選挙妨害「つばさの党」代表ら3人逮捕、捜査の背景 逮捕に踏み切ったワケは? 今後の政治活動は?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

 

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 2024/05/17 20:00

 

 

 

衆議院東京15区の補欠選挙で他の陣営の演説を妨害したとして、警視庁は政治団体「つばさの党」の代表者ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。捜査幹部は「民主主義への挑戦」としていて、徹底的に捜査を進める方針です。



■“演説妨害”や“選挙カー追い回し”も 「つばさの党」代表ら逮捕

日比麻音子キャスター:
政治団体「つばさの党」による妨害が問題となってきました。例えば、YouTubeでも配信されていましたが、他陣営の選挙カーを追いかけまわしたり、4月16日には亀戸駅前で公衆電話ボックスの上に座り、他陣営の街頭演説を拡声器で妨害しました。

これに関して公職選挙法違反、選挙の自由妨害の疑いとして

▼幹事長の根本良輔容疑者(29)、

▼代表の黒川敦彦容疑者(45)、

そして

▼組織運動本部長の杉田勇人容疑者(39)

の3人が逮捕されました。

 

 

 

ここまでの動きを改めて見ていくと

【4月16日】衆議院東京15区補欠選挙の告示日

【選挙期間中】乙武氏陣営などの演説を妨害、「日本維新の会」などの応援演説を妨害、「立憲民主党」などの選挙カーを追い回す。

【4月28日】補欠選挙の投開票日
【5月13日】「つばさの党」家宅捜索、強制捜査
【5月17日】「つばさの党」3人逮捕

 

 

■「つばさの党」捜査の背景 逮捕に踏み切ったワケは?

ここまで事件を取材してきた警視庁記者クラブの遠藤記者です。これまで多数の陣営への選挙妨害があった中、なぜ4月16日のJR亀戸駅前の事案での立件となったのでしょうか?
 

遠藤怜子 記者:
警視庁は、亀戸駅前の演説があった2日後の4月18日に「つばさの党」に警告をしていましたが、その後も演説妨害が行われたことから極めて悪質・重大な事案だと判断しました。

さらに、選挙演説を聞いていた有権者から「実際に乙武陣営の演説が聞けなかった」という証言を得られるなど、豊富な証拠が揃ったことからこの事案での立件につながったということです。

日比キャスター:
5月13日には強制捜査となりましたが、在宅捜査ではなく、逮捕に踏み切るという判断に至ったのはなぜなのでしょうか?

遠藤 記者:
「つばさの党」側は今回の選挙妨害以外にも、ほかの陣営や党に批判的なタレントの自宅に行って街宣活動をするなどしていました。警視庁は、こうした活動によって被害者が恐怖を感じて口を閉ざし、重要な証言を得られなくなる可能性があったことから、在宅捜査ではなく、逮捕に踏み切ったということです。

 

日比キャスター:
ほかの陣営に対する妨害行為もありますが、警視庁の今後の捜査はどう展開していくのでしょうか?

遠藤 記者:
「つばさの党」をめぐっては、選挙期間中にほかの陣営を選挙カーで追いかけ回した事案など、ほかの陣営からの被害届を多数受理していて、公職選挙法に違反しているかどうかさらに捜査を進める方針です。

警視庁捜査2課は、課としては18年ぶりとなる特別捜査本部を設置していて、ある捜査幹部は「選挙の自由を逸脱していて、民主主義に対する挑戦だと思っている」と話していることから人数をかけて徹底的に捜査していく方針です。