中国船、台湾の離島周辺で越境操業 転覆し2人死亡 大陸委「遺憾」

 

 

 

2024/02/15 16:29
 
 
 
中国船の取り締まりに当たる海巡署の巡視艇(海巡署金馬澎分署提供)
 

(台北中央社)中国福建省に近い金門島周辺の海域で14日午後、海巡署(海上保安庁に相当)の巡視艇による追跡を受けていた中国船1隻が転覆し、中国人乗組員4人のうち、2人が死亡した。台湾で対中政策を担う大陸委員会は15日、報道資料を通じ、中国人乗組員が法執行に応じず不幸な事件が起きたことについて、遺憾の意を示した。

海巡署金馬澎分署によると、船名のない中国船が金門島に近い北碇島の東方1.1カイリ(約2キロ)の禁止水域で越境操業を行っていると通報があり、海巡署の職員が対応に向かったところ、船は蛇行を始め、転覆したという。

海巡署は15日、報道資料を発表し、この漁船について、船名がなく、船籍など必要な登録を行っていない「三無船」と呼ばれる違法な船だったと指摘。三無船は両岸(台湾と中国)が協力して注視している対象であり、取り締まりを強化していたと説明した。

またこの日午後に行われた行政院(内閣)の記者会見で海洋関係の主務機関、海洋委員会の管碧玲(かんへきれい)主任委員(閣僚)は、船は禁止水域に進入したため、海巡署は法にのっとり取り締まりを行ったと説明。悪意ある行為はしていないと語った。

大陸委は、主務機関が厳正に法執行し、人々の権利と利益を守ることを支持すると強調。これまでにもごく少数の中国人が台湾側に越境して海砂採取やダイナマイト漁、毒もみ、海洋ごみの放置などで海洋生態系を破壊していたとした上で、中国側に対応を強化するよう求めた。

(頼于榛、李雅雯、張已亷/編集:齊藤啓介)

 
 
 
 
 

台湾側の追跡で福建の漁民2人死亡 中国国台弁、強く非難

 

 

 

2024/02/15 13:08
 
 
 

台湾側の追跡で福建の漁民2人死亡 中国国台弁、強く非難
 

中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官。(資料写真、北京=新華社記者/陳曄華)

 

 【新華社北京2月15日】中国福建省の漁船が14日午後、金門海域で台湾側に追い回され、乗っていた4人全員が海に転落し、うち2人が死亡した。中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮(しゅ・ほうれん)報道官はこれについて、犠牲となった同胞とその家族に対し深い哀悼の意と心からのお悔やみを申し上げるとし、春節(旧正月)期間に両岸(大陸と台湾)同胞の感情を深く傷つける悪質な事件が発生したことに対し、台湾側を強く非難すると表明し、次のように述べた。

 われわれは長年、「両岸一家親(大陸・台湾両岸は家族のように親しい)」の理念を堅持し、両岸漁民の正常な操業を保障するため多くの活動をしてきた。特に沿海の多くの場所に台湾漁民を受け入れる施設を設け、台湾の漁船、漁民に避難、補給、緊急対応、救助などの支援を行っている。これに対し台湾側は一時期から民進党当局がさまざまな口実で大陸漁船を強制的に拿捕(だほ)し、粗暴で危険なやり方で大陸漁民を処遇しており、これが今回の悪質な事件を招いた主な原因だ。

 われわれは台湾側が事件の真相を迅速に究明し、犠牲となった漁民の家族の善後処置に協力するよう強く要求する。台湾の関係方面に対し、両岸漁民が台湾海峡の伝統的漁場で漁をしている歴史的事実を尊重し、大陸漁民の安全を確保し、今回のような事件の再発を根絶するよう厳しく警告する。