厚生労働省が、2010年版高齢社会白書を発表し、さまざまな高齢者像が浮き彫りになった。
白書によると、65歳以上の高齢者のいる世帯は2008年現在1,978万世帯で、全世帯の約41%を占めている。中でも、一人暮らし高齢者の増加が著し
く、1980年では、高齢者人口に占める割合は、男性4.3%、女性11.2%だったのに対して、2005年には男性9.7%、女性19%と、特に男性の
伸びが目立っていた。
一人暮らしの高齢者の精神状態を見ると、他の世帯に比べて、健康や生活費などの経済的な心配事、病気のときに面倒を見てくれる人がいない、孤独になるといった悩み事がある人が多いことがわかった。
また、一人暮らしの男女の生活環境を比べてみると、「困ったときに頼れる人がいない」と答えた男性は24.4%、女性は9.3%、「ふだん、近所の人との
付き合いがほとんどない」と答えた男性は21.6%、女性は8.3%と、孤立しがちな男性が多いことが浮き彫りになった。
高齢者全体を見ても、近所で親しく付き合っている人の割合は年々減っていて、1988年が64.4%だったのに対して2008年は43%と、20年間に20ポイント以上も下がっていた。
そうした傾向の中、生きがいを感じている人の割合を調べたところ、高齢者全体では8割が感じているのに対して、友人がいない人では4割、近所付き合いがない人では6割にとどまった。この結果から、社会的な孤立は、生きがいや尊厳にも影響をもたらしていると推測される。
介護状況を見てみると、65歳以上の要介護等と認定された人は、2007年度末は2001年度末より150万人増加して、約438万人。介護者は、配偶者
が25%、子どもが約18%、子どもの配偶者が約14%。年齢別にすると、60代24.6%、70代約23%、80代約13%と、全体の60.8%が60
歳以上の老老介護のケースであること。しかも、その半数以上に当たる36.2%が70歳以上であることがわかった。
近年、孤立死が問題になっているが、23区内の一人暮らしの65歳以上の自宅での死亡者数は、2008年は2002年と比べて2,211人と、1.6倍も増加しており、この中に含まれる孤立死も相当数増えていることが推測される。
一方、元気な高齢者の8割が「困っている世帯を手助けしたい」と考えている。しかし、実行している高齢者は3割にとどまっていることから、思いを実行に移
すためには、まとめ役を養成していくこと、地域で支え合う工夫が必要だと。生活困窮者に対しては、民間と行政や専門家がネットワークを作り、柔軟で多様な
対応が必要だとしている。
(CARE MANAGEMENT ONLINE)
厚生労働省は5月15日、介護サービスの利用者や家族、介護従事者などを招いた「長妻大臣と語るみんなの介護保険!意見交換会」を省内の講堂で開催した。
出席した長妻大臣は、たんの吸引など一部の医療行為をヘルパーに認める介護保険制度の見直しを検討することを表明した。今年4月に特別養護老人ホームにおいて介護職に解禁された一部の医療行為をヘルパーや他施設などへも拡大していく方向だ。
介護保険制度発足後10年をうけて開催された意見交換会は厚生労働省として初の試み。開会時、長妻大臣は「みなさんの忌憚のないご意見をいただき世界が日 本をお手本にするような介護の姿を作り上げたい」と挨拶した。その後、山井政務官とともに6つのグループに分けられた約70名の参加者らのテーブルを1時 間半にわたって巡回しながらサービス利用者や家族、介護従事者らの意見や要望を聞いた。
利用者からは、たんの吸引や胃ろうなど一部の医療行為を在宅やグループホームなど特別養護老人ホーム以外の施設でも介護職が実施できるよう要請する意見が多く聞かれたほか、どのテーブルでも介護職の人材確保や報酬アップを実現するための取り組みが求められた。
利用者や家族から現行の介護サービスの課題や改善点を直接聞いた長妻大臣は、意見交換会終了後、介護職による医療行為容認の拡大について「ヘルパーでも研 修を受けたうえで介護現場で医療行為を行えるようにしたい。近く有識者らを集めて検討会を開催する。来年の通常国会に法案を提出できるよう目指す」と述べ 法律上、容認できる体制を整える姿勢を表明した。
(CARE MANAGEMENT ONLINE)
出席した長妻大臣は、たんの吸引など一部の医療行為をヘルパーに認める介護保険制度の見直しを検討することを表明した。今年4月に特別養護老人ホームにおいて介護職に解禁された一部の医療行為をヘルパーや他施設などへも拡大していく方向だ。
介護保険制度発足後10年をうけて開催された意見交換会は厚生労働省として初の試み。開会時、長妻大臣は「みなさんの忌憚のないご意見をいただき世界が日 本をお手本にするような介護の姿を作り上げたい」と挨拶した。その後、山井政務官とともに6つのグループに分けられた約70名の参加者らのテーブルを1時 間半にわたって巡回しながらサービス利用者や家族、介護従事者らの意見や要望を聞いた。
利用者からは、たんの吸引や胃ろうなど一部の医療行為を在宅やグループホームなど特別養護老人ホーム以外の施設でも介護職が実施できるよう要請する意見が多く聞かれたほか、どのテーブルでも介護職の人材確保や報酬アップを実現するための取り組みが求められた。
利用者や家族から現行の介護サービスの課題や改善点を直接聞いた長妻大臣は、意見交換会終了後、介護職による医療行為容認の拡大について「ヘルパーでも研 修を受けたうえで介護現場で医療行為を行えるようにしたい。近く有識者らを集めて検討会を開催する。来年の通常国会に法案を提出できるよう目指す」と述べ 法律上、容認できる体制を整える姿勢を表明した。
