オリンピック 7人制ラグビー男子 日本の初戦 フィジーに敗れる

 

 

 

 

 

東京オリンピックは7人制ラグビーの予選リーグが始まり、男子の日本代表は初戦で、前回リオデジャネイロ大会金メダルのフィジーと対戦し、19対24で敗れました。

 

 

前回大会から採用された7人制ラグビーは、15人制と同じ大きさのグラウンドで行われ、広いスペースを少ない人数でカバーするため、めまぐるしく展開が変わるのが特徴です。

26日から男子の予選グループが始まり、前回大会で4位に入った日本は、グループBの初戦でフィジーと対戦しました。

フィジーは前回大会の準決勝で日本を破り、金メダルを獲得した強敵です。

試合は開始27秒にフィジーにトライを奪われて、いきなり先制されましたが、日本は2分後にキャプテンの松井千士選手がスピードを生かした突破でトライを奪い、その後のキックも決まって追いつきました。

その後、フィジーに再び5点をリードされた日本は、トゥキリ ロテ選手のトライとキックで逆転し、14対12で前半を折り返しました。

さらに後半開始のキックオフで、身長1メートル90センチの副島亀里ララボウ ラティアナラ選手が長身を生かしてキャッチすると、そのまま走りきってトライを奪い、19対12とリードを広げました。

しかし、このあと日本はミスから立て続けに2つのトライを奪われて逆転を許し、前回王者のフィジーに19対24で惜しくも敗れました。

日本は26日午後4時半から、予選リーグの第2戦で前回大会銀メダルのイギリスと対戦します。

 

 

新たに強化 フィジカル面の成長が試された試合

リオデジャネイロ大会で金メダルのフィジーは、日本が準決勝で敗れた難敵。
5年前からどれだけ成長できたかを試される、これ以上ない試合となりました。

前回大会で日本は、持ち味の素早いパス回しとスピードのある選手の突破を生かした戦術で、予選リーグの初戦で優勝候補のニュージーランドに勝利、準々決勝では、ヨーロッパの強豪、フランスを破るなど、下馬評を覆す活躍を見せました。


しかし、準決勝では屈強なフィジカルを武器にしたフィジーに屈し、メダルには届きませんでした。


試合後、日本の選手たちがもらした「壁のようだ」ということばが、フィジーの強さをうかがわせます。

7人制ラグビーでは、もともと、15人制と同じ広さのグラウンドを使うため、パスを多用してスペースを突くスピード感のある攻撃が有効とされてきましたが、前回大会以降は、フィジーのようにフィジカルの強さを生かして相手の陣地を奪う戦術がトレンドになっています。

日本は今大会に向け、課題だったフィジカル面の強化にも取り組み、選手によっては徹底した筋力トレーニングで10キロ近い体重増加に成功し、自信を深めてきました。


そして、フィジカルを強化しながらも持ち味の俊敏性やスピードを落とさないために、ハイ・インテンシティー・ランという強度の高いランニング練習を取り入れるなど、持ち味の走力にも磨きをかけてきました。


走力を生かした突破が持ち味の藤田慶和選手は「フィジカルと同時にチーム全体の走力も1年間で格段に上がってきていて、自信につながっている」と手応えを話していました。

初戦のフィジー戦は日本にとって持ち味のスピードと走力を生かした戦術に加え、新たに強化してきたフィジカル面での成長という両面が試される試合でした。

 

 

強化の成果は随所に

前回の王者で優勝候補の一角のフィジーに接戦を演じた日本。
敗れはしたものの、これまでの強化の成果を随所に見せる展開で、残りの試合に期待を抱かせる内容でした。

26日の試合では19対24で敗れはしたものの、トライ1つの差にまで迫りました。

特に成長を感じたのはフィジカル面です。
後半は、相手の屈強な体格を生かした攻撃を何度もはね返しました。
司令塔の藤田慶和選手が相手の突破をしっかりとタックルしてミスを誘うと、フィジカルの強さを買われ代表入りしたボーク コリン雷神選手は身長1メートル90センチ、体重110キロの体格を生かし相手の攻撃をタックルで止めるなど、苦しい時間帯をしのぎました。

そしてもともと得意としていたスピードを生かした攻撃にも手応えをつかみました。
前半、日本最初の得点となったキャプテンの松井千士選手のトライは、相手の選手2人をかわして、およそ80メートルを独走するトライでした。
松井選手はフィジカル強化のため8キロほど体重を増やしたということですが、持ち味のスピードはそのまま維持できていることを示しました。

松井選手は「前回のチャンピオンを相手に独走トライができたので自信がついた。次の試合もチームを勢いづけるトライを奪いたい。1年延期した間に磨いたフィジカルの部分では、チーム全体としてブレイクダウンの攻防からしっかりとボールを運べていたので、やりきれるなと感じた」と自信をのぞかせました。

藤田選手は「勝敗を分けたポイントは、こぼれ球の取り合いやほんのちょっとの精度の部分だった。世界一の実力と言われるチームだが、十分通用したし、差は少ししかないと感じた。勝ちきれなかったのは残念だが、自信のつく試合内容だった」と振り返りました。

その一方で、この試合ではパスの連係やルーズボールの争奪戦でミスから失点につながる場面がありました。

鍛え上げたフィジカルと持ち味のスピードに精度の高いプレーが加われば、悲願のメダル獲得も見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

オリンピック 7人制ラグビー男子 日本 イギリスに敗れ2連敗

 

 

 

 

 

東京オリンピック、7人制ラグビーの男子で、日本は予選リーグの第2戦に臨み、リオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得しているイギリスに0対34で敗れ、2連敗となりました。

 

 

キャプテン 松井千士「ミスから後手に あすは先手必勝の戦いを」

キャプテンの松井千士選手は「きょうの初戦でも出ていたキックオフのボールを取りこぼすミスから、後手に回ってしまった。相手の守備もチームとしてまとまっていて、短い試合時間の中で流れを取り返すことは難しかった」と、序盤で主導権を奪われたことが敗因だったと振り返りました。

そのうえで「大敗してしまったが、メダルをとりに行くという目標をもって来ているので、チームであすに向け、しっかり話し合って、先手必勝の戦いをして、決勝トーナメントにあがりたい」と前を向いていました。

 

本村直樹「コントロールしたいところで相手に選択肢」

副キャプテンを務める本村直樹選手は「試合前から、自分たちが長くボールを保持して、攻撃を仕掛けていくことが大事だと話していたが、ボールを相手に握られ、反則が増えてしまった。ゲームをコントロールしたいところで、逆に相手にいろんな選択肢を与えてしまった」と敗因を語りました。

それでも「初戦で前回の王者に食らいつけていただけに悔しい。大事な部分は変わらないので、あすの試合はしっかり先に点を取ることを大事にしたい」と気持ちを切り替えていました。