どうせ山梨に行けるならと、わたしからお願いして、松本弘さんと一緒に水泳練習をさせていただきました。
世界記録を31回更新されているあの鉄人、松本弘さんです。
前回練習をご一緒させていただいてから、もう三年くらい経ったでしょうか?
その時のメイン練習は 50m×20本。そのうちわたしが勝てたのはたったの二本でした。
松本弘さんはもうすぐ78才になられます。
わたしより二十才くらい年上の方です。
加えて、近頃大会で泳いでいる記録をくらべると、わたしの方が50mで3秒くらい速いのです。
ですから、ほんとうはすべてわたしが勝って当然。
いや勝たなければいけないでしょう!

今回の練習は前回より量が多いものでした。
まず、プルで ピラミッド1セット(8本計500メートル)。
続いて同じくプルで 50m×10本。プルだけで1000mになります。
続いてキックで100m×10本。フィン付きです。
最後に 50メートル×4本。
アップとダウンを入れて、およそ3000mという練習でした。
プルでこそ、わたしが先にゴールするところから始まりましたが、プルも半分をすぎた頃から負け始めました。最後の10メートルで抜かれ始めたのです。結局三分の一くらいは負けることになりました。
でも、ほんとうの驚きはキックでした。
結果から書くと、100m×10では一本も勝てなかったのです。
サイクルは2分15秒でしたが、最後の4本でわたしはサイクルアウトしてしまいました。
サイクルアウトというのは2分15秒で帰ってこられないことです。松本さんは1分35秒くらいで帰ってこられていたので、わたしとの差はじつに40秒。楽に40メートル以上違う計算になります。
キックを終え、最後の練習となる50m×4本も同じでした。
松本さんは行きの25mをクロール、帰りをバタフライというハードな組み立てです。
わたしは最初こそ行きをバタフライ、帰りをクロールで泳ぎましたが、すでに三本目にはバタフライで泳げなくなってしまいました。
結局一本も勝てないという体たらくです。
松本さんと練習できるのは、いつもほんとうに素晴らしいことです。
松本さんの一本一本の泳ぎへの真剣さ。
そして、それ以上に生きる喜びを感じさせてくれる練習態度。
セット間に何気なく指摘してくれる技術への慧眼に満ちたアドヴァイス。
どれをとっても貴重なものです。
今回は技術的にはキックについて得るものが多かったです。松本さんのキックから、いかに効率よく前に進むかを痛感させていただきました。
本職がスキーなので、スクワット対決したなら、わたしの圧勝でしょう。そんな筋力差があってさえ、ここまで離されるのは、決定的な何かが自分に欠けているからです。
しかし、前回もそうですが、最大の収穫は松本さんの練習に臨むメンタルポジション(精神的姿勢)に触れられることです。
妥協しないこと。
真剣にやり続けること。
そして、心臓の鼓動が打ち続いていることへの感謝。
松本さんを見ている限り、自分もまだまだ可能性に満ちていると信じることができます。
じっさい、可能性を感じられるのです。
松本さん、ほんとうにありがとうございました。
またチャンスをみて、ご一緒下さい。
PS. 松本弘さんのスイムレッスンは十月十二日(日)長野市アクアウイングです。