日本には確定死刑囚が108人いる。(2021年末現在)その内107人はもちろん拘置施設に収監されているが、一人だけ自宅で暮らしている人がいる。それは袴田巌さんだ。しかし、確定死刑囚であることに変わりはない。なぜこういうことになっているのか。袴田さんは1966年に静岡県清水市であった強盗殺人事件で全く無実なのに逮捕され、どんなに無罪を主張しても死刑が確定してしまった。袴田さんは、死刑確定後も諦めず、再審請求をつづけ、ついに捏造された証拠品の嘘を証明することに成功し、2014年に静岡地裁で再審が決定した。その時の村山浩昭裁判長の言葉が冒頭に書いた言葉だ。「これ以上拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」そして、再審開始前に確定死刑囚のまま袴田さんは釈放された。
しかし、この再審決定に検察が異議申し立てをしたため東京高裁(再審認めない)→最高裁(再審をやれ)と進み、現在東京高裁で再審の作業中だ。袴田さんは現在85歳、長い拘禁生活により精神が蝕まれているとも伝えられている。一刻も早い無罪決定が望まれる。(文:海千)
「夕涼み海の灯」(写真:南岳)
