生産性を高める方法、助成金アプローチ | 新労社 おりおりの記

生産性を高める方法、助成金アプローチ

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来年から、多くの雇用関係助成金でクローズアップされることになる、生産性向上の要件。ただし助成金が増えるといっても、あくまで企業の努力の結果、生産性が向上して助成金が増えるという、2段構えの策です。生産性の助成金の要件と、一般的な要件を比べ、具体的な1段目、つまり企業の努力について考えてみましょう。

 

一般的な生産性向上の手法は・・・

① 得られた成果÷投入した資源   ② アウトプット÷インプット

 

向上させるには成果やアウトプットを増やす、投入した資源やインプットを減らす、ということが考えられます。

 

生産性向上は、成果やアウトプットを増やす場合、今いる人の価値を高めるか(付加価値改善アプローチ)もしくは投入した資源やインプットを減らす場合、人を減らすか(削減革新アプロ―チ)、どちらかのアプローチです。その方法は以下の通りです。

 

1、付加価値改善アプローチ:質を高める努力。

・従業員の研修、熟練技術者の技の伝授。

・商品のブランド化、人気タレントのプロモーション。

・商品の新たな機能付加、高機能化、機能を絞る。顧客が評価する価値の創造。

 

2、付加価値革新アプローチ:全く違うものを創造する。

・新素材やゲノム解析、iPS細胞などの技術的なブレイクスルー。

・フェイスブックのような、ネットの安全な世界の創造。まったく違う次元の技術の創造。

 

3、削減改善アプローチ:時間や手間を省く。

・作業手順の変更、無駄な作業を省く。部品や工具の置き場所を変えるなど環境をよくする。

・グループウェアを使って、コミュニケーションを効率化。書類・ファイルの共有方法の整理。

・ITの活用により、マクロプログラムを組む、手書き書類を入力フォーマットに置き換える。

 

4、削減革新アプロ―チ:経費や人件費の基盤ごと置き換える。

・組み立てプロセスの自動化、賃金の安い地域への工場移転。

・対応マニュアルの改善や、オペレーターの研修。ハブシステムの構築。

 

ところで、雇用関係助成金の生産性は・・・
(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)÷雇用保険被保険者数

なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要。

 

そうすると、助成金を増やすには、(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)を大きくするか、雇用保険被保険者数を少なくするか、というのが生産性向上の方法になります。しかし分子に人件費が入っているために、ヒトを少なくというのは×で、結局成果やアウトプットを増やす、というところで"助成金的には"考えることになります。

 

そうしますと、上記の3、4の「削減アプローチ」は取りにくいことになります。一見イイことなのですが、効率化=やるコトなくなるということなので、ヒトが減るからです。そうしますと、付加価値的改善または革新アプローチということになります。

 

企業の付加価値を創造するか、革新するかというところに、「働き方改革」の成功はかかっているようです。従業員の研修や技術開発、営業力の向上など、また、全く違う次元での価値の創造、つまりパイを増やすところにかかっているのです。

 

パイを食べるヒトを減らす、あるいは食べるパイの量を減らす、といったものでは、「助成金は増えない」ことになりますね。

 

さあどこまで、「助成金を増やす」企業が増えるでしょうか?