ちょっとおどろおどろしいかも!
前の記事で七つの大罪とは人を罪に導く七つの概念だという話をしました。
この罪についての記述として初めて記されたのは4世紀のエジプト。
当初罪の概念は、八つの「枢要罪」でした。
その八つが「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憂鬱」、「憤怒」、「怠惰」、「虚飾」、「傲慢」でした。
以前「七つの大罪」はまるで里見八犬伝みたいだと思っていましたが、
まんざら的はずれでないかもしれません。
6世紀後半になると、ローマ教皇のグレゴリウス1世の手によって
現在知られる七つの罪に改められます。
そして新たに「嫉妬」が追加され、「憂鬱」と「怠惰」は統合、
「虚飾」は「傲慢」に含まれました。
ここからが新たな発見です。(私にとってですよw)
16世紀後半になると、七つの大罪の一つ一つに呼応する七体の悪魔リストが作り出されます。
後に通俗的な※グリモワールで頻繁に悪魔のリストが利用されることとなるのですが、
このリストに示された悪魔たちが、それぞれ自らが司る罪を人間に犯すよう仕向けるということになるわけです。
実際人々に説得する際、悪魔という存在と結びつけて説いた方が、具体的なイメージを想起させやすかったんだろうと思います。
また中世以降では七つの大罪を動物の姿で描かれることもあり、
これが漫画の七つの大罪の各キャラクターの印に施されたのでしょう。
描かれている動物は統一されているわけではなさそうなので、複数の動物が出てきますが以下に漫画と対比させて記しました。
それと 大罪と対を為す、美徳(忠実、貞節、知恵、愛、希望、慎重、勇気)も存在しているんです。これら大罪と美徳は中世占星術の象徴としても用いられ、七つの惑星(木星、月、水星、金星、太陽、土星、火星)と結びついています。
【漫画七つの大罪のキャラクターと対応させると】
「傲慢/Pride」:ルシファー(ベリアル) 動物の姿 グリフォン・獅子・孔雀→ エスカノール 印 獅子
「嫉妬/Envy」:レヴィアタン 動物の姿・蛇・犬→ディアンヌ 印 蛇
「暴食/Gluttony」:ベルゼバブ 動物の姿 豚・ハエ→マーリン 印 豚 これはハエの方が有名ですが、流石に印としてハエが描かれているのはよくなっかったのでしょう。
「色欲/Lust」:アスモデウス 動物の姿 蠍 山羊→ゴウセル 印 山羊
「怠惰/Sloth」:ベルフェゴール(アスタロス) 動物の姿 熊・ロバ→キング 印 熊
「強欲/Greed」:マモン 動物の姿 狐・ハリネズミ→バン(強欲) 印 狐
「憤怒/Wrath」:サタン 動物の姿 一角獣・龍・狼→メリオダス 印 龍
ここまで書いたので、各悪魔についても説明してしまいます。
まず、悪魔とはなんなのか、堕天使ですね。
昔、悪魔は元々は天使だったのだと言うことを聞かされて驚いたと同時に複雑な気持ちになったことを覚えています。
しかも、悪魔の長ルシファーは、天使長であったということ。
神の寵愛が人にのみ向けられていたことに嫉妬し、悪魔となって墜ちた姿のなのだと聞かされて「こえーっ」って思いました。
だから、神に次ぐ能力があるんだなって納得しましたね。
ということでそのルシファーから
傲慢/ルシファー
その名はラテン語で「明けの明星(金星)」の意を表します。なんと十二枚もの翼を持っています。サタネル=「悪魔王」=ルシファーです。 自身を神と同等、あるいは神よりも優れていると認識したルシファーは、全天使の三分の一を率いて神に反旗を翻します。なんとルシファーについていき神に反抗したのが全天使の三分の一もいるんですね!!これみんな悪魔になっちゃったってことですよね?
