大好きな作家さんですのエッセイ。
日本人の湿った感情を描きつつ、太陽の様な愛を描ける特異な方。
「生前、間違いなく生きていた」
なんて、そりゃそうだろう、みたいな表面的な書き方にも、愛がある
生きていたというのは、癌が生きていたと感じた。
また、癌の話と直接関係ないが
カナダ人の手は、愛で溢れ、日本人の手は情で濡れている。
と表現されていた部分にひどく共感した。日本人の情に左右される生き方。寄り添う姿勢。
そして、カナダ人の愛の表現の仕方。どちらもうまく表現されている文章だった。
小さなコモンが、生きている証拠のように思えたカナダでの生活ぶり。もちろん楽しいことばかりでは、なかったようだが、日本人ももっとたくましく寄り添いあいながらも自活する考えを持たなければならない気がした。