大阪府八尾市で2020年2月、生活保護を受けていた母親と餓死した息子の遺体が発見されるという痛ましい事件があった。何故、生活保護受給中の家族が餓死するようなことが起こるのか、書かずにはいられない。
母子は断続的に生活保護を受けながら、息子は高校を卒業し、就職もした。しかし、勤務は長続きせず、多様な仕事を転々とした。息子が就職するたびに、八尾市は息子を生活保護の対象から外した。失職するたびにまた生活保護の対象に戻った。そういうことを何度も繰り返していたが、ある時からそれが停まった。息子が住民登録を祖母の所に移して、母と住民登録が別になった。その後は息子は就職していても、失職していても生活保護を受けないことになった。どうしてそういうことにしてしまったのか。役所の担当者から「そうすれば、給料を自分で全部使える」と持ち掛けられたからだと言われている。結果的に、一人分の生活保護費で二人が生活することになった。まもなく行き詰まり、料金の滞納から電気、ガス、水道と電話も止められた。そして、厳冬期に餓死することになってしまった。どうして、そういうことになってしまうのだろうか。
(文:海千)
「大滝三十槌氷柱」(写真:南岳)
