今日の新聞で忘れて無くした自宅の鍵を探しているという記事を読んだ。
鍵をなくすで忘れられない思い出がある。
息子が小学生3.4年生だったので5年位前かな。
夏休みに家族3人で九州に旅行に行ったんだ。
福岡、佐賀、大分に宿泊する5泊6日の旅行の初日ことだ。
飛行機で着いた福岡空港でレンタカーを借りてドライブ。
ホテルだけ決めて、後はレンタカーでノープランで遊ぶが我が家の旅の定番だった。
その時は福岡市内から橋一本で行ける玄界灘に浮かぶ小さな島をドライブしていた。
海がすごく綺麗で観光客もほぼゼロ。
「海水浴しようか」「おう!やろう!」
大興奮のアホ親子。
夏休みになると小学生の息子と日本中の海で泳いでいたので、自称「海水浴のプロ」と言っていた。
大急ぎで海パンになって、誰もいない海に2人でザブーン!
ひとしきり大騒ぎして遊んで、そろそろ移動しようかと車に戻って着替えようとしたら
「えー 鍵がない!」
海パンのポケットに車の鍵を入れたまま泳いで、海の中に落としてしまったようだった。
その年の春には潮干狩りをした時、海パンに携帯を入れっ放しにして水没させていた。
「あんたまたかよ どうすんの!」
怒りに充ちた妻の声。
ヒッチハイクで福岡市内のレンタカー屋まで戻るかと考えたけど、他に人はいないし、車もほとんど通ってない。
何より海パン一丁のオヤジを乗せてくれる人なんているわけないよ。
春のことがあったんで携帯は大事に大事に、ロックされた車の中だ。
「とにかく探せ!」
わかったとは言ったけど、こんな広い海で見つかるわけねーだろ。
息子と二人でとぼとぼと海の中を探し始めた。
遊んだ場所を思い出しながら。
絶対無理だと思いながら探していたら、海の中にキラリと光るものが見えた。
「あ、あ、あ、あったああー」
奇跡だよ。奇跡。
海水が透明だったことと他に海水浴している人がいなかったことが幸いしたのかな。
今まで生きてきた中で一番にうれしかった。
この後どうしようと考えたら本当に途方に暮れていた。
今振り返っても一番嬉しかった瞬間だったと言えるね。
その30分後位かな。
もっと綺麗な海岸があったんでまた二人で泳いでいた。
反省しないというか、能天気というか。
いや海水浴のプロとしては当然のことか。
妻は呆れていたけれど、よく付き合ってくれていたと今になって本当に感謝です。