クルマに乗っても首からライカは下がっている。もちろんそれを両手でつかみ、レンズキャップを取ってフードを取り付け、周囲の光を見てシャッタースピードと露出を決めておく。そしたらレリーズをゆっくりと動かして1枚巻き上げる。これでいつでも臨戦態勢だ。あとは思ったところでファインダーを覗いてシャッターを切るだけ。ただし夜はいかにノクトンが開放f1.4だとしても揺れるクルマの中では注意深く、大胆にシャッターを切る必要がある。完全に絵を止められなくても構わない。手振れ防止?そんなに「止まった」絵が必要だろうか?ときにぶれた絵は、そのときの鼓動と時間の経過を生々しく表現してくれることもある。
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後部座席から前を覗き込み、シャッターを切る。ハノイの空港を出て10分くらいハノイの街に向かって走ると遠くにニャッタン橋が見えてきた。ここ数年のうちに開通したこの橋を通るのは初めてのこと。この橋は日本企業が作ったものだが、このお蔭で空港からハノイは時間がおよそ半分に短縮されたという。そして半年前くらいにこの橋の「照明権」が売りに出た。最近流行りの命名権みたいなものである。買ったのは欧米企業。やったことは無償でカラフルなLEDライトを設置し、この橋の夜の美しさを演出したこと。
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虹のように色違いの照明の下をくぐる。道は高速道路なので、スピードは出ているのだが、周囲のクルマはみな速度を落としてこの照明の下をくぐっていく。だからハノイへ行くなら夜到着の便をお勧めする。橋は昼間見ても美しい形だが、この夜の照明は新たなハノイ名物と言ってもいいだろう。「照明権」とは考えたものだ。ちなみにこの橋に繋がる前後の道路も日本企業が受注した。だからこの橋の周りの広告看板は日本企業のものだ。ベトナムのインフラ整備には日本が随分と貢献している。主要な空港設備は全て日本製である。そのことを感謝するプレートがある空港もある。それもまた、自分が日本人で異国にいることを思い知らせる。