大変でも苦しくてもどんなことがあっても会社経営を続けることが絶対だと考えていた。

 

それが経営者としての使命であり正義であると。

 

でもそれは突然やってくる。

 

いやその前兆はずっと前からあったはずなのにそれを意図して見ないようにしていた。

 

オレの会社の場合は一番信頼を於いていた一番大切な仕事上のパートナーの死が始まりだった。

 

自死

 

責任は全部オレにあった。

 

頭の中でぐるぐる回る

自責の念 後悔の念 

 

そこから全ての歯車が逆に周り出し必死に止めようとしても加速度を増して回り続けた。

 

もがく 苦しい 眠れない

 

答えを探して思いつく限りの人に会って話を聞いてもらう。

でも求めている答えは一切そこにはなかった。

 

売上減少、従業員の離反、底をつく資金

 

社長のオレに対するスタッフの信頼がどんどんなくなっていくことを感じる。

 

そして銀行融資の返済がきつくなってきた。

銀行は追加融資を受け入れるはずがなく、支払い猶予で金利だけを払うリスケで時間を稼ぐ。

 

売上を上げるためにはとスタッフの士気を高めるために激を飛ばし活を入れる。

 

空回り逆効果で相手の気持ちがどんどん離反するのがわかった。

 

それでも会社を存続させて続けることが唯一の正義だと信じて疑わなかった。

 

誰にも相談することが出来なくなっていた。

いや相談出来る人が一人もいないことに気が付いた。

 

売上を上げるための施策を考え、従業員の士気をアップさせることを考え、資金繰りに奔走する。

 

今のオレには応援してくれる人もアドバイスしてくれる人も味方もいない。

 

孤独感が心を支配した。

 

これから先に対する不安がどんどん増していく。

 

オレの会社はそしてオレはどこに行くんだろう。

 

とにかく何もしない時間が怖くて仕方なかった。

しなくていい仕事まで無理矢理やっていた。

 

できるなら寝る時間もないほうがいいとさえ思った。

悪い想像をしなくて済む。

 

心が折れそうになる自分を自分で鼓舞する。

 

唯一の救いは社長として最悪の選択をすることだけは自分の中から抹消することが出来ていたことぐらいだった。

 

亡くなったパートナーに対する懺悔の想いがオレをそうさせていた。