嫉妬/レヴィアタン
「曲がりくねった蛇」の意。 元来レヴィアタンは堕天使ではなく、古来より海に生息する巨大な怪物として、他の堕天使達と一線を画する存在だったようです。 海の凶暴さ、恐怖を具現化させた存在で、レヴィアタンは人々にとっては畏怖すべき古の怪物として存在していたのですが、中世以降の悪魔学によって邪悪な悪魔と定義され悪魔の一員となったようです。
海獣リヴァイアサンみたいなものなのかな?って思って調べたら、なんとレヴィアタンとは リヴァイアサンのことでした@@
「出典ウィキペディアより」
憤怒/サタン
サタンが憤怒の罪を何故司るようになったかは、曖昧なものが多く明確な定義は定かではないのですが、ちょっとここでこんがらがってます。
だって、サタンはルシファーだと思っていたのに!
でも、実はサタンの存在が曖昧でサタンほど定義の難しい悪魔は他にはいないということなんです。
なぜなら「サタン」という名称は、固有名詞であるか代名詞であるかすらも定かではないからなんです。
いや、これ自体なんとも不気味な悪魔な感じがしませんか?
実体がないような得体の知れない存在。
そもそも旧約聖書が記された頃のサタンという言葉は「敵対者」の意だったといいます。
怠惰/ベルフェゴール
ベルフェゴールは人間界の結婚生活などをのぞき見る悪魔とされ、女性の心に性的で不道徳な心を芽生えさせる力を持ち、その為か、女性に対して非常な不信感を持っていたとされています。
中世ヨーロッパの伝説に、ある時魔界で「幸福な結婚というものは果たして存在するのか?」という議論が起こり、実際にそれを見てくるために人間界へやってきて人間を観察します。そして様々な人間の結婚生活を観察し、結論を下します。それは、人間は神が創り出した不完全なものであるため、幸福な結婚などもともと送れないようにできていると言う結論だったとされています。
研究熱心な真面目な悪魔なんですね。
怠惰なイメージがないようなんですが、むしろ色欲ではないでしょうか。
強欲/マモン
マモンの名はギリシア語で「富・財」を意味します。
その由来はマモン自身が金銀財宝に貪欲で、人間にも同様の影響力を及ぼすためです。
マモンは天使であった頃から金銀財宝をこよなく愛し、その浅ましさは「他に比類なき」と形容される程でした。
結局、その強欲が仇となり天から墜ちる訳です。
面白いのは、地獄に堕ちてもマモンは他の堕天使達を指揮し金銀財宝の採掘に精を出していたというほど俗物的で、確かに強欲な存在だということです。
暴食/ベルゼバブ
「蝿の王」ベルゼバブは七つの大罪「食欲、暴食:Gluttony」を司ります。
作物を腐敗させる能力に長けています。
ベルゼバブのルーツは、古代カナンのペリシテ人が治めた5つの自治都市のひとつ、エクロンで祀られていたバアル神。
当時は嵐と雨の神として豊穣を司っていました。
しかし、教会に取り込まれるにあたり、豊穣とは真逆の、腐敗を意味する「蝿の王」とされてしまったのです。
私見ですが、それは恐らく、神が沢山いては困るからなのでしょうね。
色欲/アスモデウス
アウモデウスの逸話として、資産家の娘サラという女性が繰り返し7回も結婚相手を初夜に絞殺し続けるという恐ろしい出来事が起きました。
殺害を実行していたのはサラに取り憑いたアスモデウスでした。
しかし、8人目の婚約者は大天使ラファエルの加護を受けており、
アスモデウスが撃退することができたとされています。
こんなおぞましい存在が、実は七つの大罪だったんですね。
漫画のストーリーとは何にも関係ないですが、雑学的には面白い話だと思います。
いろいろ勉強になりますね。
注釈※グリモワールとは、ヨーロッパで流布した魔術書を指します。
悪魔や精霊、天使などを呼び出して、願い事を叶えさせる手順、そのために必要な魔法円やペンタクルやシジルのデザインが記された書物を指すします。
『ソロモンの鍵』『ソロモンの小さな鍵』『黒い雌鶏』などが有名で、特に『大奥義書』の異本『赤竜』に加えられた、黒い雌鶏を使った召喚儀式に登場する「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」という呪文は、
『魔界転生』(映画では天草四郎役の沢田研二が言ってましたね)や『悪魔くん』、『四月は君の嘘』などの作品に取り入れられ、日本でも有名です。
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