「俺は薬物依存症だ・・・」
心の深いところで、そう感じて涙があふれてきた。
「やっと来た。やっと来てくれた。
ありがとうございます、
助かるかもしれない」
そう感じた。
●光輝き、温かく、包み込んでくれる存在
外は昼過ぎの住宅街らしく静かな喧噪の音が流れる、
いつもの昼下がりだった。
突然、周りの人への、とても深い感謝の
気持ちがあふれてきた。
・・・きっかけをくれた薬局の薬剤師の人たち、
・・・そして次、乱用したら、診察しないと
言ってくれた主治医。
最初、前者には苛立ちと怒りと憎しみしかなかった。
最初、後者には、恥意識と自己評価の低さから来る、
恐れしかなかった。
しかし両者ともに辛抱強く、
慈愛に満ちた行動を示してくれた。
そのことに深い感謝の気持ちがあふれてきた。
「何年も、何年も前から思っていた。
何とかしないと、
いずれ大変なことになる」
このフレーズは僕がお酒を止められない頃、飲みながら
心の奥でいつも沸き起こっていたものだ。
薬に依存がスライドしたとき、同じだった。
このフレーズが、舞い戻ってきた。
今、かつて一人では決して成しえなかったことが
多くの人の手と、医療の力で僕にもたらされようとしている。
そんな風に感じた。
テレビの前の座椅子に座り、やっと落ち着いた感じがした。
そして、ゆっくりした呼吸に戻っていた。
しばらくしたら、眠気が訪れた。
少し眠ろうと思った。
布団に入り込んだら、暖かい布団の中で
すぐに眠りについたようだった。
その後、フェードアウトするように、その前後の記憶がない。
なんだか、いつもより深い眠りについていたようだった。
とても深い眠りの中にいる印象と、
いつもと違う夢を見ていた感覚があった。
ゆっくりと意識が浮上して起きると、
すでに陽が落ち始めていた。
窓からカーテン越しの光が夕陽に感じた。
カーテンを開けると黄昏色に染まった
いつもの街が見えた。いつもの街だった。
●黄昏、夕陽が落ちる美しい風景
数日ぶりに5時間近く寝た。
起きた時、いつもの自分と違うように感じたのは
夕方だからか、よくわからなかったが、
同時に時間感覚もおかしかった。
時間が、とてもゆっくりと感じた。
そして同じ空間なのに、とても清々しいものを感じた。
リビングに座り、置いてあった薬を飲んだ時のコップの水を飲んだ。
眠った体には水がおいしかった。
この感覚は、あの時の同じ感覚と同じ、
そう感じた。
自分の力で酒をコントロールしようとしてできなかった中で、
拒み続けたAAに行こうと決めた、あの日
はるか昔のように感じる経験。
最初のスポンサーに助けてもらった、あの深夜の出来事。
寒い冬の夜中
二度目は初めての別居の際、娘と離れることに心が
苦しくて辛くて、AAミーティングに行って、話しても、
いくら話しても楽にならず、辛くて涙があふれてきて、
どうしようもできなくて絶望していたあの時
今のスポンサーに言われた言葉の後の出来事
「AAでは無理だ、今すぐ病院に行きなさい」
と言われた日。
●薬は諸刃の剣
自分が精神疾患かもしれないと実感して
精神科に行こうと決めた時。山の家に帰る途中、
満員電車の中で吹雪のように雪が吹きすさぶ光景を観ながら
同様の経験をした。
皮肉なことに最初はAAに行こうと決めた感覚、
二度目はAAでは無理だと言われてからの出来事、
それは、とても心の深いところが共鳴する経験で、
身体全身でも感じる経験だ。
●最初の過去記事
三回目も共通していたのは、僕が実存として感じた存在だった。
それは、あの大きくて輝く、とても温かな女神だった。
僕は寝起きで、まだ覚め切らない意識の中で、
その存在を感じて自分が理解する偉大な力に感謝し、
祈りをささげた。
同じイメージだ。
大きくて暖かいケープをかけてもらい、背中から暖かくなり、
その暖かさは、やがて全身に伝わり指先から、
つま先まで暖かくなり、心は何も考えず、とても穏やかだった。
●生きる!
生きる!
生きる!
その日から僕の、薬への姿勢が180度、変わった。
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※僕が経験した事
この感覚は霊的なものではなく、数日間も必要な薬物が切れた禁断症状の薬物依存症者が、必要な薬を飲んでことで経験した体と心の反応だという人はいるかもしれない。その考えは当然あるだろうし、その通りだとも思うし、当たり前の意見だと思う。
ただ僕の心の深いところ「魂 たましい」といっても言いかもしれないが、そこで感じたことは他者には分からないと思う。どんなに言葉を尽くしても難しいものがあるのは事実だと思う。
僕に起きたことを無理に信じなくても構わない。
僕は自分に起きたことは、物理的なものではないだろうが、少なくとも、あの瞬間から人生が180度変わったのは確かだから、それを信じているだけだからだ。
それとは「僕なりに理解する神」だ。
●霊的体験=これに関して、AAには以下の書籍がある。
※アルコホーリクス・アノニマス(通称:ビッグブック)=「第一章 ビルの物語」と「付録:P266」 およそ2ページ半にわたり「Ⅱ 霊的体験」という項目がある。
※「信じるようになった」=AA評議会承認出版物~どのようにして世界のAAメンバーたちは、AAの原理と「自分を超えた大きな力」を信じるようになったのか。宗教的、神学的な教義に縛られないAAのスピリチュアルなプログラムについての経験と知恵の分かち合い。(品番:B008)
※「ビルはこう思う」=~AAの共同創始者ビル・Wの著作、手紙などから抜粋。(品番:B009)
●書籍に関する詳しいこと、ご注文は以下のサイトをご参照に。




