大学1年生の春


私はバイトをやってみようと思った。金が無いわけではない。だが、「みんながやってるから」という親なら誰もが言われたことがあるだろうセリフが私の心を動かした。それと、大学生といえばバイト。という謎の思考回路も存在していた。


初めてのバイト先はスーパーであった。私は当時、国分寺に住んでおり南口の大きなスーパーでバイトしていた。スーパーのレジ打ち(夜勤)である。


1日目はビデオ見た。研修みたいなものであり、その日はそれだけで終わった。


2日目は実際にレジを打った。黙々とレジを打った。経験してみると、「ポイントカードってほんとに邪魔だな」って思った。まず、「ポイントカードをお持ちですか」って聞かなければならない。コンビニで言われると、たまにイライラすることあると思うが、許してやってほしい。そして、持っていた場合がめんどくさい。手間が増えるのだ。なんとなく仕事をこなして、その日が終わった。仕事後は売れ残ったパンを半額で買えた。「だだじゃないのか」と少しケチなスーパーだなと感じた。警備員のおっさんと主婦たちはここぞとばかりに買い漁っていた。


3日目は自称剣道部だった主婦が担当であった。「私、体育会系だから厳しいよ」と謎の自己紹介をされた。その主婦(自称:体育会系)から「あいさつが小さい」など随所にそのウザさを発揮された。なぜ深夜のスーパーで大きな声であいさつをしなければならないのか、分からなかった。そして、客にたまにイラっとされるのが悲しかった。この日事件が起きた。レジを打ち間違えたのである。じゃがいもは1個40円であり、袋に4つ入っていたので、160円とレジを打った。しかし、それは一袋で100円であったのだ。今でこそ笑えるが当時は本当にテンパった。怒る客。オロオロする私。私を罵倒する主婦(自称:体育会系)。地獄であった。


次の日にめんどくさくなって、電話で辞めることを告げた。こうして、私のほろ苦いバイト初体験は幕を閉じた。休憩中、度々主婦たちの悪口を聞いた。一度だけ「私の息子は日大なんだよね〜」と言っていた主婦の前で、自分の大学名を言って、場を凍りつかせた経験は学歴の力を思い知ったところでもあった。