僕の地元のAAは僕がつながった頃やグループが

盛んに増えては減りしていた2010年くらいまで、

ミーティング会場やグループの特性によるのだろうが、

ミーティングの終わりに「平安の祈り」(Serenity Prayer)を

みんなで唱える時、輪になって手をつないでしていた。

それは会場が教室形式だろうが、椅子での輪であろうが、

工夫してみんなでつないで手をつないでしていた。

僕は、あの手をつないで唱える「平安の祈り」が、とても好きだった。

 

AAにつながった頃は「神様、私に・・・」から始まるのが嫌で、

わざとその輪から外れていたが、いつのまにか、

それはとても、心を穏やかにするものになり、

ミーティングの終わりに手をつないでみんなで唱和すると、

とても清々しい気持ちになった。

 

地域によって、いろいろだなあと思った出来事がいくつかある。

東京に仕事で出張に行った時、参加して話している

AAメンバーが話し終わり「ありがとうございました」と言うと、

その場の司会者含む参加者全員が「ありがとうございました」と言った。

 

驚いた。僕の地元ではスピーチをしたメンバーに

「ありがとうございました」というのは司会者だけで、

全員が言う習慣がなかったからだ。

ミーティングの帰りにメトロまで道案内してくれたメンバーが、

逆に驚いていた。

「へぇ~、アマナさんの地元では、みんあで、

ありがとうございましたって言わないんだぁ」と言われ、

なんだか少し恥ずかしかった。

 

地元に帰ってグループメンバーに言うと「えっ!そうなんすか?」という驚き、

他のグループでも何人かにシェアしたが「ああ、あるねえ東京は」とか

「へぇ~」とか「いちいち言ってらんねえよ!」とか

バラバラで、ようするにうちの地元では、

全くその辺の統一がないカオス地帯だとわかり、

それからは東京出張のたびに、

ミーティングのラストを気にして東京のAAミーティングに参加した。

そして東京のほとんどのAAミーティングでは

「平安の祈り」と「ありがとうございました」というのがわかった。

そしてほとんどのAAミーティングでは手をつないで

「平安の祈り」(Serenity Prayer)をしていた。

 

ただし、ある東京のAAミーティングに参加した時、

「平安の祈り」を唱和した後に全員が小声で

しかも英語で何かをつぶやいた。知らないことは

まだまだあるぞと思ったが、それが何か聞けなかった。

その英語が何か分かったのは東北のイベントに

グループメンバーで参加した時だった。

 

驚いたのは東北のイベントのAAミーティングでは、

スピーチが終わると司会者だけでなく、

全員が頭を軽く下げて「ありがとうございました」と言った事、

ミーティンングの終わりには「平安の祈り」を唱和し、

比較的聞こえる声で例の英語を皆が唱和したことだった。

なんなんだ!これは!

 

なんだか自分の地域が未開の地のようで恥ずかしくなってきた。

僕を含めて、うちのグループメンバーの一部が驚いた。

そしてグループメンバーは皆、僕に聞いてきた

「アマナさん、あれ、何て言っているんですか?あれはなんですか?」

「俺にもわからない」そう答えるしかなく、

イベントの終わるまでに、それが何かということと、

皆が「ありがとうございました」ということについて聞いた。

丁寧に教えてくれた。

 

スピーチをしてくれたメンバーに全員が言うのは、

そのひとへの感謝の意味を込めて言うんだと。

アメリカでも言うと当たり前のように言うと教えてくれた。

そして例の小声の英語は、意味も含めてきちんと教えてくれた。

 

「Keep coming back it works. If you work it.」

「いつでも、戻っておいで。君にプログラムをやる気があるならば。」という意味だと教えてくれた。

関東の一部のグループではこう言っていた。

「戻っておいでよ。やる気があるなら。」

 

当時のわがグループの僕と活動を共にしていた

スポンシーは「ぜひ、やりましょう!」と感化されて、

すぐに実行したが、グループ外の人は何が何だか分からず、

とりあえずはやったが、長くは続かなかった。

 

小声の英語はアメリカからの習慣としても「平安の祈り」を

唱和しないこと、とうぜん、手をつながない。これは寂しい。

せめて手をつないで「平安の祈り」だけでも復活してほしい。

 

「平安の祈り」(Serenity Prayer)

神様、私にお与えください。

自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを!

変えられるものは、変えてゆく勇気を!

そして、二つのものを見分ける賢さを!

 

Keep coming back it works. If you work it.