戦争を決した輸送戦
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陸戦では補給はジワジワと効いてきますが、海戦では一気に命運をかける補給戦というのが存在します。ヨーロッパ戦線No.1はコレでしょうね。
地中海、イタリア半島の沖合にマルタという島があります。東京23区くらいの広さですが、大戦初頭は、枢軸国領土に囲まれた中で、アフリカ向け補給を阻む、貴重な連合軍の「不沈空母」でした。しかし、圧倒的なドイツ・イタリアの攻勢で、ギリギリカツカツの状況にまで追い込まれたのです。
そこでタンカーや補給船を含む船団が組まれ、補給に向いました。目の上のタンコブであるマルタを甦らせてはと、ドイツ軍・イタリア軍は全力で阻止しようとします。イギリスももうこれ以上もないというくらいの大艦隊を持って、護衛に当たりました。
イギリス・アメリカ軍:戦艦2、空母5、軽巡7、駆逐艦26、輸送船・油槽船14、戦闘機120
ドイツ・イタリア軍:重巡3、軽巡3、駆逐艦17、潜水艦13、魚雷艇23、爆撃機280、戦闘機200、偵察機60
1942年
8月11日・・・英空母イーグル沈没、空母フューリアス、マルタ島への戦闘機輸送成功。
8月12日・・・輸送船3隻、英軽巡、駆逐艦各1隻沈没、軽巡1隻大破、空母インドミタブル大破後退。
8月13日・・・英軽巡1、輸送船4隻沈没 伊魚雷艇による。伊艦隊、英潜水艦により大損害。
英輸送船3隻無事入港、14日、米油槽船「オハイオ」入港。
たった4隻の補給船の入港ですが、これでマルタ島が息を吹き返し、アフリカ戦線の独伊軍を妨害し続け、エル・アラメインの連合軍の勝利に結びつけたのです。以後ドイツのロンメル軍は、立て直しが効かなくなって、降伏することになります。
太平洋戦線はこちらです。
べデスタル作戦と逆、輸送する方が枢軸国です。こちらは失敗に終わり、日米の天王山となったガダルカナル島争奪戦のヒトコマ。ローズベルト大統領ををして「これでこの戦争の目鼻が付いたようだ」と言わしめた決戦です。
アメリカ軍::戦艦2、空母1、重巡2、軽巡3、駆逐艦12
日本軍:戦艦2、空母1、重巡5、軽巡3、駆逐艦28、輸送船11
11月13日・・・第一夜戦:(日)戦艦1、駆逐艦2沈没(米)軽巡2、駆逐艦4沈没 司令官2名戦死。
11月14日・・・(日)輸送船7隻沈没(空襲)
11月15日・・・第二夜戦:(日)戦艦1、駆逐艦1沈没(米)駆逐艦3沈没。輸送船4隻座礁。
ここでは華々しい水上艦隊同士の一騎打ちが行われましたが、それに敗れて、多くの輸送船を撃沈され、また、たどり着いた4隻の輸送船も、、夜が明けると空襲を受け、少ない量しか揚陸できませんでした。
日本は結局ガダルカナル島を撤退、多くの艦船、特に輸送船舶や熟練パイロットを失い、アメリカに力負けするのです。
補給に必要なものは、制海権、制空権などはもちろんですが、それがない場合は・・・
・思い切った兵力、物資の大量投入
が必要です。第3次ソロモン海戦の日本海軍は、空母5隻を投入したぺデスタル作戦のイギリス海軍と違って、兵力は中途半端で、海戦にかろうじて勝っても、戦略目標は達成できないことになるのです。日本がガダルカナルを決戦場と見定めて、航空兵力や陸兵、艦船を集中的に投入していれば、と思うところです。