フリージーとビンの映画大乱戦

フリービー(以下フ) ☆ いやあ、暑いねビン君。5月でこんだけ暑いと12月はもっと暑いやろね。


ビン(以下ビ) ★ 上方漫才の古典的ツカミを使うな!脳内熱中症


フ ☆ そだな、今から熱中症対策に水をチェイサーにして塩をガンガン飲み込もう!


ビ ★ 心臓イワせますね、てか心臓イワせてお逝きなさい


フ ☆ イクはイクでも、夏場は海水浴とか行ってるかね?


ビ ★ そですね、僕は「すすめ!!パイレーツ」ファンなんで毎年九十九里一筋です


フ ☆ そうか、ワシは遠出が億劫なのと、凶暴化したサメや大ダコやエビラが怖いんで、近場の神田川でダイビングだす


ビ ★ そのまま上がって来るな、人食いボウフラの餌食になれ


フ ☆ しかし、水面下に潜むのは人食い生物だけではない、本日のお題はアムステルダムの運河に潜むイカれた殺人ダイバーが「獲ったどー!!」と暴れまくるサスペンス・スリラー


「アムステルダム無情」だべ!!!


作品データ : 「アムステルダム無情/Amsterdamned」

          1988年オランダ映画(日本公開1990年2月UIP配給)

          監督 ディック・マース 出演 ヒューブ・スタベル、モニク・ヴァン・デ・ヴェン


《ざっとしたすじ》


オランダ、アムステルダムの朝は早い・・・そして、このキャッチコピーを知っているのは40代以上である。そして、この街の中心部から縦横無尽に廻らされた運河で、不気味な連続殺人事件が起こる。


事件の担当となったエリック刑事(ヒューブ・スタベル)は河川警察の旧友の助力で、犯人が水中に長時間潜み移動して犯行に及んでいる手掛かりをつかみ


「カワウソか、タマちゃんか、ダイバーの犯行じゃね?」


どう考えてもカワウソやタマちゃんの線は有り得ない、当然消去法でダイバーにロックオンしたエリックは、市内最大のダイビングクラブに探りを入れる。


そこで美女ローラ(モニク・ヴァン・デ・ヴェン)と、そのダイブ仲間の精神科医ルイスデールと知り合ったエリック。で、本来の目的を見失いローラをナンパするエリック。


「ロ~ラ~♪」「え~、アタシ~?は~い、オッケ~」


で、食事に行ったりしてる2人ですが、そんな間に運河でまた犠牲者が・・「お前、仕事せぇやコラ!!」当然、上司に怒られたエリック.。シュンとしながら捜査続行していく内に、さすが刑事の勘なのか、都合の良いシナリオのせいか容疑者を御用!


しかし、コイツは真犯人ではなく、別手段で捜査を行っていた河川警察の旧友が水中で殺されてしまう。


「きゅうゆうううううううううううううううううううううううううううううううーーーーーーーー!!!!」


アッタマきたエリックは旧友が残した手掛かりを元に、船舶倉庫にガサ入れ。そこでダイビングスーツ姿の犯人をハケーン!!


そして、運河を舞台にエリックと犯人の壮絶なモーターボートチェイスが始まった!


「まったらんかい、コラ!!」


故・横山やっさん並みの気合いとテクでボートを駆り、遂に犯人を追い詰めるエリックだが、逆にモリ撃ち銃で撃たれ負傷!逃げられてしまう。


捜査は振り出しに戻ったか・・・入院したエリックは落胆する。しかし、彼を見舞ったローラがその帰りに精神科医のルイスデールを訪ねたところ、そこには濡れたダイビングスーツが!・・・・・


「せいしんかいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」


だが、真犯人はルイスデールの旧友で、ダイビング中の事故で毒性物質を浴び、精神と肉体に異常をきたしたサイコ野郎だった!そんな唐突な!!」


ローラピンチ!!しかし、良すぎるタイミングでエリック登場!傷だらけのローラになる前に真犯人をブッ倒すのだった。


「犯人、獲ったどーーーーー!!!」 


めでたしめでたし



ビ ★ 相変わらず仕事が雑です、悪ふざけとしては合格ラインですが


フ ☆ 真面目な映画解説が見たけりゃ他所へいきな!でも出来るだけ見てね


ビ ★ 強気だが弱気だか分かりません・・・この邦題だけ見ると、一瞬文芸映画に捉えられかねないっすね


フ ☆ 原題は「アムステルダムド」で、アムステルダムとダムド(呪い、とか地獄落ち)を掛け合わせたオソロシャレオツな名タイトルなんだよな。


本作は本国オランダでヒットし、海外の映画祭でも評価されたんだけど、いかんせんオランダ映画でキャストは無名、売りが中盤の目玉となる運河での壮絶なボートチェイスって事で、日本の配給会社も売り方に困ったのか・・・でも、トチ狂った邦題に反省したのか、ビデオ回転で宣伝費回収しようとしたのか、ビデオ化の際は「アムステルダム怒りの追撃」ってアクション映画風タイトルになってる(苦笑)


ビ ★ 主役の刑事役がモッサいヒゲ面で、ヒロインも地味ですね・・・で、アクションなんですか?スリラーなんですか?ホラーなんですか?


フ ☆ 宣伝はホラー風味だけど、刑事アクション&猟奇スリラーてとこかな。残酷シーンはないし、リアルにスッゴイ中盤のボートチェイス以外はいたって地味だ・・・謎解きったって、真犯人は最後に唐突に現れるから(笑)しかも毒性物質で凶暴化するなんて、50年代の怪獣映画とかホラーの設定だもんな。スプラッター映画ブームの終盤に無理矢理乗っけた感じだね、大阪ナンバの東宝敷島っていう、ホラー映画好んでかけてた劇場で2週間で打ち切られたんじゃなかったかな。


ビ ★ それを劇場で見てるアンタはやっぱりゴイスーです。立派な映画ド変態です。


フ ☆ これも日本でのDVD化は絶望的かもなあ、知名度の点でキツ過ぎる・・・数年後に銀座でホラー映画のイベント上映会で予告編集上映があって、たまたま配給会社が同じのせいか本作の予告編が流れた時に「あむすてるだむむじょぉ~」ってタイトルナレーションで観客大爆笑だったしな。その映画オレはリアルタイムで観てんだよ!!コノヤローって(笑)


ビ ★ BSやCSでリクしてみたらどです?


フ ☆ それよりも、ダイビングスクールの教材とか、ボートレースのCMとかでタイアップで知名度を上げるか。殺人ダイバーが五色のアッキーニャ♪を真紅に染めるとか


ビ ★ バカ


フ ☆ カバ ※墓場鬼太郎「霧の中のジョニー」より引用