今更だけど『ニーチェ先生』こと『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』をワタシが個人(個ネコ)的にオススメしたり、実際に読んだ上での感想(?)を交えながら、たまには新作コミックのオススメというまともな仕事(?)をしていることを知らない方は、前巻のリブログを見ていただきたいと思います。
さて、14巻を読んで・・・
しっかりコンビニネタに戻り、それもレジ袋有料化や人気アニメとのコラボ品を巡って転売ヤーとの攻防をコンビニ店員の目線で・・・という時事問題もネタに盛り込まれて、つぶやきがバズってからの漫画家デビュー関連のネタよりも、元のとおりにコンビニバイトネタをやって欲しいと思っていた人には、嬉しい内容なのではないかと思った。
特に職業がコンビニ店員でない人でも、販売系ならレジ袋問題は共感できるし、客の立場でも他店(他人)のことでも、買い物に行く先々でレジ袋問題に遭遇した体験があるのでは?
これまでタダ(無料)で当たり前と思っていたレジ袋が有料化される、それがどんなに大変な事か・・・政策を決定する側は接客も販売もしたことない人達だから、到底理解されることはないだろうけど
一口にレジ袋有料化といっても、断る理由も不満に思う点も様々、今回のコミックに描かれていることも、描かれていないけど日常の中で見聞きしたり、目の当たりにしたことを例にあげると・・・まぁ、きりがないのは誰しもが分かっていることだろうけど。
つまり今巻を通じて、コンビニに限らず小売業や読者層も含め、幅広く多くの人が不満になっていることはあり過ぎるけど、その一端でもネタにしてくれたことで共感しやすい点が大きいのかも。
そして、もう一つ今巻で時事ネタとして面白かったのが、作中では『鬼殺の刀』という作品が社会現象になるほど人気で、そのコラボグッズが主人公たちが働くコンビニで限定販売されることになって・・・というエピソード。
字面からして『鬼殺の刀』のモデルは、某・鬼滅だろうけど、その人気っぷりに転売ヤーが横行するのだが、現役コンビニ店員が描いているだけあって、その攻防が有り余るほどのリアリティで、事実は小説よりも奇なりという言葉はあるけど、店員側が転売ヤーを上回れる快挙は爽快だと思った。
さらに特筆すべきは、この作品が元々はコンビニバイトの傍ら・・・ふとSNSで呟いたことが偶然にバズって書籍(マンガ)化されたものだけど、それほどまでにフォロワーが増えたことやフォロワーが激増したことで、比例してクソリプ、誹謗中傷が増えるストレス。
炎上を気にして、何も書けなくなっていくリスク・・・コンテンツに徹して、守りに入りながら「いいね」を維持しても、それが(自身の書籍という)商品の購入にはつながらない現実への的確な分析など、下手なコンサルタントのアドバイスよりも役に立つと思った。
何しろ身を持って体験した人の話だし、奇しくも漫画家デビューしても夢のような印税生活とはいかず、いまだにコンビニバイトを続ける傍ら、就活に再挑戦という境遇だからこそ、単なるサクセスストーリーではなく、より等身大の一般人に近い人物の実話ベースだからこそ「現実って、こんなもんだよなぁ」とも思えるし、あえて読後の感想をいうなら「お疲れ様でした。」の一言に尽きると思った。
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『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』
1巻
14巻(現時点での最新巻:2021年2月27日発売)
コンビニに限らず転売ヤー対策は、早急に幅広く多くの業種で取り入れて欲しいと思ったコミック担当:NUKO