時代を担ったマッサージ師
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マッサージはたまに私もお世話になりますが、気持ちイイモノです。しかしその術を極めた達人は、時代を作る有名人に重宝され、歴史の舞台に影響を与えたりします。
そんな歴史に残るマッサージ師をご紹介します。
👉 ヘロディコス
紀元前5世紀、古代ギリシアの医師。運動を医療に初めて使い、食事療法やマッサージ療法を勧めた人物。医学の祖ヒポクラテスにそれを教え、影響を与えました。薬草と油を用いた健康の為の食事とマッサージを推奨し、最初はやさしくゆっくりと、その後より速く力を加え、そして緩やかに摩擦するという的確なマッサージの方法を編み出しました。
👉 杉山和一
江戸時代、将軍綱吉の体調を良くしたあん摩師。幼少時に病気で盲目になり、あん摩師に弟子入りしましたが破門され、竹の筒と松葉から管鍼法を編み出しました。彼の作った学校は最初の視覚障碍者教育施設です。綱吉から「和一の欲しい物は何か」と問われ「一つでよいから目が欲しい」と答えたので、綱吉から「一つ目」(地名)の屋敷を賜りました。その中に作った神社は鍼灸治療所とともに江島杉山神社として残っています。
👉 富岡兵吉
日本の近代マッサージを作った人物です。小さい頃に視力を失い、あん摩師の道を選びました。明治時代には福沢諭吉はじめ、多くのすぐれた教育者が出て、盲唖学校も造られました。そこに入って実力を認められ、東大付属病院で、日本初の病院マッサージ師が誕生したのです。
江戸から明治になって、鍼・灸・あん摩は医療に入れられず、民間療法に転落させられました。しかし、マッサージ治療の考え方は西洋の医学にもあったので、彼は著書を刊行し、その地位の向上に努めました。
👉 浪越徳治郎
あのマリリン・モンローをマッサージした人物。「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」というモットーを持っていました。胃けいれんを起こして痛み止めの注射を嫌うモンローに、念入りな指圧を行い、生気を取り戻させました。テレビに出て笑いを取るコトもうまく、彼の起こした指圧学校は現在も続いています。
👉 フェリックス・ケルステン
ナチス・ドイツのヒトラー親衛隊長官ハインリヒ・ヒムラ― のマッサージ師。ロシアのドイツ系住民の出身で、チベットの師から27歳で免許皆伝を得ました。当時泣く子も黙る最恐の虐殺者、ヒムラ―の胃痛を治せるのは彼だけで、絶大な権力を持てるにもかかわらず、虐殺やユダヤ人いじめに加担せず、それを和らげようと努力しました。
ヒトの体を治すことはどうも、投薬や外科手術だけということではないのですね。切ったり張ったりしなくても、単に押してやれば治るという不可思議なところも人体は持ち合わせているのです。
しかし、それもプロがやらないと、却って健康に悪いということが、今一つ知られていません。薬を調合したり、切ったりはなかなかできませんが、人体を押すことは誰にでもできるように見えます。マッサージのプロはしかし、上記の方々のように、指圧の力のみならず魔法のような信じがたいような伝説を生み出せるもののようです。