台風19号 非常に強い勢力で関東・東海に上陸へ

 

2019年10月12日07:40

 

 

白石 圭子

日本気象協会 本社白石 圭子

 

 

台風19号 非常に強い勢力で関東・東海に上陸へ

 

大型の台風19号は、非常に強い勢力で、12日(土)夕方から夜にかけて東海地方または関東地方に上陸する見込みです。不要不急の外出は危険です。

 

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大型で非常に強い台風19号 勢力を保ったまま東海や関東へ

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12日(土)午前6時現在、大型で大型で非常に強い台風19号は、日本の南を北上しています。風速25メートルの暴風域を伴っており、12日(土)夕方から夜にかけて、非常に強い勢力を保ったまま東海地方または関東地方に上陸する見込みです。その後、13日(日)にかけて温帯低気圧の性質を帯びつつ、速度を速めながら北東へ進むでしょう。
東海や関東を中心に既に台風外側の発達した雨雲がかかっています。12日は台風本体の雨雲がかかる前から風や雨が強まるでしょう。13日(日)は、東海や関東の雨は明け方までには止みますが、風が強い状態が日中いっぱい続く見込みです。北陸や東北、北海道の太平洋側を中心に大荒れになる恐れがあります。

 

 

記録的な暴風・高潮の恐れ

午前6時前に静岡県石廊崎で最大瞬間風速32.7メートル、午前4時過ぎに伊豆諸島の神津島で30.9メートルを観測しました。
13日にかけて予想される最大瞬間風速は、東海地方、関東甲信地方60メートルと、家が倒壊するものもあるくらいの風です。先月9日、千葉では台風15号の影響で最大瞬間風速57.5メートルを観測しましたが、東京都心や静岡市で50メートル以上の風を観測したことは観測史上ありません。記録的な暴風になる恐れがあります。そのほか東北地方50メートル、近畿地方45メートル、北海道地方、北陸地方40メートルと、走行中の地ラックが横転するくらいの風です。中国地方、四国地方、九州北部地方35メートルと、固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒するくらいの風です。不要不急の外出は避けて下さい。

13日にかけて予想される波の高さは、東海地方、関東地方、伊豆諸島13メートル、東北地方11メートル、近畿地方、四国地方10メートル、北海道地方、北陸地方7メートル、小笠原諸島、中国地方、九州北部地方、沖縄地方6メートルです。うねりを伴った高波に厳重に警戒して下さい。

台風の接近に伴って、13日(日)明け方にかけて、四国から東北の広い範囲で潮位が高くなる見込みです。特に、東海地方では、過去最高潮位を50センチ上回る所もあり、記録的な高潮となるでしょう。沿岸施設では重大な災害の恐れがありますので、厳重に警戒して下さい。

 

 

大雨特別警報を発表する可能性も

 

台風周辺の発達した雨雲がかかり、午前5時5分までの1時間に静岡県伊豆市市山55.0ミリの非常に激しい雨を観測しました。13日にかけて四国から東北ではカミナリを伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降る見込みです。東海や関東を中心に記録的な大雨になる恐れがあり、大雨の状況によっては大雨特別警報が発表される可能性があります。13日午前6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、東海地方800ミリ、関東甲信地方、北陸地方500ミリです。東北地方、伊豆諸島400ミリ、近畿地方300ミリ、中国地方、四国地方200ミリ、北海道地方100ミリです。東京都心で24時間降水量の観測史上1位は392.5ミリで、昭和33年の狩野川台風の時です。関東の平野部でも記録的な大雨になる可能性はあります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒して下さい。また、発達した雨雲の下では竜巻などの激しい突風の恐れがありますので、ご注意下さい。

 

 

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静岡県で滝のような雨 箱根も激しい雨を観測

 

 

 


 

 

大型で非常に強い台風19号
紀伊半島や伊豆諸島が暴風域に

http://weathernews.jp/s/topics/201910/120035/

2019/10/12 06:20 ウェザーニュース

 
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2019/10/12 06:20 ウェザーニュース

 

 

10月12日(土)5時現在、大型で非常に強い勢力の台風19号(ハギビス)は日本の南を北上しています。風速25m/s以上の暴風域は直径が650kmと巨大で、既に紀伊半島の和歌山県の一部や八丈島など伊豆諸島南部が暴風域に入っています。

台風19号は今日12日(土)夕方から夜にかけて静岡県や関東付近に上陸する予想で、記録的な暴風や大雨による経験したことのないような災害に厳重な警戒が必要です。

▼台風19号 10月12日(土)5時
 存在地域   八丈島の南西約330km
 大きさ階級  大型
 強さ階級   非常に強い
 移動     北 20 km/h
 中心気圧   935 hPa
 最大風速   45 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 65 m/s


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台風15号の強風域よりも大きな「暴風域」

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衛星画像 気象庁
 

千葉などに猛烈な暴風被害をもたらした台風15号は非常にコンパクトで、上陸時の暴風域の直径は160km、強風域の直径は390kmでした。

一方、今日12日(土)5時現在の今回の台風19号の暴風域の直径は650kmなので、15号の強風域よりも大きな暴風域を伴っていることになります。このため台風19号は、暴風に警戒が必要な範囲が15号と比べて非常に広いことが特徴です。

12日(土)6時までに、伊豆諸島の八丈島空港では最大瞬間風速35.0m/s、静岡県の石廊崎では最大瞬間風速32.7m/sを観測するなど、太平洋沿岸で風が強まり始めています。

また、台風の外側の渦巻き状の活発な雲「アウターバンド」が本州にかかり始めていて、激しい雨が降る所が増えています。既に静岡県伊豆市の湯ケ島では1時間に54.0mmの非常に激しい雨を観測しています。

 

大型台風 広範囲で猛烈な暴風に警戒

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各地で風雨の強まる時間帯予想

西日本から北日本の広範囲で暴風が予想され、特に台風の進路の東側にあたる関東地方などで、最大瞬間風速50m/sを超えるような猛烈な風が吹くおそれがあります。

屋外の物を可能な限り屋内に入れ、雨戸を閉める、窓ガラスを補強する、停電に備えて懐中電灯や備蓄バッテリーを準備するなどの対策をとってください。

 

特別警報級の大雨にも警戒

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予想雨量
 

関東西部や東海、甲信、東北地方などで特に大雨に警戒が必要で、伊豆半島など多いところでは24時間に1000mm近い雨が降り、記録的な大雨となるおそれがあります。

西日本と比べて大雨の経験が少ない地域と重なるため、これまでに経験したことのないような災害が発生するおそれがあります。土砂災害や河川の氾濫、床下浸水、床上浸水等が広範囲で発生する可能性があり、厳重な警戒が必要です。危険な状況になる前に躊躇なく避難をすることが重要です。

 

沿岸では高潮や高波による被害にも警戒

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各地の満潮時刻
 

14日(月)の満月を前に、満潮と干潮の潮位差が大きい大潮の時期となっています。満潮時の潮位が普段よりも高い所に、台風による高潮の影響が加わり、海面が普段よりも高い状況になることが予想されます。

さらに、台風通過後にかけて波が非常に高いことで、沿岸の地域では海水が陸地に打ち上げられることが予想されます。沿岸部の施設では事前に可能な限りの対策を行い、台風の通過後にかけては海に近づかないようにしてください。