『カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌』
(アラン・アトキソン著/枝廣淳子監訳 PHP出版)
わたしの価値観を劇的に変化させた本は、
AKIRAさん著作『アヤワスカ』以来、2冊目だと思う。
いや、まったく興味が無かった環境問題という分野で
ここまで心をブンブン揺さぶられたのは初めてかもしれない。
すごい。この心への浸透力はすごい。
まだ読み終わってないのだけれども、
どの文章にも目から鱗なのだ。
アランさんは自分をさらけ出して、言葉を伝える。
「私は科学技術に対して好意的だった。現代の北アメリカで
その快適さに頼らずに生活することは、まるで裏庭でキャンプを
するような行為だと思っていた。つまり、一晩なら楽しい。
しかし翌朝には熱いシャワーを浴びて、ホッとしたいのだ」
そして現実的な目を持っている。
「聖人なんてめったにいないものだ。何十億もの人々が
そうした立派な人たちにならって、消費を抑えた生活を
目指すことができると考えるのは、はっきり言って
ばかげている」
でも、決して自嘲的ではなく、もっと大きな観点で
語られているのだ。
「世界を変えたいと思うならば、人間性の諸相の中には
基本的に変えられないものがあるということをまずは
受け入れなければならない。残された時間内で、
大規模な文化変革を起こし、世界中の人々が禁欲的で自然に対して
思いやりのある生き方に変わることは無理だと認めなくては
ならない。――つまり、人間の欠点を嘆いたり、私たちが
自然の警告に気づいていないために人類は絶滅するだろうと
予言したりしても、それは世界や自然、そして私たち自身を
救うことにはならないのである」
すべてがアランさんの心の声である。
葛藤も嘆きも、開き直りも、考え方の転換も。
なぜ彼が今こういう活動をしているのかという理由、思いも
あますところなく暴露されている。
悲劇的な内容になりがちなテーマを、
ここまでやさしく、ここまで分かり易く、
専門家としてではなく、わたしたちと同じ目線で
真摯に、おもしろく伝えてくれる本を初めて読んだ。
わたしもいつか、こんな本が書きたい。