障害者雇用向け 新助成金の構造 | 新労社 おりおりの記

障害者雇用向け 新助成金の構造

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この4月、障害者の方向けの助成金が4つ新設されました。障害者の方の就職は伸びたのですが、単純に助成金が伸びたわけではありません。その理由と、新設のワケは一体何でしょうか?

 

障害者の方は、企業はある程度の規模になると絶対雇わなくてはなりません。しかし、それはおカネを出せば、免れることができます。しかしそれも、「中小企業には厳しいだろう」ということで、出さなくて良いことになっていました。

 

しかしその基準が、今年4月1日から引き下げられました。これまで200人以下は払わなくて良かったものが、100人以下になったのです。それは、そのおカネ、雇用納付金制度 の財政悪化によるものです。


この制度で、助成金もやっていたのです。しかし財政悪化で、それも難しくなり、今までこの財源でやっていたものを、雇用保険二事業の財政で建て替えることになりました。それが以下の助成金です。

 

障害者職場復帰支援助成金  : 中途障害者の方の雇用継続のための助成金。

 

障害者職場適応援助促進助成金  : 職場適応援助者による支援に対する助成金。団体向け。

 

障害者職場定着支援奨励金  : 新規雇用障害者の方の職場支援員の確保のための助成金。

 

障害者職業能力開発助成金  : 障害者の方の教育訓練のための助成金。

 

これらのうち、能力開発は雇用納付金から、ほぼそのまま降りてきたものですから、イイとして、他の3つはいかがでしょう?やっぱり元々あったものを打ち直し、廃止された精神障害者雇用安定奨励金の要素を加え、多少整理したくらいです。

 

新聞では「職場でうつ病の方が出た場合、これで救済する」ということが言われていますが在来のものとそれほど変わりません。

 

今まで健常者として職場に貢献してきた方が、障害を持った場合、多くの場合職場を去らなければならなくなるでしょう。しかし職場復帰のための職務、能力開発や、リワーク支援 ⇒ 専門家の力を借りた職場支援というものに助成金が出るとしたら、いかがでしょう?

 

例えば・・・

 

中小企業の正規の労働者が一人、事故で労務不能になり、障害者となり、引き続き正規で働くとすると、以下のような使い方ができるでしょう。

 

障害者職場復帰支援助成金  ⇒ 事故で休職4か月 ⇒ 雇用継続1年 ⇒ 70万円

 

障害者職場適応援助促進助成金  ⇒ 職場適応援助者を配置12か月 ⇒ 96万円

 

これは社長さんに出ます。障害年金や労災・健保の給付など、生活に必要なおカネはちゃんと別に、普通に労働者に出ますので、会社が障害者の方のためのしくみづくりをするときに役立ちます。

 

障害者の方を本気で支援し、会社に貢献してもらいたいと思っている会社さんならば、それなりに使えるものだと思いますがいかがでしょうか。