"陸軍空母"「あきつ丸」完成! | 新労社 おりおりの記

"陸軍空母"「あきつ丸」完成!

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世界の陸軍で、空母を持っているのは、古今東西、旧日本陸軍だけです。その造った「空母」が、プラモデルで出ましたので、作ってみました。もっとも旧軍では空母と言わず、特種船と言われました。世界初のドック型揚陸艦、能率良い上陸作戦用輸送船です。

 

艦船プラモにはめずらしく、緑色の船体で、色を塗らず、そのままにしました。飛行甲板や艦橋は軍艦色です。作成してみると、海軍の空母と比べて以下のような違いがあります。



・短い飛行甲板。商船船体だから、幅が広く、ずんぐりとしているのはしょうがない。

・艦尾のエレベーター。海軍も艦尾にありますが、甲板外に設置されたのはこのフネだけ。

・これほどの小さい空母は艦橋は甲板下にある。しかし艦上に煙突と共に立っている。

 

飛行甲板が全長より短く、長さが足りなく見えます。また格納庫は、真ん中にもと商船としての構造体があり、後半部分しか使えません。もっともこのフネの役割は兵員輸送が主で、飛行機の運用は従でした。


 

 

積んでいるのも陸軍機で、面白いのはオートジャイロを積んでいることです。前向きのプロペラと水平の回転翼を持ち、短距離で離着陸できます。また指揮連絡機を積んでおり、これはドイツの連絡機を参考に造られました。ドイツのシュトルヒ連絡機は、山上のホテルに幽閉されたムッソリーニを救出したことがあります。

 

この4機ではちょっと寂しいので、97艦攻6機を余分に載せました。

 

 

また、武器の少ないこと!日本の空母が高角砲(陸軍では高射砲)を8~16門持っているのに対し、4門です。機銃に至っては単装8丁!少ないので、海軍の銃座を架空でしつらえました。しかし現実の陸軍は、空に玉すだれのようにタマを撃っても、飛行機は落ちないことを知っていたのかもしれません。

速力は21ノット程度でしたから、海軍の小型の護衛空母くらいはあり、アメリカの商船改造空母より高性能でした。しかしアメリカは18ノット、航空機20数機程度の護衛空母を100隻も作ったのに対し、日本はこの「陸軍空母」含めて10隻も行きませんでした。


 

ただし、この「陸軍空母」というのが、日本の当時の体質を物語っています。陸海軍の縄張り争いですね。海のことは海軍に任せられない陸軍の体質、またノウハウを陸軍に教えない海軍の体質が垣間見えます。

 

この「あきつ丸」は、空母として実験はしたのですが、その後輸送船の不足で、一般の輸送船として船団に加わり、撃沈されました。空母のノウハウなら海軍がいくらでも持っていたのに、非効率な話です。その砲や艦載機もすべて陸軍製というところ、どうも資源の分散、ひいてはムダ遣いのような気がするのです。