前回2018_002で「私のライカが直った話」として、愛用一番機であるライカM2(初期型ボタンリワインドのブラックペイント但し後塗り)がシャッター幕のひっかかりでアッと言う間に直った話を書いたが、その続編というのか、二番機のライカM2が直った話をしようと思う。今回の写真はそのM2に入ったままになっていたカラーフィルム(KodakのISO200)を今日現像したものから。

場所は台湾、タイ、シンガポールだが、一体いつ行ったときのものなのか、ハタと思い出せない。なお、このときのレンズは私の「いわくつき」35㎜ズミクロン8枚玉で、絞ると普通だが開放では不思議な絵をもたらしてくれるもの。不思議と書いたが実は不思議ではなく、バルサムなのかレンズが見通せないほど曇っていたものをレンズの神様に無理をお願いして修理したら、このような写りになったもので、元が8枚玉だと思えば褒められた写りではないものの、この玉でしか出ない絵があるので私は気に入って使っている(過去に紹介した、トルコのベリーダンサーの絵がそれ)

二番機のライカM2は元は一番機だったもので、1961年式。2007年にパリの中古カメラ屋で手に入れたものだ。その後一番機となる初期型M2を手に入れ、これを長年の夢叶ってライカビットMP付きでブラックペイント化してからは、二番機になった。しかし元々はライカM3から始まる私のライカ愛用歴から、交換レンズは圧倒的にシルバーが多い。逆に黒い玉はほとんど持ってないので、M2のブラックペイントで使うのは基本的に専ら2本のみ、Nokton Classicの35㎜f1.4と何度も紹介した「眼鏡付き」ルサール20㎜f5.6である。

逆にM3時代から集めた白玉は古今東西いろいろあって、21㎜がSuper Angulonf3.4、28㎜はAvenonf2.8、35㎜ならSummaron f3.5/f2.8にSummicron35mm(眼鏡付き、今回紹介している不思議な絵をもたらすレンズ)にNokton f1.2(これの白玉は珍しい)、50㎜は初代固定鏡胴のSummicron f2に日本製Planer f2に最近M4-2とともによく使っていたSonnetar f1.1(これも白玉は珍しい)。あとは90㎜ Elmaritf2.8といったところである。普段の撮影はフィルムはモノクロが多いが、となると一番のお気に入りは35㎜のSummaronf2.8。

前置きが長くなったが、とにかくその2番機のM2に35㎜Summaronf2.8を付けてライカ銀座店へ向かったのである。実は昨日も行ったのだが、カスタマーサービス部門(=修理部門)が何と昨日までお盆休み、よって今日はそのリベンジであったのだが、果たして修理可能なのかどうか、一抹の不安があった。

というのも要修理箇所とは、巻き上げノブの上部のネジ(赤いポッチが二つついた、あの部分)が紛失している状態で、一体いつどこで落としてしまったのか分からないばかりか、普段取れるはずのないこの部分がなぜ取れてしまったのかもわからないまま、家でカメラを見たらなくなっていることに気が付いた次第なのである。

ちなみにライカ銀座店へ駆け込む前に以前にメンテやカメラの購入でお世話になった東京近辺のカメラ店のいくつかでこの部品について聞いてみたが、どこも返事はつれなく、「その部品は出ないねぇ」とか「他の個体を潰して取るしかないねぇ」と言った状態。ただそのうちの1軒が「ひょっとしたらライカ直営店なら部品があるかも」と言ってくれ、素直にそれに従うことにしたのだ。

ただその人も間違いなく大丈夫と言ってくれたわけではなく、ひょっとしたら、と言ってくれただけなので全く安心はできない。ただライカは現行機にもフィルムカメラはあり、MPやM-Aは旧来のM3やM2と同じフィルム巻き上げノブ式なので、見た目は同じことは知っており、ひょっとしてライカのことだから部品まで全く同じではないか、という期待はあった。

11:00の開店を待ってライカ銀座店の2階のカスタマーサービス部門へ行くと、私以外にも多くの修理やメンテの依頼者がいたのは驚きだった。ただその方々との違いは、フィルムライカを持っていたのは私だけで、他はみなさんデジタルライカだった。数人は外国人だったのもちょっとした驚きだった。受付をして症状を伝えると白衣の係員は「では部品があるか見てみますので、しばらくお待ちください」と奥へ行ってしまったものの、他のお客様が多かったこともあり、20分ほど待たされた。

そして20分後呼ばれると「現行のMPと同じ部品であることが分かり、部品もあるので30分ほどで修理できますが、メッキの色合いが若干異なるかもしれません・・・」と伝えられた。じっくり検分したわけではないが、こちとら何でもいいから直してください、に近いのでそのまま素直にお願いした。ちなみにこの半年ほどあちこちネット上で海外も含めてこの部品を探してみたが、一度も売り物には出会わなかった。ここで修理しておかないと、二番機はまた半永久的に私のカメラ棚で惰眠をむさぼりそうでもあった。
面白かったのはこの部品、メッキはされているものの、例の赤いポッチの部分は塗られてなかったことだ。修理をお願いすると、「ではこのポッチの部分を赤く塗って取り付けてお返しします」ということだったので、毎回修理人が面相筆で塗っているのだろう、と想像すると面白かった。(下の写真は、まさにその修理を依頼したときに私の携帯で撮影したもの。マットの上に修理部品であるネジが見える(意外と小さい))

30分後、確かに赤いポッチも塗られて修理なった私のM2、2番機が帰ってきた!料金は部品と取り付け費(ついでに赤いポッチを面相筆で塗装する作業も込み(笑)で税込3,888円。これなら無理してネットで中古部品など探さなくて良かった!さすがはライカ、聞いてみるものである。そして1961年式のカメラが2018年の現行機と同じ部品であるという事実に改めて驚嘆せざるを得なかった。これはひとえに'90-'00年代に日本を中心にライカブームがあり、ライカがフィルム時代の最後を持ちこたえたおかげでもあるのだろう。
ということで復活なったM2(二番機)を持ってさっそく爽快な空気の東京を撮影することとした。次の記事は東京カラー(Tokyo Colour)と題した、本日のライカM2と35㎜Summaron f2.8で撮ったカラーの東京を紹介する。