会社をやめるという作業は自己否定をすることでもあった。

 

自分が積み上げて来たものを否定して手放す。

目の前の相手から否定される言葉を投げられることもある。

 

それが続けば自分の中でも自己否定感は強くなる。

 

自分で自分を否定することは本当に辛いことだよ。

 

でも今振り返ればそれが再スタートの一歩目だった。

 

それはもう一度自分で自分を信じられるようになるために必要なことだった。

 

経営者としての自分を信じられるいうことは目標を達成すること

 

大きな志と中短期の目標を分けて立てる。

目標を達成するために自分に課したことがあった。

 

「当てにしない」

 

依頼をすれば成果を期待する。

お金を払えば過分な対価を求める。

思うようにいかない時は誰かにすがりたくなる。

 

実は何の行動もしていない時ですら誰かや何かに勝手に想像し期待している自分がいた。

 

自分にいい聞かせる。

他は当てにしない。

当てになるのは自分だけだと

 

「当てにしない 目標を持って自ら主体的に行動する」

 

今も変わらない自らの行動規範のひとつになっている。

 

それは唯一自分自身には期待してもいいということでもある。

 

目標を立てたらそこに向けた自分のすべきことに集中すると決めていた。

 

他を当てにしていないことは価値を生み出すことになる。

 

自分でやるしかないので行動は早い。

意思決定イコール行動だった。

 

自分の出来ないことは誰かに依頼する。

当てにしてないので普通に当たり前のことをしてくれた相手に感謝の気持ちが湧き上がる。

それ以上であれば感謝はどこまでも上がって行く。

 

知らず知らずのうちに感謝のハードルが相当低くなっており、どんなことでも感謝出来るようになっていた。

 

感謝と信頼は繋がっている。

 

感謝に基づいた行動は信頼を得ることになる。

応援してくれる人も増える。

 

結果信頼を得たことで目標を達成できるようになった。

 

目の前の小さな目標の達成を繰り返すことが経営者としての自分を再び信じられることだ。

 

時間は掛ったけど少しづつ確実に自分を信じられるようになっていった。

 

自分を信じることは「自分の未来を信じる」ことにも繋がる。

 

漠然とではあったけど子供の頃から自分の未来に対して前向きなイメージしかなかった。

 

会社をやめる時、自分の味方が誰もいなくなった時でも根拠もなく自分の未来だけは信じていた。

 

自分を応援できるのは自分しかいないことが分かっていたからだと思う。

 

どんな状況下でも自分の未来は信じてほしい。

 

それがピンチを乗り越える糧になり、再スタートを目指す時の光になる。

 

「自分の未来を信じる」