分はあるけど。
あらすじ
レストランの批評で有名な男
食通の個人的パーティを取材するぞ!
じ、人肉だー!しかも知り合いのー!
この映画、私の家の近くのレンタルショップには入らなかったのでディスカスで取り寄せました。
タイトルのせい?
しかし、ディスカスでこういう映画ばっかり借りてるから、冤罪で捕まったらすごく不利だと思う。
何も悪いことしてないけど、気を付けようと思いました。
映画のざっくり感想
・カニバリズムを「選ばれしものの特権」のように描く胸糞の悪さ
・他の動物にしていることと変わらないのに、人になるだけでむごく見える不思議さ
・スプラッターではないのですが、残酷描写はしっかりあります。
・ラストがへんなかんじーとしかいえないかんじー
考えさせられるわけでもないけど、微妙に後味が残ります
ネタバレ
※先に映画をご覧になるといいかもしれない
冒頭。
病気の母とそれを見守る少年。母親は死んでしまう。
少ししてから、その家を訪れた人は、母親を食べていた少年の姿を見て絶句。
こちらも絶句。
お腹がすいた→よし、ママ食おう!ってなるか??
人肉を食うやつは子供のころから食うぞ!ってこと?飛躍してない?
ところかわって。時が流れて。
レストランの評論家として活動する男。
出版社の依頼を受け、食通の人が開く個人的なパーティに参加して記事にすることに。
ここで唐突に、女子(若い女の子)が誘拐されるシーンが挿入されます。
若ハゲのくどい顔の男性(一言も話さない)が彼女をさらい、監禁。
彼はどうやら人を解体する役(そういや、料理をするシーンは出てこない…)。
彼女はおそらく人肉レストランのメニューになるんだろうなという感じ。
主人公は取材に出かけます。
最初に参加したパーティは、ごくごく普通の内輪なパーティ。
やたら挑発的な男やら、主人公を誘ってくる女(こいつも料理評論家?)やら、神戸牛やら出てきます。
この映画ってけっこう和食をフューチャーしてくれているのであります。
しかし、この後にパーティでいきっていた男の人が誘拐されるシーンが挿入されます。
そして次のシーンでは、主人公がパーティで出会った女性記者(誘ってきた女にあらず)を思いっきり抱いているシーンに。
肉→エロ→肉→エロのサンドイッチです。
この映画の女性がやたら見分けにくいのですが、この相手の人も記者らしい。
別のパーティではフグを堪能する主人公。
女性記者を同伴しているものの、そんなに楽しそうじゃないから割り切った関係なのか?
ちなみにフグをさばくシェフなのかボーイなのかよくわからない人が寸劇を見せてくれたりするのですが「フグうめぇ」「でもフグで死ぬこともある!」というようなしょーもない内容。
着物で顔を白塗りにしているのですが、どう見てもバカ殿です。
歌舞伎のイメージ?
ここのパーティで主人公が「フグうめぇからわけてくれ、持って帰って食う」とか言い出したのにも驚いた。
当然断られてたけど。
フグをテイクアウトして食うのは可能なんですかね?
