「1億総活躍社会」だとか、耳ざわりの良い言葉だけが垂れ流されていたが、その実態はどうなのか。

 東京医科大学の入学試験で、女性の入学者を少なくするために、男性受験者だけに加点するという不正操作が行われていたことが2018年に発覚し、元受験生の女性28名が損害賠償を求め裁判を起こしていた。その判決が9月9日に東京地裁であった。平城恭子裁判長は「性別という自らの努力や意思で変えることのできない属性を理由に女性を一律に不利益に扱う物であって、性別による不合理な差別的取扱いを禁止した教育基本法4条1項及び憲法14条1項の趣旨に反するもの」と断じた。

 賠償額は1億5200万円余の請求に対し、わずか1800万円余しか認められなかったが、この判決が長く行われていた時代に合わない不正な慣行にとどめを刺したことになることを願いたい。

(文:海千)

「司法の門扉」(写真:南岳)