(CARE MANAGEMENT ONLINE)
5月17日に行われた第18回厚生労働省省内事業仕分けでは、国民健康保険中央会に続いて、介護労働安定センターも仕分けの対象となった。
同センターの事業は、介護分野における雇用安定事業および能力開発事業であるが、雇用安定事業では、介護事業所への訪問を含め情報提供や相談援助を12万 件実施、外部コンサルタントによる相談も7,000事業所に対して実施したとある。ほかに雇用管理責任者講習や雇用管理実態調査など、22の事業に対して の予算は12.2億円で、全額国からの財政支出となっている。
能力開発事業では、500時間の介護職員基礎研修の実施により、研修修了者の就職率が87%、研修コーディネート事業では、昨年度の相談件数が2007年 度の約2.2倍に増加しており、能力開発啓発セミナーにおける受講者満足度は89%にも上るなど、実績を強調する説明がなされた。ちなみにこれら能力開発 事業の予算規模は11.6億円である。
こうした現状に対してヒト、モノ、カネの側面から出された改革案は、
1)組織のスリム化(ヒト)……今後、役員13名全員を民間から登用する見直し策を提示。同センターは正規職員97人のうち、OB(国家公務員出身者)は43人と、組織におけるOB率の高さが目に付く。
2)余剰資産などの 売却(モノ)……本部・支部を移転し、移転前の貸借料4億円を1.5億円に削減。
これは行革刷新会議の事業仕分けでも、地代の高い一等地にオフィスを構える法人について、その賃料の高さが問題視されていたが、介護労働安定センターにお いては、全国の支部・支局のオフィス賃料を半分以下にするとの提案がなされた。4億円かかっていた賃料が約6割減になっても事業が機能するのに、これまで 放置していたことについては、非難されても弁明の余地はないであろう。
3)国からの財政支出の削減(カネ)……昨年度が30億円、今年度は24億円、次年度は22億円と年々削減されており、これは介護雇用管理制度等導入奨励金の見直しや光熱費等の経費の削減で対応する、 とした。
これら改革案に対し、仕分け人からは、「介護職員基礎研修は民間企業や地方自治体に任せられないのか」、「交付金が出るなどで介護職は注目されており、センター自体の役割は十分果たしたのでは」など声が上がった。
また、介護雇用管理助成金や介護雇用管理制度等導入奨励金に関しては、労働局も同様の助成措置を講じており、「同センターが助成金事業を行う必要性がある のか」と指摘。雇用に関する相談事業に関しても、「“○件訪問した”という数字だけでは効果がわからず評価できない」とバッサリ。評決においても、どの事 業においても提案された改革案では不十分であり、「ここでなければできない事業なのかどうか疑問」と、他部局や民間への移管の道が示された。
(CARE MANAGEMENT ONLINE)
同センターの事業は、介護分野における雇用安定事業および能力開発事業であるが、雇用安定事業では、介護事業所への訪問を含め情報提供や相談援助を12万 件実施、外部コンサルタントによる相談も7,000事業所に対して実施したとある。ほかに雇用管理責任者講習や雇用管理実態調査など、22の事業に対して の予算は12.2億円で、全額国からの財政支出となっている。
能力開発事業では、500時間の介護職員基礎研修の実施により、研修修了者の就職率が87%、研修コーディネート事業では、昨年度の相談件数が2007年 度の約2.2倍に増加しており、能力開発啓発セミナーにおける受講者満足度は89%にも上るなど、実績を強調する説明がなされた。ちなみにこれら能力開発 事業の予算規模は11.6億円である。
こうした現状に対してヒト、モノ、カネの側面から出された改革案は、
1)組織のスリム化(ヒト)……今後、役員13名全員を民間から登用する見直し策を提示。同センターは正規職員97人のうち、OB(国家公務員出身者)は43人と、組織におけるOB率の高さが目に付く。
2)余剰資産などの 売却(モノ)……本部・支部を移転し、移転前の貸借料4億円を1.5億円に削減。
これは行革刷新会議の事業仕分けでも、地代の高い一等地にオフィスを構える法人について、その賃料の高さが問題視されていたが、介護労働安定センターにお いては、全国の支部・支局のオフィス賃料を半分以下にするとの提案がなされた。4億円かかっていた賃料が約6割減になっても事業が機能するのに、これまで 放置していたことについては、非難されても弁明の余地はないであろう。
3)国からの財政支出の削減(カネ)……昨年度が30億円、今年度は24億円、次年度は22億円と年々削減されており、これは介護雇用管理制度等導入奨励金の見直しや光熱費等の経費の削減で対応する、 とした。
これら改革案に対し、仕分け人からは、「介護職員基礎研修は民間企業や地方自治体に任せられないのか」、「交付金が出るなどで介護職は注目されており、センター自体の役割は十分果たしたのでは」など声が上がった。
また、介護雇用管理助成金や介護雇用管理制度等導入奨励金に関しては、労働局も同様の助成措置を講じており、「同センターが助成金事業を行う必要性がある のか」と指摘。雇用に関する相談事業に関しても、「“○件訪問した”という数字だけでは効果がわからず評価できない」とバッサリ。評決においても、どの事 業においても提案された改革案では不十分であり、「ここでなければできない事業なのかどうか疑問」と、他部局や民間への移管の道が示された。
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