
なぜ夜型は心臓に負担?原因の75%は「生活習慣」にあった
「これまでの研究でも、夜型人間は個々の健康行動を維持するのが難しい傾向が示されていました。しかし、それがどのように全体的な心血管の健康に蓄積され、最終的に心臓発作や脳卒中といった現実の転帰に結びつくのかは明確ではありませんでした。それがこの研究の動機です」とキアネルシ博士は語る。研究チームが突き止めたのは、アメリカ心臓協会(AHA)が推奨する心臓の健康のための生活指針「ライフ・エッセンシャル8」を実践できていないことが、夜型と心血管疾患との結びつきの実に75%を占めているという事実だった。
体内時計の乱れが原因?社会のスケジュールとの「ズレ」が招く不調
「生まれつきの夜型人間の多くにとって、一般的な仕事や社会的なスケジュールは『概日リズムのズレ(体内時計の乱れ)』を引き起こしやすい。つまり、体内時計が現実の生活スケジュールとうまく合致せず、睡眠や食事、運動のパターンを一定に保つことが難しくなるのだ」とキアネルシ博士は指摘する。これが長期化すると、血圧や血糖値の調節に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、「夜型人間は総睡眠時間が短くなりがちで、睡眠が分断されやすい傾向にあります。これも心血管リスクを高める要因です」とジェニファー・ウォン博士は付け加える。
無理な早起きは不要!自分のリズムに合わせたアプローチを
しかしキアネルシ博士は、遅い就寝時間そのものが「悪い」わけではなく、早起きのスケジュールで動く現代社会において夜型であることが「困難を伴う」のだと強調する。「生まれつき遅い時間に適応している人が、仕事や家族のために早起きしなければならないとき、睡眠や食事、活動パターンが乱れやすくなります。このような慢性的なミスマッチが、心血管の健康をサポートするルーティンを維持しにくくしているはず」心強いことに、夜型による心臓の健康リスクの多くは、自分でコントロールできる。睡眠の質、食事、あるいは身体活動(運動)に意識を向ければいいのだ。
心臓を守る「ライフ・エッセンシャル8」をあなたのリズムで実践しよう
「目標は、無理に朝型のスケジュールへと完全に移行することではありません」とキアネルシ博士。「より現実的なアプローチは、遅い生活リズムに合わせた方法で心血管の健康をサポートすること」つまり、何時に寝るかに関わらず、心臓の健康を守る「ライフ・エッセンシャル8」をベストを尽くして実践してみよう。
具体的なステップ:
・果物や野菜、脂質の少ないタンパク質、ナッツ、種子類などのホールフード(未精製・未加工の食品)を中心とした食事を摂る。
・中強度の運動を週に2.5時間(150分)、または激しい身体活動を週に75分行うことを目指す。
・タバコを避ける。
・毎晩少なくとも7時間の睡眠を確保するよう努める。
・健康的なBMI(体格指数)の維持に努める。
・砂糖の多い食品や飲料、赤身肉や加工肉、塩分の多い食品、精製された炭水化物、高度に加工された食品を控えて、コレステロールを管理する。
・血糖値のコントロールを意識する。
・血圧を正常に保つ。