私の兄弟はみんなJWを辞めたので、甥っ子達は特定の宗教に関わりのない生活をしています。


だいぶ前ですが、甥っ子が実家に来て帰る時に、玄関で母が小声で「愛してるよ」と言って抱きしめてるのを見ました。


微笑ましい光景のはずなのに、心温まる出来事のはずなのに、わたしはなぜか、不自然さと嫌悪感を、感じました。

「愛してる」なんてポジティブな言葉なのに、母にそんなことを思ってしまう自分に罪悪感を感じました。


わたしはインナーチャイルド、小さなわたしに、なんで母が言う「愛してるよ」を素直に受け取れないのか聞いてみました。



だって! 

変だよ!気持ち悪いよ!

お母さん、普通にしてたらそんなこと言わない。

いつもそんなこと言わないでしょう??

集会で、子どもを愛してるって言いなさいと言われたから?「励まされた」から?

だから、無理して言ってるの?


嘘つかないで!

JWの中の「愛してる」は聞いてて腹が立ってしかたない!

本当じゃない、心こもってない!

嘘をつくなって教えたくせに、偽善たっぷりの仮面のような笑顔が心底嫌で憎い。


愛してるっていうのは、どんなわたしも受け止めてくれるってことだ!

おしゃべりでも、生意気でも、どんな意見をいっても、無視せず、目を向けて受け止めてくれることだ!


それなのに、

「黙れ!「でも、だって、しかし」と言うな!

お前は正しくない。お前は何も知る必要はない、疑問を心に上らせるな!自分に聞くな!自分の考えは間違っているから、組織にだけ従っていればいい。それが生きていていい条件だ!」

とずっと言われていたんだ。


わたしが自分を出そうとしたら、疎ましさを丸出しにしたくせに、愛してるなんて言うな!!


愛してるよの前に、本当は言葉があるよね??


JW組織に依存しているお母さんに、何も考えずに言う通りにしていれば…

お母さんの機嫌を損ねなければ…

お母さんを超えない程度の賢さ、豊かさに留まり、組織の推奨する生活に満足してれば…

お母さんの価値観や、想像の範囲内で、生きてく子どもであれば…


「そんな子どもなら、気持ちを乱されることなく接することができる。」


母がそう言っている気がしました。


以前は、そんな母をひどい!と思うばかりでしたが、いま自分のインナーチャイルドケアをしていると、JW組織にすがるしかなかった母の、深い深い寂しさを感じるようになりました。


母は、エホバの証人として、自分は唯一正しい組織に属しているのだ、従っていれば、神さまが守ってくれると信じています。

それが、母の生き方なんだと思います。


でも、わたしは、母のインナーチャイルドが、もっとみてもらいたい、もっと褒めてほしい、もっと大事にしてもらいたい、もっともっと愛してほしいと言っているように聞こえています。

だから、子どもたちがわがままに自己主張することを受け入れられないし、子どもが楽しそうにしてたり遊んだりしてると、自分ばかり損をしているとイライラして怒ったりしていたのだと思います。

JWが子どもに求める基準は、反抗することなく喜んで親の言うことを聞き、親を助け、家族のために働き、自分よりも他人のことを優先でき…みたいなめちゃくちゃ、ハードルが高いので、そんな基準を自分の子どもが当てはめていれば、それはそれは母の気持ちも安らかになったでしょう。

母は、一生懸命、JWの勉強して、家族で幸せになりたいと思ったのだと思います。でも自分の感情を大事にするよりも、JW組織の言う通り組織に依存し、依存すればするほど、子どもに対してハードルの高い条件付きの愛情になってしまったのかなと思います。

わたしは、JWの出版物の書きっぷりが本当に受け付けませんでした。答えがもう決まっている文章なのもいやでした。「統治体は間違うこともありますが、絶対信じなさい」なんて、みんな命をかけて信仰しているのに、どう考えてもおかしいことを、呑み込まなきゃいけない、普通に考えたら、愛じゃないことばかりでも、自分の考え方が愚かで間違っていると抑圧するしかありませんでした。

わたしは母がJWっぽいことを言うと、拒絶してしまいます。母に愛情が全くないわけじゃないのも知っているだけに、今までは自分を責めていました。

でも、今は小さなわたしにこう言ってあげます。

「辛かったね。わたしのままでいいよってお母さんに言ってほしかったね。
お母さんに、愛してるよと言われても、怖かったんだよね。いい子じゃなきゃ愛してくれないんだって知っていたんだよね。

いまは、わたしがお母さん。
わたしは、あなたの失敗しちゃったり、怠けちゃったり、怒ったり、人を見下しちゃったり、楽したくてズルしたくなるとこも、ヤキモチやいて嫉妬しちゃうとこも、人の幸せを素直に祝えないとこも。。。全部知ってるんだ。
全部知ってるうえで、それでも好きなんだ。
それでもずっと一緒にいるんだよ。
条件はないんだよ。
あなたの価値は、なにをするか、なにをしないかじゃない。
あなたは、今ここにいること価値があるんだよ。
今までいてくれて、これからもいてくれることに価値があるんだよ。」

わたしは、インナーチャイルドケアを知るまでは、自分の嫌なところはダメ出ししかしていませんでした。自分の素敵なところ、かっこいいところ、思いやりのあるところ、をもっと伸ばさなければ愛されないと思っていました。
でも違いました。
今わたしは、自分の中の自分にただただ目を向けることが、愛してることだと思います。

「愛してるよ」

私が、自分にかけるこの言葉は、嘘はなく、今ある自分まるごと包むもの。
ずっとそうしていきたいです。