サッカー男子 日本 マリに勝利 決勝トーナメント進出 パリ五輪
パリオリンピック、サッカー男子の予選リーグ第2戦で、日本はマリに1対0で勝って2連勝とし、2大会連続となる決勝トーナメント進出を決めました。
初戦でパラグアイに5得点で快勝した日本は、フランス南西部のボルドーで行われた予選リーグ、グループDの第2戦でマリと対戦しました。
日本は、相手の高い身体能力をいかした攻撃に押し込まれる時間帯が多くなりました。
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それでも両チーム無得点で迎えた後半37分、右サイドを突破したフォワードの細谷真大選手が、ゴール前にパスを送り、最後はこぼれ球をミッドフィルダーの山本理仁選手が押し込んで2試合連続のゴールを決め、日本が先制しました。
このあと、アディショナルタイムに、相手のシュートがペナルティーエリア内にいた日本選手の腕に当たります。VAR=ビデオ・アシスタント・レフェリーの結果、ハンドの反則をとられて相手にペナルティーキックを与えました。
このペナルティーキックを相手の選手が外し、その後も得点を許さなかった日本。1対0で勝って予選リーグ2連勝とし、2大会連続となる決勝トーナメント進出を決めました。
日本は今月30日に予選リーグの第3戦でイスラエルと対戦します。
細谷 “ボールおさめれば仲間決めてくれる”
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カウンター攻撃で、ボールを相手の陣地深くまでドリブルで運び、先制点の起点となったフォワードの細谷選手は、
「自分がボールをおさめればチャンスになるとわかっていたし、うまく前を向けたので、あとはほかの選手が決めてくれるだけだった。ゴールのあと、自分の周りには誰も来てくれなかったが、入ってくれてよかった」
と笑顔で振り返りました。
その上で、今後の試合に向けて
「ゴールを決めないといけないと思っているし、今後も重要な試合が続くのでそこでしっかり決めたい」
と意気込んでいました。
無失点で勝利に貢献 小久保「すごくうれしい」
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後半のアディショナルタイムにマリがペナルティーキックを外した場面について、ゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手は、
「チームメイトから『頼むよ』とか『いつもどおりで』などと声をかけてもらったので、自然と笑みが出た。相手にプレッシャーをかけることができたし、ボールに触れてはいないが、気持ちでは触っていた」
と振り返りました。
そのうえで、相手の攻撃を防ぎきって無失点で勝利に貢献したことについて、
「チームを守りたいという思いがあり、結果が出たので、すごくうれしい気持ちだ」
と満足そうに話していました。
3月の強化試合ではマリに完敗 難敵相手に雪辱果たす
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日本はことし3月の強化試合でマリと一度対戦し、3失点を喫して敗れていました。この試合で日本は、開始早々に先制したものの、その後は、高い身体能力を誇る相手に押し込まれる展開となり、守備でミスが相次いで逆転負け。
完敗と言わざるを得ない内容で、試合のあと、選手たちは「経験したことがないところまで足が伸びてきた」と話し、相手の身体能力に戸惑いを見せていました。
あれから4か月。日本は、オリンピックのアジア最終予選を兼ねた23歳以下のアジアカップで優勝するなど、着実にチームとして成長し、今大会は、予選リーグ初戦のパラグアイ戦でオリンピックで初めて5得点を奪って快勝し、実力を示しました。
「同じ相手に2度は負けられない」と選手たちが口をそろえ、強い覚悟で臨んだマリとの再戦。序盤から拮抗した展開となり、初戦で引き分けているマリは後半、ロングボールを使って力で押す攻撃を仕掛けてきました。
それでも日本は、体を張った粘り強い守備に加え、ゴールキーパー、小久保玲央ブライアン選手の度重なる好セーブもあって得点を許さず、終盤のカウンター攻撃からの決勝ゴールを呼び込みました。
粘り強い守備で勝利につながる
試合終盤の劇的なゴールで2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた日本。
チーム全員が守備の意識を徹底したことが勝利につながりました。
日本はこの試合、主にゴール前を守るセンターバックに西尾隆矢選手と高井幸大選手を起用しました。
この2人は、ことし3月の強化試合でマリと対戦して敗れた時も出場していました。
なかでも西尾選手は、3月の試合で日本が先制した直後にボールを奪われて決定的なシーンを作られたことが苦い記憶として残っていました。
オリンピックの舞台で再び対戦することになったマリに対し、「怖がらずにディフェンスラインを高く保つ」と強い決意で臨んだ西尾選手。
持ち味の強じんな体をいかした守備で「デュエル」と呼ばれる1対1の局面の対決で強さを発揮したほか、ほかの選手との連係プレーでスピードがある相手にディフェンスラインの裏を取らせないように対応しました。
さらに、守備を突破されたピンチの場面では、ゴールキーパーの小久保玲央ブライアン選手が、好セーブを見せて防ぎました。
日本が得意とするカウンター攻撃につなげました。
そうした粘りの守備から生まれたのが、得意とするカウンター攻撃からの終盤の決勝点でした。
中盤の山本理仁選手が相手のパスをカットすると、右サイドでボールを受けた細谷真大選手が相手を振り払いながらドリブル突破してゴール前にクロスを送り、最後は山本選手が押し込んで値千金の先制点をもぎ取りました。
試合のあと汗でびしょぬれになったユニフォームでインタビューに応じた西尾選手は、
「試合を通してチーム全員の共通認識として高いディフェンスラインを保てたことがきょうの勝利につながった。この試合でチームのレベルが1段階や2段階上がったと思う」
と充実感をにじませました。
2試合で6得点と好調の攻撃陣だけでなく、粘り強い守備で無失点の日本。
このあとも攻守で持ち味を発揮できれば、56年ぶりのメダル獲得が近づいてくるはずです。