展示会の相当な数の全ブースを一日掛けて回った。

 

ブースの中の担当者は

「何の営業ですか?」

と訝しがる人がほとんど

でも全く気にならなかった。

 

「生活するためにお金を得る」という目標の元にやれることはやる

ただそれだけだった。

尻に火がついている。

 

今振り返ると提案はハッタリもあるし、その行動も稚拙で恥ずかしいと思う。

でも本気で真剣だったんだ。

 

ブースの数は100を超えていたと思う。

全部に名詞とパンフを置いてきた。

 

くたくたへとへとだったけどその日に立てた「全ブースに営業をする」という目標は達成して気分は爽快だったことを覚えている。

 

 

数日後に一本の電話が鳴った。

 

「○○県に出店したいのだけどテナントを探してもらえないかな?」

 

「ありがとうございます!」

 

その依頼に合うようなテナントを一生懸命に探したけど希望に沿うような物件は簡単には見つからない。

3ヶ月後位にたまたま近くで閉店した物件が気に入ってもらいそこに出店することが出来た。

 

期待に応えることが出来た嬉しさは忘れられない。

 

 

展示会営業大作戦は結局掛かってきた電話はそれ一本だけだった。

 

しかもその方はブースを出展していたわけではなく、来場していたお客さんで何かのブースの中でたまたまオレから名刺をもらったらしい。

 

奇跡だよ。

奇跡だと思った。

 

入り口は物件を探しただけだったけど時間のたっぷりあるオレは自分の出来るあらゆるサポートをほぼ無償で行った。

ただただ有難くて嬉しかったんだ。

 

その方に信頼してもらえたことにより、新たな出逢いが続きそしてまた信頼が繋がっていく。

 

稚拙で無謀だけど本気で真剣だった行動がオレの中の新しい扉を開くことになった。

 

初めて繋がったその細い細いたった1本の糸は実は太く何本にもなって今も繋がっている。

 

「生活するためにお金を得る」という目標は達成して今は全く違った目標の元に当時の方々ともまだ一緒に行動をしている。

 

時間と共に目標も変わりサポートの形も変わったけどそれでいい。

 

 

会社をやめて模索しながらまた経営者の道を歩むことを決めた。

 

収入を得ることが出来ず苦しんだけど楽しかった踊り場の時期

 

それを踏まえてメンターの妻に尻を叩かれながら起こした無謀だけど本気で真剣な行動

 

そして身を持って体験した奇跡

 

「捨てる神あれば拾う神あり」

 

だから今苦しんでいる経営者の方々に伝えたい。

 

裏切られたり騙されたりして周りを信じられなくなっていても自暴自棄になるな。

 

正直に誠実に本気で真剣に行動していれば時間は掛かっても奇跡は起こる。

 

拾う神が必ず現れる。