芸術の11月 宙組公演「異人たちのルネサンス」 | 茶とんびのブログ

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10月は“煩悩の月”でした。

私の予定帳には 仕事 雑事 宙組公演観劇の3種しかなかったからです。

この夏 本当に良いことが何一つなかったので10月は幸せでした、しかし幸せを予定通り遂行するため体調管理に気遣った~~

 

そして11月は一昨日の内田光子さんのリサイタルから始まり 雪組公演「ファントム」を含め“芸術の月”となる予定でしたが わたくしの応援目線は“芸術の月”に本日観劇した宙組公演「異人たちのルネサンス」を含めることに決めました。

 

というのも・・

理性と感情を無理やり分けるがごとく 煩悩と芸術も分けねば引き裂かねばとあがくことで冷静さを保ち続けたい(保ててへんがな・・・)と願う私ですが 一昨日 シューベルトピアノソナタ第21番の2楽章を聴きながら 最も近い体験として想起されたのが 宙組公演「異人たちのルネサンス」 劇中の“カテリーナの死”だったのです。

しかし 芸術鑑賞中に煩悩が頭をもたげたとは全く思いませんでした、 実に自然なことだったのです。

 

 

宙組公演「異人たちのルネサンス」 

主役が恐れ多くもレオナルド・ダ・ヴィンチって “宝塚で劇術家ごっこ”になりませんように・・(恐々) 否否 最近の宝塚は結構すごいですよ(例:「翼ある人々 ブラームスとクララ・シューマン」)。

残念ながら美術にはうと~~いため どのような人がどう演じれば巨人=ダ・ヴィンチに近いのか わたくしには想像もできませんが 美術館などに行くとたいていその世界の住民っぽいお客さんがおられ そういった方々は独特のオーラがあり同じものを見ても全く違うものを見ている様な目をされているので  芸術家=とにかく尋常ではない雰囲気をだす ・・・てな感じ?

 

主演の真風涼帆さん(真風様~♡)は初日近くから“その役を生きてる”という感じでわたくしは大喜びでニコニコ。

ほかの演者の方々も初日近くから堂々ベテラン芸を展開され をを 宙組実に地に足ついている フムフム。

 しかし メルヒエンな真風様演じるレオナルド ずいぶんいい青年すぎやね これは演者の日常がにじみ出てしまっていると見た! ギラギラがないのがちと残念も ラブリ~!

冒頭から暗いドロドロした感じ  S4 メディチ宮・ロレンツォの執務室の場面のピアノと弦によるバックミュージックも超好みー。

真風さん演じるレオナルドと星風さん演じるカテリーナとの二重唱は実に耳に心に心地よく あー今すぐCDで聴いてリピートしたい!! 

ソロ歌唱はちょっと歌謡曲みたいなものもあったが真風さん本当に歌お上手になられのどがお強いのかコントロールが良いのかほぼ声がすれ音程狂いなく大したものだー。

そして 良い奴2名と悪い奴らが複数の企てにより一堂に会しバタバタと死に“一枚の絵画のようだ~”と叫ぶ者もおりしぶとい奴が生き残るという展開が実に分かりやすく面白――っ!!!

思想の押し付けや男性主体の美学の押し付けもあまりなく 普通に物語を楽しめばよい、  中ホール級の演劇を好む私は実にご機嫌に観ていました。

しかし 最後に悪い予感がしたのです。

愛するカテリーナの死後 レオナルドが絵画を持参して登場 前半で予言した通り“新しいマリア像”を披露するのですが ここで新しいマリア=カテリーナの肖像として “モナリザ”出すんじゃないでしょうね と恐れていたら 出ました“モナリザ”が。

超有名絵画出したら 美術に明るい方に笑われるんじゃないかしら 突っ込みどころ作ったな 微笑の理由は “愛を知っているから”→宝塚流にまとめて演劇終了 やれやれ。

が、しかし! 審美眼とハートをかっさらうすてきすぎるショーでときめきすぎてわたくしはフラフラになりとにかく幸せ。

 

 

10月はだいたい上記のような煩悩観劇の日々を送っていました。

しかし 真風さんを双眼鏡で追いすぎたため 一日くらいは視点を変えようと 二階席下手側後方席に座った日 極力双眼鏡追いをやめました。

この席からはレオナルドの腕の中で死んでいくカテリーナの表情が良く見えました。

観劇中に考えがすぐ脱線する私は思いました、 己の腕の中で知人が死ぬ、循環が止まる瞬間、皮膚色が白くなり そのうち冷たくなっていくのを目で肌で近く感じるって尋常な体験ではないなって。

そこで遅ればせながらようやく私は気づいたの、  黒い衣装、レオナルドが描いたマリア像=モナリザは 己の腕の中でようやく心身囚われの身から解放され愛を知った死の前の瞬間のカテリーナだと。

天才だというレオナルドは 見る人によっては美しい人 知っている人にはカテリーナだとわかるように描いた。

でもね 生気のない不気味に仄暗く光る肌の色のモナリザ、  遺体を描いたのではないかと思ってしまった。

メディチ家の当主が与えたピンクやオレンジの美しい衣装ではなく過失(よね)で殺された日の服装で彼女の肖像を描く、 死んでいる様にも生きている様にもとらえることができる肌の色、 意味深な微笑は“愛を知ったから”というが幸福な笑みにも見えるかもしれないが挑戦にも嘲笑にも見えないこともない。 

これはメディチの当主に対する皮肉や挑戦も含めた総力で挑んだ お約束通りに超多様性のあるマリア像の製作であり カテリーナは己の魂の中に生き続けているから 絵画はあんたにくれてやる。

この絵を突き付けられたときの芹香さん演じるメディチの当主の後ろ姿の演技が見事で この審美眼はあるしぶとい当主、 動作が・・・・・となり何を思うか? と想像力を掻き立てられました。(あとでこの絵に呪い殺されませんように)

そう考えると 演出家がここでこの絵を出したことに実に納得できたのです。

 

上記のようないきさつで 劇中のカテリーナの死はわたくしにとり “軽いエンターテイメントの中の一場面”ではなくなりましたので  くどいですが シューベルト ピアノ・ソナタ21番第二楽章とリンクしても全く自然。

 

 

それゆえ わたくしの11月は 宙組公演「異人たちのルネサンス」も含め“芸術の11月”となりました~

 

 

 

習慣的にブログ巡りをする友人に この公演の評判はどう?と尋ねると 「最後のショーは評判が良い」と婉曲なお答えが返ってきましたので 数日前から久しぶりにちょっとだけブログ巡り、(例によって眼精疲労で脱落) どうやら最後のショーだけは評判が良いようです。

しかし誰が何と言おうとも この作品は私には結構面白い 超気に入りました。

 

 

本日で真風さん演じるレオナルド、その他実に面白い登場人物たちとお別れです。

さみしーーーーっ!!