闇夜にシンクロして光る蛍 | アジアご飯、とくにマレーシアご飯、時々つぶやき

アジアご飯、とくにマレーシアご飯、時々つぶやき

2005年から2009年までの4年間、常夏のマレーシアで暮らしていました。2年過ぎた今でも、日本食は「ハレ」の料理でちょっぴりよそよそしく、アジア飯のほうが「ケ=日常」のご飯で、ホッとします。私にとっての食とは、味わいながら、みんなとつながることです。

そこは完璧な真っ暗な闇。船着場に灯る薄暗い光をのぞけば、目をつぶっているのと変わらない暗さ。ライフジャケットをはおり、今にも壊れそうな古い木製のボートにそ~っと乗り込む。昼間に見たら、ぎょっとするくらい汚い川なのかなぁ…と想像しつつ、ぷかぷかゴミの浮かぶ茶色の川をボートは走り出す。船頭さんは無言のまま、ゆっくりと川沿いの木々に近づいていく。

おーっ!!おるおる!

チカチカといっせいに光を点滅させる蛍。たくさんの光が点滅する木。暗闇のなかに木の影がぽっかりと浮き出し、そのなかで光がチカチカと点滅している。

不思議なもので、1つの木で光る蛍の90%くらいは、同じタイミングで光を発している。まるで何かのタイミングに合わせているように。自然のリズム?それとも地球の呼吸?みな同じ音楽を聞いて、それにぴったり寄り添っているみたいだ。

あぁ…綺麗だぁ…。およそ15分で往復できる川の旅。その両側の木々には、無数の光が煌いていた。その光は小さくて、決して強くはないけれど、しっかりした生命のチカラを持っていた。

だんだん目が慣れてきて、暗闇でも目が効くようになった。はじめ怖いように感じていた暗闇が、いつの間にかわたしをやさしく包み込んでくれていた。

暗闇で見つめる、小さいけれど、無数にある光。暗闇のなかで光る、強くはかない命。その光は、どれも完璧に美しくて、心をぎゅっと掴んで離さなかった。




<写真>

蛍1

KLから1時間半ほど車で行く蛍の名所。まさに真っ暗っです。


蛍3

日本語をしゃべるおっちゃんも出てくる川沿いのシーフードレストラン。(でもこのおっちゃん「普段僕はいないんだよ~。今日は貴重なんだよ~」と言っていたので、貴重だったのかもしれません)タイのレストランのような雰囲気。こんな料理を食べて、ビールも飲んで、これでひとり1000円。


蛍4
番外編:帰る途中で見つけたおもしろ看板。ベッドのシモンズは日本製じゃないよー!