ボクのような野球経験はろくに無いが、
観戦は大好き、口だけはやたらうつつを抜かす人間には持ってこいの映画ですね、これは。
ボクが野球というスポーツを観るのが、
好きなわけが詰まっていました。
ベース間の距離、マウンドの距離、ボールの大きさ、
カウント数、イニング数…
様々な要素のうちの数字1つが少しでも違うだけで大幅に変わってしまうスポーツ。
ひとつひとつの数字の絶妙な組み合わせによって成り立っているスポーツ。
その絶妙な案配により時には奇跡を呼ぶようなドラマチックな展開が起きる。
その展開が起きる確率もまた絶妙。
本当に奥が深いスポーツなのである。
このことは誰もが思うであろうことだが、
中々、野球を実際にやっている当事者にとっては常日頃意識できないことであろう。
この映画における
個々の人に焦点を合わせ背景をボカした試合シーンは
臨場感こそないものの緊迫感が伝わってきて良かった。
これは単なる野球の映画ではないんだという制作者の意図が伝わってくるようでした。
ブラッドピットも名演でしたね。
手元や口元の常に落ち着きのない感じが主人公の
人となりを表すのに非常に説得力ありました。
筋トレシーンなんかもそう。
人によっては「あのシーン必要あるのか?」と思われるかも知れないが、
主人公の性格をよく表すシーン。
無言での力強いガッツポーズは観てるこちらも込み上げるものあり。
ストーリーとしても主人公の考える野球理論の正当性を唱うような作りは
なっていないのが良いところ。
結局その理論を通して、20連勝することはできても、優勝することはできていないわけで。
尚かつ、「野球は理論だけで語り通すことのできない、面白いスポーツ」ということも
はっきりと示している。
それがある代打サヨナラホームランシーン。
個人的にはこのシーンはこの映画において重要な役割を占めているように思う。
「結局は理論では語れず、良くも悪くも予期せぬマジックを生むのが野球ですよ」
ということを観客に語りかけてくるような。
これは良いマジックが生まれたシーン。
あの代打は出塁させることを意図して出された代打であったわけで、
ホームランなどを期待されていたわけではないはずなので。
結局この映画何が言いたいかって、
「自分の信念を曲げずに貫くことの格好良さ」だったりする。
それって一種の男のロマンなわけでもあるが、
端から見れば理不尽であったり、女性から観れば「格好悪い」と飽きれられたりするもの。
そんななかでも主人公が信念を貫いていくことができているのは
側に娘という支えがいたからというの演出もなんともニクい。
「マネーボール」
オススメ度:91点