あと、個人的にはフグのからあげも食べてほしい。美味しいよね(`・ω・´)
そしてその帰り道、最初のパーティで出会った料理評論家の女性(記者とは別人)とお風呂場でイチャイチャしている主人公。
すごくきれいなおちちなので、いいものを見た気持ちになる。同性だけど。
それにしても主人公ってばヤリ●ンかよ…ってくらい、いろんな女子といろんなところでハメてます。
まさに肉食系…。
ここでこの女性から「人肉を食べるパーティがあるよ」と教えてもらいます。
なお、この女性もすぐに誘拐されるのですが…たまたまにしても(このへんの説明が皆無。美食家を狙っているのか??)、主人公のまわりの人が狙われすぎであります。
主人公は最初にエッチなことをしていた女性記者がこのパーティに通じていることを知り、自分も連れて行ってもらうことに。
紹介してもらい、大金を払ってパーティに出発。
ここで主人公がパーティに向かう様子と、監禁されている人たちが徐々に殺されたり逃げたりする様子が交互に挿入されます。
恐怖のあまり、泣きながらおしっこをもらす女の子。
(かなり勢いよくもらすので、腎臓を悪くしかけたことがある私は腹が痛くなった)
胸毛から何から体毛を全て剃られ、脱力することしかできない男性(パーティでうんちくを話していた人)。
逃げたものの、思いっきりオーナーに掴まっちゃってまた泣きわめく女性(主人公にパーティの情報をたれこんだ評論家。体の関係もある)。
全員があっけなく死にます。
なお、けっこう早く着いた主人公はその様子を見てしまい、「知り合いじゃん…」と真っ青。
このパーティに通じていると言われていた女性記者も、パーティに参加。
彼女は躊躇なく、もりもり人肉食ってます。
「食べないで去ることはできないのよ」とくぎを刺すほど。
それほど人肉はうまいらしいという前提で話が進むのですが、私はそうは思わない。
共喰いしたら種が減っちゃうじゃないですか。
だから、同種では食べ合うことって基本的には肉体が許さないと思うんだけどな。
個人の見解ですけど。
ちなみにこのパーティでは特別な部位を競り形式で購入して食べることができるのですが、ポーチのような場所に生首やらお肉やらをずらっと並べて、参加している人たちがニヤニヤそれを見ているシーンがあります。
個人的には、直射日光で肉が腐りそうと思いました。
人肉を食べることで自分は偉い、自分は選ばれた人間だ、自分はグルメだと思っているのか?
バカヤロウ!
と思う主人公(と感情を推測)ではありますが、主人公も参加したのですから食べざるをえない。
彼もまた、人肉を食べるのであります。
そしてまたパーティに参加することにした主人公。
ハマってるんやないか~い!と髭男爵さんみたいなこと描いちゃって恥ずかしいのですが、まだ続きます。
パーティではまたまた美少女の人肉を食べてご満悦な面々。
ですが、時間が経過してからオーナーが苦しみだします。
研究の末に人肉を食べることに行きついたおじさんシェフ。
選民意識がいかにも高そうなおじさま。
人肉大好きな親子(おばあさんと若い青年の年の差カップル??)。
そして人肉パーティに通じていた女記者。
全員が苦しみ、体をかきむしり、死に怯えながら死にます。
そうなのだ!主人公は女の子が吊るされている部屋に「忘れ物した」といって入り込み、彼女に毒を注射。そのまま人肉を食べたため、彼らは毒で死んでしまったというわけです。
これが実は、中盤のフグパーティにヒントを得たものらしいということもわかります。
主人公は逃げ、本を出版。
そのベストセラーとなった本を、道でさみしげに眺める解体おじさん。
彼は本を眺めるのをやめ、どこかに立ち去ります。
このおじさんがどこへ消えたのか?
そして主人公はどうなったのか?全然説明されません。
すげーあっけなく終わります。
どういう結末になるのかなぁと思っていたら、主人公が他の人間を殺しちゃったので驚いた。
主人公は自分も人肉を食べていたことを隠して告発しているのか?
彼は保身のために、レストランにいた人たちを殺したのか?
ということにも思い当たります。
ただ、言語がわからないから本のタイトルが読めないんだよな。
ありふれたレストラン評を出して、今までと同じ仮面をかぶっているのかもしれないんですよね。
その判断ができない自分の言語力がもどかしい。うーん。
途中まではぜーんぜん話が進まないのでイライラしかけるのですが、中盤から後半までの話のたたみかけ方はすごかったです。
比較的低予算なのかな?という印象ではあるのですが、結局みんな自分が好きなんじゃねーか!と言いたくなるようなオチは好き。
あと、誘拐殺人おじさんはオーナーよりもキャラが立っていたのですが、この人とシェフの役割を分けた理由はあんまりわからなかったな。
(レストランの説明役のオーナーと、誘拐・解体役のおっさんみたいなわかれ方)
冒頭の少年はオーナーだと思っていたのですが、時間がたつにつれ自信がなくなってきた。
もしかしてシェフだったのか?
と思って調べたんですけど、明言されていないんですよね。
やたらと「人肉を食べるのってええやん」と語っていたオーナーなのか?
それとも、寡黙な殺人シェフなのか?
わからないけど、説明されなくてもいい。それがホラー映画のいいとこ。
もう書くことがないなあ。おわり。